- 運営しているクリエイター
2018年10月の記事一覧
新人は映画見すぎてメンターの俺を困らせる
「おい待て、何をする気だ」
ジッポを高く掲げて投げようとした新人に、俺はその手首を掴んて止めてやった。
「えっ、駄目なんすか?映画では皆こうやったんすけど……」
昔の俺も同じことをやろうとして、兄貴に止められた。
『アホかおまえ!映画見すぎだ。ジッポはいくら掛かると思ってんだ?』
ああ……兄貴の顔が目に浮かんだ。忘れねえぜ、兄貴。
「ジッポはなぁ、俺らヤクザの……男の象徴だ。軽率
酒場「フライされたラクーン亭」にて
「あんた、ここはエルフ領と判っているか?」
エルフが二人、テーブルに寄ってきた。フードの留め具に弓を提げる隼の紋章。弓王フィナッセの者か。
他の客は見て見ぬふりすしている。まあそうなるわな。わしは内心嘆いて、酒に手を伸ばした。
「ワインだと?お前が飲みたいのはビールだろ?俺の体内で精製したのを飲ませてやるよ」
エルフはジョッキを奪うと、そのままズボンを下ろし、粗末なモノを晒した。
You're in the jungle baby
206X年、石油が枯渇した。僅かな資源にしがみつき辛うじて生き延びた人類だが、分配制度の不正で誰もが余裕がなくなり、他人に配慮しなくなった。その中、弱肉強食論を諭し無意味に自分の力を誇示することから喜びを見出す者が現れた。
今廊下に仁王立ちしている野郎がそうだ。
彼は襲ってくる事なく、ただ弁慶みたいに道を塞ぎ、人を通させぬようにしているだけ。デカイ上に軍用のカーボン繊維アーマー着ている。
敵は向こうからPOPしてくる
網膜に《2nd wave》が映った。
もうかよ。魔法で乳房を引っ込ませ、アーマーを装着すると、戦艦の残骸を登って無限に広げる草原を眺めた。接近している物体は3つ。赤、黃、白。残像を残しながら凄まじい速度で走ってくる。まるで地上の彗星か、稲妻か。超速者(スピードスター)だ。
距離はあと5キロ、3、1、今だ。
パチッ!ズバッ!私が指を鳴らすと同時に半径500mのプラズマ・ドームが展
That's not even cool
「ジュン、これはどういうことだ?」
有間が前の席に座り、マグボトルを僕の机に叩きつけた。
「昨日有間に頼まれたバターコーヒーだけど……」
「そっちじゃねえよ。何でお前のボトルに入ってるか聞いてんの!」
「それは……」目をそらすと、教室のドア付近に月階の姿を確認した。自分の席が占拠されたことに困っている顔も可愛い。これ以上彼女に迷惑をかけてはいけない。
「自分の容器持っていくと割引してく