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『マリー・アントワネットとフェルセン、真実の恋』を読んで①

今日は、タイトルにある本の感想を書きたいと思います。

私の記事をずっと読んでくださっている方はご存知かと思いますが、過去にアメブロに書いていたアルセーヌ・ルパンの記事を、現在、加筆・修正しながら、少しずつこちらのnoteへ移行しています。

ですが、一旦、ルパンの記事移行は中断して、この本の感想を書きたいと思ったのは、今、頭が「ベルばら脳」になっているから。

YouTubeでも話しましたが、私、30年以上ぶりに、「ベルサイユのばら」にはまりました。
最初に読んだ12歳の時から、なんと33年ぶりです!
そして、今年2022年は「ベルサイユのばら生誕50周年」という節目でもあるので、フランス革命に関する資料を読んだりしています。

https://youtu.be/h2mpKw_wbt0

https://youtu.be/Ya4KSNlU_Cw

私は、ルパンが活躍したベル・エポックの時代~第一次世界大戦まで、そしてフランス革命時が、フランスの歴史の中でも特に好きなんです。

前置きが長くなるので、このくらいにして、本の感想を述べていきたいと思います。

私は、フェルゼンという人物を「ベルサイユのばら」で初めて知ったので、この記事でも「フェルセン」ではなく、「フェルゼン」で統一しようと思います。

まず、2人の出会いから別れまで、どんな経緯を辿ったのか、近くで2人の関係を見ている気分になりました。本当に読んで良かったです。

マリー・アントワネットとフェルゼンは、生まれた年も同じですが、生まれ故郷を離れて外国で暮らすようになったのも14歳の時という、共通点があります。

2人が出会った当初は、マリー・アントワネットのほうが先にフェルゼンを好きになったようで、彼に対する愛も大きかったらしい。

そして、フェルゼンがアメリカ独立戦争に加わったのは、(2人の仲が噂になっていた)マリー・アントワネットを守るために彼女からから離れるというよりは、軍人として手柄をたてたいという意向も大きかったんですね。この辺りは、「ベルばら」と少し異なるかなと思います。

本書によれば、フェルゼンがマリー・アントワネットに対して特別な感情を抱くようになったのは、出会いから14年後、さらにフランス革命が始まってから愛が深まったようです。

「ベルばら」では、お互いに好意をもつ時期がほぼ同じだったので、そうだったのか!と思いました。

YouTubeでも言いましたが、フェルゼンの家の特定が不明確で(マティニヨン通りのどのあたりなのか不明だった)、取り上げなかったのですが、この本によると、マティニヨン通りとフォーブール・サン・トノレ通りの角に暮らしていて、そこからチュイルリー宮(国王一家が一番最初に囚われた場所)に何度も通っていたとのこと。

フェルゼンが住んでいたマティニヨン通りとフォーブール・サン・トノレ通りの角

そして、チュイルリー宮にいる間は、囚われの身ではあるけれども、国王一家は、サン・クルー城(パリ郊外の城。1870年の普仏戦争で破壊される)で過ごすことも出来て、マリー・アントワネットとフェルゼンは、ここでも会っていたんですね。(この件はベルサイユのばらにも描かれています)

しかし、あの有名なヴァレンヌ逃亡事件に失敗した後、坂道を転げ落ちるように、愛する2人の状況が厳しくなっていきます。

まず、ヴァレンヌ逃亡は、フェルゼンが資金調達に奔走しました。
資金調達やら軍の配備やら変装に至る細かな逃亡の手筈まで、本当に愛している人の為でないと出来ないと思われる過酷なものでした。

しかし、ご存知のように、フェルゼンが自分の命を削ってまで奔走したこの逃亡は失敗に終わり、国王一家はパリに連れ戻されます。この連れ戻される過程がどんなに過酷だったかは、シュテファン・ツバイクの「マリー・アントワネット」に描かれています。

でも、よく考えると「そもそもこの逃亡は無理だったのでは⁉」ということが、沢山見受けられます。

・フェルゼンがパリで道に迷って2時間も待ち合わせ場所に遅れる。

・目立つほど大きな(豪華な)馬車にたくさんの荷物を入れて逃亡→途中で散歩とかもしていたようで、逃亡じゃなくて、ピクニックでは⁉と疑うようなありさま。馬車が大きく荷物も多ければ、それだけスピードが落ちる。
また、田舎の道を今迄見たこともない豪華な馬車が走っていれば、それだけ人目をひいてしまう。

・逃亡決行の日を、土壇場で1日遅らせた→各要所で軍人を待機させなければいけないので、またいちから連絡(通達)の仕切り直しになった。

同じ日に逃亡した国王の弟は、無事に国外脱出出来ているのを考えても、この逃亡計画は、最初から無理があったと思います。

長くなりそうなので、続きは次回に・・・。




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