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主体的な授業参加は120%の達成イメージから

授業の冒頭に、今日の授業が終わった時の自分をイメージしてもらいました。今度は、視点をもっと先において、これから前期授業が終わった時の自分をイメージしてもらいます。ここでも、具体的なゴールを想像することによって、授業に目的意識を持って参加することを目的としています。

120%の達成イメージを描く

達成イメージを描くときに大切なことは、誰かに話したくてたまらない自分をイメージすることです。

どういうことかというと、自分だけが納得する達成イメージだと、自分の内側だけの課題でしかないので、適当なところで納得してしまいます。ところが、自分が達成できたことを、他人にに話したくなるような状態だと、感情が伴っています。

ちょっと、想像してみてください。あなたが、他人にどうしても話したい時ってどんな時ですか。おそらく、ポジティブでも、ネガティブでも感情が動いたときでしょう。感情と記憶は密接に関係しています。記憶は感情と結びついたときに強固なものとなります。ここでは、ポジティブな未来の達成イメージを描きます。

ということは、おわかりですよね。前期授業が終わったその日に、友達や家族に向かって、「こんなことを学んだ」「こんなことができるようになった」という話をしている自分を想像してもらうのです。そうやって、未来の感情を先取りして、ゴールイメージを頭に焼き付けるのです。ゴールが定まれば、あとはそれに向かって動き出します。

達成への道のりをつくる

120%の達成イメージができたとしても、学生たちは、まだゴールへの具体的な道のりが見えていない状態です。そこで、現在の自分と未来の自分とのギャップを埋めるために必要な行動を考えます。

何をするのかというと、簡単なことです。
「120%の目標を実現するため、やるべき10のこと」を考えてもらうのです。

残り14回の前期授業で、自分自身が具体的にどのような取り組みをすれば、達成できるのか10個書き出してもらうのです。紙の上に、具体的な行動を書き出すことによって、達成意欲を高めることができるのです。

大抵は3〜4個書いて筆が止まります。いままでの自分の表面的な考えでは、10個は書けません。しかし、10個ある空欄を埋めようと考えているうちに、今までの自分とは少し違った行動が出てくることになります。学習が苦手な学生にとって、いままでの自分と向き合う時間となります。

10個書いたら3個に絞る

多分、全員が全員10個書くことはできないはずです。だからといって、学生を責めてはいけません。「3個以上書けていればOKです」と言って、できていない学生に安心してもらえる声かけをしましょう。そして書き上げた行動から、自分が重要と思うもの3個に絞ってもらいます。

最後にグループでシェアします。自分で書いたことを話すことによって、目標への意識を強めます。このとき、他のメンバーには拍手で応援するように促します。
ここまででかける時間は、120%の達成イメージを考える(1〜2分)、実現するためにやるべきこと(3〜5分)、シェア(3分)くらいです。考えることに多くの時間をかけたところで、出てくるアイデアの数は変わらないので、時間制限をかけています。

アクティブラーニングでは、感情に結びついた達成イメージを考えることで主体性が高まります。

「経営史」第1回目の授業デザイン
 (1)オープニング動画
 (2)席替え・グループ編成
  初回授業でグループ編成をするメリット
  固定机でもグループ学習はできる
  多人数授業でグループ分けをラクラクするには
  スマートな人数調整で、スムースなグループ学習
 (3)Good&News
  グループ学習のアイスブレイクで使えるGood & News
  授業ですぐに使える「Good & News」のやりかた
 (4)今日のマインドセット
  達成イメージが学生の主体性をつくる
  スクリプト  
 (5)自己紹介
  初対面でもラクラク自己紹介をしてもらう方法
 (6)成績評価について
 (7)学習の進め方
 (8)受講のルール
 (9)マインドセット
 (10)リフレクション

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