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人と組織

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人と組織 .22 - 新社会人登場の季節に思うこと

人と組織 .22 - 新社会人登場の季節に思うこと

今年ももうすぐ、新社会人が登場する季節を迎える。

仕事柄、長い期間、新社会人に接してきた人間として、強く感じている違和感がある。

それは、企業人としての能力を生得的なものとして捉えている企業や人事担当者がことのほか多いことである。

出身校によって企業人としての優劣が規定されているという前提があるためか、世でいう、 いい学校の卒業生を獲得するということに躍起になっている。

言葉をかえ

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人と組織.14 改革とは何か!

人と組織.14 改革とは何か!

今や政治でも経済でも企業組織でも「改革」という2文字が、登場しない時はない。

何故ならば, 日本という国も企業も改革なくして、これからの先の成長等望むべくもないからである。

然しながら、我々、日本人は、本当に現状を変えることを望んでいるのだろうか、という点になると私は、非常に疑問が残る。

つい最近の自民党の総裁選を見ても、国を動かす為政者の人たちでも「現状維持の安定志向だなあ」ということが、

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人と組織.13-経営とはトレードオフとの常なる戦い!

人と組織.13-経営とはトレードオフとの常なる戦い!

企業である以上、最終的に利益を出さなければ会社は存続できない。

経済合理の方程式「収入マイナス支出はゼロより大なり」は、冷徹な絶対原理である。

ただその一方で、この方程式は人間が担っている。

売り上げもコストも人間の営為のなせる業である。

そして人間は意志と感情を持った生き物である。

経営とは、そういった人間を集団として束ねてひとつの目的に向かっていく業である。

経済の合理と非合理なも

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人と組織.12-企業の改革は、経営トップの主体的な関与とリーダーシップなくしては成し得ない!

人と組織.12-企業の改革は、経営トップの主体的な関与とリーダーシップなくしては成し得ない!

企業の停滞や経営危機などというのは、紛れも無く人災である。

それは、経営トップを始めとする組織上位者の経営に対する考え方とマネジメントのあり方に大きく起因する。

いかなる組織も仕組みも人が作り、人が運営し、人がマネジメントするものであるがゆえ、それがおかしくなって崩壊するのは人災以外の何ものでもない。

例えば、企業改革の本来の意味するところは、改革実現の条件を経営トップを始めとする経営陣や組

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人と組織.11-成長の限界を乗り越える為に

人と組織.11-成長の限界を乗り越える為に

昨今、「日本という国」そして「日本企業」の地盤沈下と停滞が、マスコミ等で多く取り上げられている。

然しながら、考えてみれば、成長には必ず終わりがある。

それは数々の歴史が証明している。

全ての産業でこの流れは必然であり、これを回避することは出来ない。



全ての物事に始まりがあれば、必ず終わりがあるということであろう。

本来は、成長期に入った時に我々は、そのことを考える必要がある。

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人と組織.8-人も組織も賢くなる競争!

人と組織.8-人も組織も賢くなる競争!

8月11日、日経新聞に、世界各国の政府や企業が、働き手のリ・スキリング(学び直し)に動き出したという記事があった。

新型コロナウイルス収束後の経済再開をにらみ、「今ある雇用の維持」から「デジタル関連などの成長分野」へ人材をシフトさせるためであると。

著名な日本の経営者の方が、「終身雇用の日本では、教育で人材競争力を高めるのが合理的である」と言われているが、そういう意味では、これからの企業間競争

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人と組織.7-変わらないパラダイム

人と組織.7-変わらないパラダイム

これからの環境変化がもたらすものは、枚挙にいとまがないが、例としてここに幾つか挙げてみる。

・自動車というものは、形が変わってもなくなることはない。

しかし、自動運転や電気自動車になると、それを提供するのは、トヨタをはじめとした従来の自動車メーカーであるという必然性がなくなってきている。(テスラモーターズ、或いはアップルかもしれない。)

・金融業はなくならないし、経済の高度化に伴ってますます

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人と組織.6-他責

前号、「人と組織.5-器は最新にしても変わらない人の意識と行動」で述べた、「身の周りのできることから変えていこうという考え方、それは話としては美しいかもしれないが、幹部や部長としての役割責任を放棄していると思う。」、「要は、本当は変えたくないんですよ。」とはっきりと切り捨てる、若手社員達の指摘。

私は、この問題の本質は2つあると思っている。

① 経営レベルで抜本的に構造を変えなければ、直しよう

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人と組織.5-器は最新にしても変わらない人の意識と行動

人と組織.5-器は最新にしても変わらない人の意識と行動

6月24日「人と組織」の前号で「根拠なき楽観論がもたらすもの」で述べた「緩い判断」とは、

“この変化は一時的なのもので、大したことはない” 等に代表される、要は、目の前で起きていることを無視したり、危機発生リスク等を過小評価したりするものである。

昨今の、みずほフィナンシャルグループのシステム障害、三菱電機の品質検査の不正、或いは、東芝の問題等、いずれもこれらの問題を発生させた根底には「大丈夫

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