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小説【白い落果】目次・あらすじ(連載)看護婦「京子」の秘め事

【白い落果】あらすじ

昭和40年代…京子の勤める病院は個人病院だが、院長は名医と慕われ、毎日患者で溢れかえっているのだった。田舎でもない街でもない、その中間の位置にポツンと建っている。

 一本の道路と、単線電車が並行して走っていて、バス停や駅から歩いて五、六分の場所にその病院はあった。

 院長が先代から引き継いだものらしい。古い木造の小学校みたいな構造で、教室を小型化したような病室が三十ほどあった。

その建物の向かい側の丘に、京子と由美が住む寮棟が建っている。
 院長は初老の領域に入ってはいるが、とても精力的で患者ともしっかり向き合うので信頼が厚かった。

朝は七時すぎから待合室に患者が集い、夜も八時過ぎまで診療が続いた。
 待合室だけでは収まりきらず、廊下の椅子もいっぱいになるので、診察室の中にも患者が待機しているのだった。

 他の病院では、駄目だと宣告された人でさえ、この院長は受け入れた。最後まで看取るのである。そういう信念は父親譲りだと京子も聞いていた。

 それゆえに看護婦達は大変なのだ。大勢の通院患者、そして入院患者もいる。内科と外科なので手術もある。
入院患者の回診は夜の九時、十時はザラであった。

 手術も、遅い時は夜中になることもよくあった。噂は口コミで広がり、遠方からも診察に訪れたのである。

 タバコの大好きな院長は、いつも灰皿が山盛りだった。レントゲン写真を見る時も、先ずはタバコに火をつける。一服吸って、フーッと煙を吐きながら目を凝らして写真を見つめるのである。

 そんな院長の姿を、多くの患者が目にしているが、タバコのことを誰一人文句を言う者はいない。それが名医の風格であった。
 院長にとっては時間など関係ないのだ。個々の患者としっかり向き合い、どうやって治療すべきか。ただそれだけであった。

そんな病院に勤務する京子の物語。

●小説
【白い落果】目次・あらすじ
【白い落果】幻冬舎からの講評 
第1話 1 束の間の休養~温泉へ
第1話 2 束の間の休養~温泉へ
 第1話 3 束の間の休養~温泉へ
第2話 1 病棟の人間模様(難病の少女)
第2話 2 病棟の人間模様(女の葛藤) 
第2話 3 病棟の人間模様(男の欲情)
第3話 1 京子の外来(それぞれの痛み)
第3話 2 京子の外来(婦長の秘密?) 
第4話 1 男と女の性(三奈の告白 )
第4話 2 男と女の性(幸代の告白 )
第4話 3 男と女の性(婦長の蜜月 )
第4話 4 男と女の性(京子の果実 )
第5話 1 濡れた果実(京子の性) 
第5話 2 三奈の旅立ち(京子の選択)


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