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達成イメージが学生の主体性をつくる

前回から、私がデザインした多人数授業のアクティブラーニングについて、授業の展開を追いながら説明をしています。今回は「(4)今日のマインドセット」についてお話をします。

マインドセットのための「問い」

アクティブラーニングのあるあるネタで、「学生が主体的に参加してくれない」といった悩みはよくあることです。

学生に主体的に参加してもらうには、この授業にどのような態度で参加するのかといったマインドセットをする必要があります。

その時に、効果的な「問い」は以下の2つです。
①今日の授業の目的。
②授業が終わった時の自分の姿。

この2つのことを付せんなどに書いてもらっています。

そして書いた2つのことは、あとで自己紹介の時にグループで発表してもらいます。

「そんなことで主体的にになるの?」と思うでしょうが、期待以上の効果はあります。

今日の授業の目的を考える効果

人間の脳は目的に反応をします。
最初に目的を定めれば、それを達成するための行動をとります。

例えば、こんなことをやってみるとわかります。
2人で試してみてください。

いま、あなたのいる空間を見回してください。
よーく観察してから目を閉じます。
そうしたら、パートナーに質問をしてもらいます。

「ここの空間に○色(任意の色)のものはいくつあったでしょう?」

瞬間記憶能力のある人でなければ、正確には答えられません。別に答えられなくてもいいのですが、目を開けた瞬間に注目をしてください。

きっと、「○色」が目に飛び込んでくることでしょう。

これは、あなたが「○色」を探すという目的を持ったからです。

話を戻します。

学生たちに「今日の授業の目的は?」なんて聞くと「先生何言ってんの」みたいな顔で見返してきます。
確かに、私の学生時代を振り返っても、授業に目的を持って参加することなんてほとんどありませんでした。

「単位を取るため」という目的を書く学生が出てきたりします。
そこは先手を打って、「単位を取るのは結果であって目的ではないから、絶対書かないように」と強めにクギを刺しておきます。

そうすると、今度は難しく考えてしまいます。
なので「グループ学習で発言する」とか「メンバーの名前を覚える」など、簡単なことでいいよと声かけをしてあげます。
「よいことを書かなくては」「正しいことを書かなくては」という思い込みを解いてあげます。

終わった時の自分の姿を想像する

目的を設定することは、現在から未来を見ています。
それに対して、授業が終わった時の自分の姿を想像することは、未来から現在を見ることになります。

終わった時の姿を想像することで、目的を達成した未来の自分をイメージしているのです。
すると人間の脳はイメージと現実を区別できないので、より強く目的達成へ近づくことができるのです。

『コリンローズの加速学習法実践テキスト』(Rose, 2000 牧野訳, 2004) では、下記のように説明しています。

成功するためには、顕在意識で「自分はこれを望んでいる」と言うことと、潜在意識で「自分はこれを望んでいる」と感じることとが一致していなければなりません。(42頁)
素晴らしい意志力を持っている人々は、ただ、自分が何を望んでいるかという明確なビジョンを持ち、それを達成できると信じているだけなのです。(42頁)

未来のイメージ(ビジョン)を持つことで、潜在意識に働きかけて目的の達成をより強固なものとすることができるのです。

多くの成功者の物語でも、目標達成には具体的な未来をイメージすることの大切さが書かれています。
ここでは、そうしたやり方を、授業に応用しています。

アクティブラーニングでは、学生が達成イメージをもつことによって主体的参加が実現します。

「経営史」第1回目の授業デザイン
 (1)オープニング動画
 (2)席替え・グループ編成
  初回授業でグループ編成をするメリット
  固定机でもグループ学習はできる
  多人数授業でグループ分けをラクラクするには
  スマートな人数調整で、スムースなグループ学習
 (3)Good&News
  グループ学習のアイスブレイクで使えるGood & News
  授業ですぐに使える「Good & News」のやりかた
 (4)今日のマインドセット
 (5)自己紹介
 (6)成績評価について
 (7)学習の進め方
 (8)受講のルール
 (9)マインドセット
 (10)リフレクション

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