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【読書記録】『デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』を読みました!

こんにちは、じゅくしんです。
久々に読書記録を書いていきます。

『デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』ジェニファー・ペトリリエリ著


本書は、日本を含む32ヵ国113組のデュアルキャリアカップル(同性カップル、事実婚、再婚含む)に調査を行って、人生の様々な問題に対して、どのように二人が問題を解決をしていったか?をインタビューし、その乗り越え方をまとめた本でした。

ちなみにデュアルキャリアカップルというのは、

「二人とも自分の職業生活が人生に大切で、仕事を通じて成長したいと考えているカップル」

だそうです。意識高い共働き夫婦って感じでしょうか。

私は結婚しているわけではないのですが、本書に書かれているコミュニケーションの方法や重要性は、今後の自分の人生において役立つ場面がありそうだと感じました。

デュアルキャリア・カップルの3つの転換期とは?

デュアルキャリアカップルには3つの転換機があります。

第一の転換期は転勤や転職、起業、初めての出産などがきっかけとなることが多く、特に子育てが大きな転機となるカップルが多い印象でした。
それぞれが独立した人生やキャリアだったのが、子育ての開始によって、お互いを頼る状態に移行することで、2人の個人が一つの家族になることによって、色々な問題が衝突が起こるようです。

第二の変換期は、2人のどちらかがこれまでのキャリアや暮らしに疑問を感じ、私はこのままでいいのだろうか…?本当に自分が望んでいることは何か?と自問することから始まります。第一の転換期に確立したキャリアと家庭内の責任の分担を再び話し合う必要がでてきます。

そして、第三の転換期は、子供の巣立ち、あるいは職場で年配者扱いされたことなどをきっかけに喪失感を覚えることが引き金になります。最初の2つの転換期で作られた大事な役割を失った場合、その喪失によってできたアイデンティティーの空白を埋める必要があるそうです。

話し合うべきは「どうしたらうまくいくの?」

2人のキャリアのどちらを優先するか?
家庭内の責任をどう分担するか?

この2点を、合意に至るまでひたすら話し合うことが必要なんだそうです。
しかし、気を付けなければいけないのが、経済的な判断基準に頼りすぎること、一時的な感情で決めてしまい長期的な影響を考えないこと、取捨選択をせず、仕事もプライベートも全てをこなそうとすることに注意しなければなりません。

話し合うべき3つのポイントとは?

デュアルキャリアカップルが話し合うべきポイントは3つあるそうです。
その3つを以下に挙げますと、

・価値観
・限界
・不安

だそうです。

この3つのすべてについて話し合い、共有することで、2人で進む人生の方向性がわかるそうです。また難しい決断をするときの基準ともなります。

この3つのポイントについて、以下に詳しく書いていきます。

自分と相手の人生における「価値観」を考えよう


自分の人生で一番優先することは何か?
何を幸せと感じ何を誇りと思うのか?
何に満足を感じるのか?
良い人生とはどんな人生か?

こういった質問に対して話し合うと気が付くのが、

「カップルは同じ価値観をお互いが持っているはず」

だと錯覚してしまうらしいのですが、改めて話し合うことによって、2人のそれぞれの価値観が大きく違っていたり、ズレが生じていることが明らかになることが多いそうです。

お互いの「限界」について話し合おう


はっきり自分やパートナーの限界を決めることで、不確定要素が減り、意思決定が容易になります。3つの限界を決めるといいそうです。

・地理的限界
・時間的限界
・在、不在に関する限界

一時的な出向や職場の移動があっても大丈夫なのか?
出張はどれぐらい行っても問題ないか?
最低限一緒に過ごしたいと思う時間はどれぐらいか?

これらの限界について話し合うことで、選択の幅を狭めることができます。選択肢が少ない方が選ぶのが簡単になりますし、選択の結果には満足ができる。事前に限界をはっきり決めることで人は安心感を覚えて、逆に限界を設定することによって、チャレンジもできたりします。限界の設定は、2人の関係に失望や後悔を感じることも減らすことができるそうです。

「不安」に思っていることは共有しよう


不安についてはっきり話し合うのは、カップルの関係が危険な状態に近づいていることに気づく助けになるそうです。事前に不安が現実にならないようにするために先手を取ることもできます。

夫婦でよくある不安として、浮気とか、子育てによって、自分の仕事を犠牲にしなければいけないとか、そもそも子供ができないのではないか、とかとにかく沢山の不安を抱えます。

私たちを苦しめるのは、実際に起こる現実ではなく、未来への不安であることが多いそうです。

不安についてカップルが話したり考えたりすると3つの利点が得られます。

お互いに対して、より気を配り、助け合うようになる
不安が現実になり始めたときの予兆がわかる
不安を軽減するための保険や対策が取れる

不安というのは、生きていれば無くなることはありませんので、早めにパートナーと共有しておくことが必要なのだと感じました。

結局、傾聴と対話の繰り返しが大事

まとめると、家族というチームを運営していく上で、様々な転換期が訪れて、様々な問題が日々押し寄せてくるわけです。

しかし、お互いが価値観、限界、不安の3つのポイントについて、相手の話を傾聴し、徹底的に話し合い、共通の考えを決めておくことで、この3つの内容の話し合いの結果が、二人に立ち塞がる3つの転換期に対して、乗り越える上での大きな助けになる、ということなのかなと思いました。

最後に

色々書かれていましたが、言うのは簡単ですが、実際は難しい…。
コミュニケーションは自分一人ではなくて、相手がいるからです。
お互いが、対話と傾聴と忍耐を心掛けないといけない。

本書には様々な問題を抱えたカップルのエピソードが出てきますが、やはり全てが理想的に上手くいくことはないみたいです。自分一人の問題は解決がそこまで難しくないのですが、転換期に起こる問題は、パートナーや子供や会社など、複雑に絡み合っているから。だからこそ本書を読んで、問題を抱えたカップルの悩みがなくなる、とは思いませんが、問題を認識して、マシな方向に向けることはできるのではないかなーと感じました。

ぜひ読んでみてください。

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