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人と組織.12-企業の改革は、経営トップの主体的な関与とリーダーシップなくしては成し得ない!

企業の停滞や経営危機などというのは、紛れも無く人災である。

それは、経営トップを始めとする組織上位者の経営に対する考え方とマネジメントのあり方に大きく起因する。

いかなる組織も仕組みも人が作り、人が運営し、人がマネジメントするものであるがゆえ、それがおかしくなって崩壊するのは人災以外の何ものでもない。

例えば、企業改革の本来の意味するところは、改革実現の条件を経営トップを始めとする経営陣や組織管理者が危機感を持って個々のマネジメントの中で認識することが重要であり、当然、それを行動に転嫁出来るマネジメントが求められる。

経営施策や改革のための計画に狂いが生じるその根本の要因は、人間という生き物への理解に対する無知と無策にある。

停滞している企業の共通点は、「数値目標と計画」、並びに「人のやる気を喪失させる施策」はあっても、「人を活かす計画や施策」は存在しないのである。

企業の業績とは、社員の意識と行動の有機的な結合の結果であろう。

もし、社員の気持ちや心が病んでいたら業績は必ずや低迷する。

原因は全ての社員の意識や心の中にある。

だから、その解決策もまた、社員胸中にあるのである。

経営幹部や組織責任者に対して、「あなたは改革のために日々何をやっているのか?」という質問をすべきである。

この問いに即座に明快な回答が出来ない幹部や責任者は、現在のような変革期には不適な人物であるという認知が重要であろう。

この種の幹部や責任者の下では、会社全体に問題意識を持ったり、環境変化を見据えて、自社の在り様に危機感を有するような人材は一向に育たないのである。

人財が育つかどうかは、幹部や責任者の日常の言動や考え方に大きく規定されるのである。

企業としてこれまで成長してくる中で、培ってきた成功体験の中から作り上げてきた仕組み、常態化した発想、物事に対する判断基準、問題点に対する判断や対処の仕方等の行動パターンを白紙にして、「残すものは残す、捨てるものは捨てる、変えるものは変える」という作業を通じて新しい仕組みと体制を組みなおさなければ、これから先は生き残れない時代である。

変化を嫌い、現状維持に懸命なパワーが体勢を占めているのか、新しいやり方に挑戦する機運が大方を占めているのか、将来への明暗はこの一点にある。

ここに「成長と衰退」、「進化と退化」、「繁栄と滅び」の分岐点がある。

このような時代、将来に対しては、破壊することのリスクに比べれば、破壊しないことのリスクの方がはるかに大きいといえよう。

「イワシは頭から腐る」という諺があるが、企業経営もまさに同じである。

「やれ、イノベーションだ!やれ、パタラダイムシフトだ!」と言いながら、多くの企業で変革が進まないのは、トップや経営幹部達が「自分達は例外だ」と思い込んでいるからである。

変革はまずはトップからである。

イワシのように腐りたくなかったら、まずは自分達が変わらないと駄目なのである。


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