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スマートな人数調整で、スムースなグループ学習

多人数授業でのアクティブラーニングでは、グループ編成を上手にする必要があります。それには下記の4つのポイントがあります。

今回は、グループ分けの方法についての続きと、人数調整についてお話しします。

①グループの人数
②グループの配置
③グループ分けの方法
④グループの人数調整

ラクラクくじ引き〜準備するものは2つだけ

私が授業で使っている、くじ引きの方法を紹介します。
2つのフォーマットだけでできる簡単なやりかたです。

1つめのフォーマットは、差し込み印刷で連番を印刷したリアクションペーパーです。そして、もう1つは座席番号表です。

連番を振ったリアクションペーパー

リアクションペーパーと座席番号表、この2つを両面印刷しておけば、配布の手間も指示の手間も省けます。
これなら毎回、グループを変えても手間はありません。

座席番号表を作るときの手順は、あらかじめ教室の机配置図を作成し、座席一つ一つに番号を振っていきます。

次に、グループごとに領域を決め、グループ記号を割り振っていきます。つまり「グループ割」をします。

そうしてできあがったのが、下図のような「座席番号表」です。

ちなみに、この図は空間認識が苦手な学生にも分かるように、通路の書き方、何列目かの表示、グループ記号の書き方など、配慮をしています。

座席番号表

さて、座席番号表を作るには一つだけコツがあります。番号の配置を見れば分かるのですが、グループの座席番号が連番にならないように配慮しています。

例えば、A、B、Cといった3人グループをつくるとき、
Aグループ→1、2、3
Bグループ→4、5、6
Cグループ→7、8、9

といった分け方はしないということです。
どうやって分ければいいかというと、

Aグループ→1、4、7
Bグループ→2、5、8
Cグループ→3、6、9

というように、グループに連番が入らないようにします。
これで準備はOKです。

機能する人数調整のやりかた

授業が始まったら、リアクションペーパーを1人ひとりに手渡します。

手元にあるリアクションペーパーの番号は、連番で重なった状態ですが問題ありません。問題のある学生は、最初は固まって座っています。ですから、連番で渡せば彼らは分断されます。

もう一つ連番で配布する理由があります。多人数授業では、出席人数が毎回変動することは避けられません。
しかし、連番で渡せば大きな座席番号のペーパーは手元に残り、一目で配布枚数がわかるため出席人数の把握もできます。

リアクションペーパーを配り終えたら、座席番号表にしたがって座席移動をするように指示をします。

初めてのとき、座席移動は10分程度かかりますが、すぐに慣れて5分程度できるようになります。

座席移動が終わったら、各グループの人数が均等になるように調整をします。もちろん、人数によっては均等にならないときがあります。

このときの許容範囲は{(グループの基本人数)ー1}人です。

1人だけ多いグループは作らない

たとえば、グループの基本の人数を5人とした場合、だれか1人だけ余ったとします。
このとき、5人グループに1人加えて、一つだけ6人グループを作ってしまいがちです。

しかし、{(グループの基本人数)ー1}にする必要があるので、ここで一手間かけて、3つの5人グループから、ひとりずつ移動してもらって4人グループを作ります。

グループ調整のやりかた

例えば41人で5人グループをつくると、8グループで1人余ります。
その時、3つのグループから1人ずつ移動させて、5人グループを5つ、4人グループを4つ作るということです。

グループ活動で安心空間を作る

なぜ、そうするかというと、グループ学習のとき不都合があるからです。
どういう不都合かというと、例えば1人1分間の自己紹介をしてもらったとします。

そして、5人グループの中で、6人グループが一つだけあったとします。
そうすると、5人グループの話し終わったとき、6人グループは1人だけまだ話していません。

さて、どうなるでしょうか?

6人グループで、最後に残った1人は、教室で1人だけ話していることになるので、それを負担を感じてしまいます。
実際のケースだと、話さない、早口で短く話す、適当にごまかす、などの現象がありました。

要するに学生の心理的負担を減らすためにも、1人だけ多いグループを作らないことが基本となります。

これで、グループ分けは完了です。

アクティブラーニングのグループづくりは、1人だけ人数の多いグループを作らないことが基本です。

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