初回授業でグループ編成をするメリット
前回から、私がデザインした多人数授業のアクティブラーニングについて、授業の展開を追いながら説明をしています。今回から「(2)席替え・グループ編成」について3回シリーズでお話をします。
「経営史」第1回目の授業デザイン
(1)オープニング動画
(2)席替え・グループ編成
(3)Good&News
(4)今日のマインドセット
(5)自己紹介
(6)成績評価について
(7)学習の進め方
(8)受講のルール
(9)マインドセット
(10)リフレクション
グループ編成に必要な4つの仕組み
私は多人数授業であっても、グループ学習(共同学習)を取り入れています。グループ編成をするときには、事前に仕組みを作っておくことで、授業当日になって慌てることはありません。
そうしたグループ編成のポイントは4つあります。
①グループの人数
②グループの配置
③グループ分けの方法
④グループの人数調整
グループ学習をするとき、最初にすべきことはグループの人数を何人にするかグループサイズを検討することです。
グループの人数を決めれば、おのずと何グループできるかが決まります。
そうすると、グループの配置が問題となります。
可動式の机の場合、どのように机を配置するか考えなくてはなりません。
ただ、今回は多人数授業のケースなので、固定机の教室を想定します。
そして授業当日は、教室の中でグループ分けをすることになります。
なるべくランダムに分かれるようなやり方を考えます。
しかし、大学の場合、履修登録をしている人数が全員出席しているわけではありません。多人数授業となればなおさらです。
すると、極端に人数の少ないグループができたりします。
そこで、グループ分けをした後に人数調整が必要となります。
こうやってグループ分けの仕組みづくりをすることによって、
アクティブラーニングがやりやすくなります。
次回から、グループ編成の4ポイントについて、詳しくお話ししていきます。
初回にグループ編成をするメリット
なぜ初回の授業でグループ分けをするのか。
大学に慣れていないののだから、次回からでもいいじゃないか、という意見もあることでしょう。
確かに、いきなり初回にグループ分けすると、よそよそしい雰囲気に包まれます。
いかし、あえてグループを編成することで、「この授業はこういうものだ」といいう印象を学生に与えることができます。つまり、今後の授業の骨格となるグループ学習を体感覚で理解してもらえるのです。
勉強が得意でない学生の場合、「聴く力」が弱いケースがままあります。ですから、私の大学の学生は、「グループ学習をやります」と話しても感覚的に理解できないのです。
そこで、体を動かしてもらうことによって、授業の方針を理解してもらっているのです。
グループ分けのメリット
さらに、私語が減る、前から詰めて座ってもらえる、欠席が減るなどのメリットもあります。
私語が減るのは、グループをランダムに編成するので、仲良し同士が密集して座ることがなくなるからです。
そして、グループごとに座席を指定して、前から詰めて座ってもらうことで、私語の多い学生や意欲の低い学生が、後ろの座席に固まって座ることを防ぐことができます。
また、欠席が減るのは、初回の授業で休んだ学生が、次の授業の時に自分が所属するグループがないことで困ってしまうからです。
だれだって、授業に来て座るところがなかったら焦ります。
また時間が経ってくると、グループのメンバーに対して責任感を持つようになって、欠席が減ります。
アクティブラーニングではグループ分けの仕組み化をしておきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 あなたの応援が励みになります!