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福井県がグレーの点字ブロックを取り入れたことで、視覚障害者が混乱し、従来の黄色に変更へ。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

点字ブロックは視覚障害を抱えている方にとって、道と障害物を見分けるためには、大事なものとなります。

点字ブロックは自転車がその上に置いてあったりする場合もあって、それは視覚障害を抱えている方にとっては大問題です。

ですが、とある県では景観を大事にするために、グレーの点字ブロックにして、議論が巻き起こりました。

視覚障害を抱えている方を誘導する点字ブロックに関して、福井県がこれから先の施設整備を、「床と歩道を識別しやすい床材に限定する」とする福井県の条例を順守する様に通知を発出していたことが、2023年11月30日までに明らかとなりました。

福井県内では道と同系色の点字ブロックが敷設されている事例が多く見受けられるためで、視覚障害を抱えている方たちからは速やかに対応を求める声が高まっています。

今回は福井県のグレーの点字ブロックの導入からの混乱、改修までの議論について振り返ります。

福井県、グレーの点字ブロックの導入から改修での歩み

2023年10月24日の昼下がり。2023年7月に完成したばかりの、福井県小浜市にある福井県立大かつみキャンパスに行くと、事務室や研究スペースが設けられている棟は、入り口までの点字ブロックは黄色ですが、ドア内から事務室までの通路はグレーの床と同系色の点字ブロックが敷き詰められていました。

日本視覚障害者団体連合の組織部長から、「グレーの床と同系色のグレーの点字ブロックは高齢者にも見えづらいです。『足を滑らせてしまった』という声も寄せられました」とのことを言われました。

福井県は1996年、「福井県福祉のまちづくり条例」を制定しました。点字ブロックの整備基準として、「色等により周囲の床材と判断しやすい床材に限定する」とします。

ですが、県道沿いの県庁前や歩道など人通りのある場所でも、歩道と同系色の点字ブロックの敷設が多くあります。視覚障害を抱えている方たちからは不安の声が高まっていました。

それから1年が経ち、福井県立大かつみキャンパスの様に、新規に設けられた点字ブロックの状況も依然変わらない中でも、2023年9月の県議会で、ある動きがありました。

ふくいの党の山岸みつる議員が、判断しやすい点字ブロックの重要性など関して質問しました。杉本達治知事は「今後点字ブロックの補修や新設がかかるところは、黄色をメーンにしながらコントラストをハッキリ判断できる様にします。既に設置の歩道などは、修繕の前倒しをするなど工夫をしながら、できるだけ迅速に、全体的に点字ブロックの整備ができる様にしていければと考えています」と述べました。

これに対し、県障がい福祉課は2023年10月10日付で、今後整備する施設において、既に設置の点字ブロックで基準を満たさない箇所に関しては改修などのタイミングで修繕を実施することや、条例施行規則で定義する整備基準を確認することを各部局に要求する通知を発出しました。

福井県立大かつみキャンパスのこれからの対応を、点字ブロックを担当する県公共建築課は「同系色の点字ブロックは光の反射効果で見やすさを確保可能だとし採用していますが、これから先の点字ブロックの整備にあたっては、ユーザー目線での配慮が1番重要です。明暗のコントラストを表す輝度比なども視野に入れて応え、改修などのタイミングでより配慮した点字ブロックに改修していきます」と説明しました。

参考:点字ブロック「床色と識別しやすい色」順守徹底へ 福井県が通知 毎日新聞(2023年)

点字ブロックと床の色を変更するのではなく、光の反射で見やすさを考慮する方法は近年、全国的に普及してはいます。ですが、先天性の弱視で視力は0.02程という福井県福井市に住んでいる女性は「光の反射がある場合でも床と同系色だと点字ブロックが判断しにくいです。弱視者は見えないなりに、目から入る情報に頼っています。点字ブロックはハッキリと床と異なる色にして頂きたいです」と主張しました。

1回でも道路や施設を整備すれば、その後の改修は二度手間になり費用もかかってしまいます。福井県立大かつみキャンパスの点字ブロックが同系色にした理由を県公共建築課に尋ねると、「福井県の条例には黄色が指定とはどこにも書いていません」と話す職員もいて、視覚障害を抱えている方たちの声との隔たりがありました。

福井県には、今後視覚障害を抱えている方たちの目線に立った点字ブロックの行動が期待がされます。

視覚障害の方に寄り添えていない

街をきれいに見せるために、街路樹を統一したり、ある程度のコンセプトを持ち、コントラストが取れた景観にすることも大事ではあります。

ですが、点字ブロックは黄色が共通の認識です。視覚障害を抱えている方も、その様に認識しています。

それを景観重視でグレーにすると、多分私の想像ですが、道が途中で終わっていると、勘違いをされる視覚障害を抱えている方もいると思います。

独自性が大事でも、全国共通の認識のものを変えるのは、それは良くなかったと思います。誤った認識を取り入れたことで、何か重大な事故が起きてからでは遅いのです。

速やかに福井県の全てが正しい黄色の点字ブロックになることを願います。


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