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正社員を辞めた頃、集中的に映画を見ていた時期があります。その頃映画のレビューサイトに書…

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正社員を辞めた頃、集中的に映画を見ていた時期があります。その頃映画のレビューサイトに書いてた感想文をちょっと手直ししてここに載せてみます。映画は古いもの、マイナーなものが多くて感想もまあ独りよがりかも。最近見たものも追加していければと。時々、毒舌注意。

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ホストマザーとの思い出

確か2年前、クリスマスが間近に迫った頃。Facebookで友達になっているアリーサからこんな投稿があった。 「誰か私のママのクリスマス時期の写真を持ってる人がいたら送ってくれない?」 …持ってるかも。 私は少しホコリをかぶったアルバムを引っ張り出し、ページをめくった。 あった。紫色のガウンを着てクリスマスの日の朝食を用意してるバーバラの写真。テーブルの陰にはいたずらっぽい顔をした9歳当時のアリーサも写ってる。それからツリーの前での集合写真。家族や友達と一緒に私も笑顔で

    • ゴールデン・ボールズ (1993) HUEVOS DE ORO/GOLDEN BALLS/MACHO/UOVA D'ORO 監督 ビガス・ルナ

      やっぱり秋なので。。。なんかタイトルがゴールデンだし秋っぽいような?(笑 ちなみにこのDVD借りたんですがジャケットを夫にみられてなんだか気まずい思いをしました。。 でもほら、この監督ってあの「ハモンハモン」なんかも撮った監督で、この映画にはペネロペと結婚したハビエル君も出てるし… などと言い訳してみたかったのですが、してません。うーん、何を観たと思われてるんだろう。 ストーリーはモロッコで始まり、スペインに移動し、最後はマイアミまで行きます。一言でいってしまえば、一人

      • 小さな村の小さなダンサー (2009) MAO'S LAST DANCER 監督 ブルース・ベレスフォード

        毛沢東時代の中国。山東省の貧農の少年がその身体能力を共産党に買われて選ばれ、11歳で北京の舞踏学校へ。バレエが何なのかすら知らなかったところから、毎日の厳しい練習を経て、共産主義プロパガンダのために踊る。ところがひょんなことからテキサスのバレエ団へ3ヵ月の研修に行くことになり…。 実在のバレエダンサー、リー・ツンシン氏の自叙伝をもとにした映画だそうです。 中国の共産主義の歴史、文化大革命、四人組とその追放とか、細かい年代を追っての知識がないと感じきれない部分もあるんだろう

        • キンキーブーツ (2005) KINKY BOOTS 監督 ジュリアン・ジャロルド

          いいですねぇ、こういう映画好き。 大好きだったシーン。最初に若社長チャーリー、バーガンディ色のかかとのぶっといブーツを試作してるのをみて、あー、ボロクソ言われるんだろうな、って思ったらその通りだった(笑 で、その時にローラが「これからあんたが作るのはブーツじゃなくてセックスよ!」「セックスはヒールにあり!!」と言い放って去るのだ。(ちなみにマドンナはとある有名ブランドの靴を評して「セックスよりいいし、長持ちする」と言ったとか言わないとか。やはり靴は官能らしいですね。知らんけ

        ホストマザーとの思い出

        • ゴールデン・ボールズ (1993) HUEVOS DE ORO/GOLDEN BALLS/MACHO/UOVA D'ORO 監督 ビガス・ルナ

        • 小さな村の小さなダンサー (2009) MAO'S LAST DANCER 監督 ブルース・ベレスフォード

        • キンキーブーツ (2005) KINKY BOOTS 監督 ジュリアン・ジャロルド

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          「逃げるは恥だが役に立つ」

          逃げ恥は見ていなかったので、去年の再放送(特別編?)を見ました。ムズきゅん以上に刺さったのは「小賢しい女」「やりがいの搾取」「愛情の搾取」って言葉でした。 小賢しい女は生きづらいものです。多かれ少なかれ、女なら「女に学は要らない」と言われた経験があるでしょう。空いているホームで新聞を読んでいて舌打ちされたことも一度や二度じゃありません。年配の男性から嫌われるだけでなく、女性同士でも、小賢しい女は嫌われたりねたまれたりします。 小賢しい女というのを定義しようとすれば、自分の

          「逃げるは恥だが役に立つ」

          「恋のゴールドメダル」など韓国ドラマいろいろ

          また韓国ドラマをいろいろ見たので自分の備忘録も兼ねて紹介してみようと思います。まあ好みもあるのであんまり参考にはならないかもですけどね。 これ! 娘に薦められて見ました。“体育大学の学生の恋? しかも重量挙げ?”と思ってあんまり乗り気じゃなかったんですが、見たらドハマり。久しぶりに胸キュン(死語)です。 なんじゃこのキム・ボクジュのかわいさ。顔立ちはちょっとファニーな感じで、表情はいつもひょっとこ(?)みたいなのに、抜けるような白い肌、はしばみ色の瞳、オレンジ色のマッシュ

          「恋のゴールドメダル」など韓国ドラマいろいろ

          「愛の不時着」と最近見た韓国ドラマ

          かなり早い時期に「愛の不時着」を見て、ドハマリしました。 なぜこんなにもハマったのかはよくわからないけど、いろんなレビューを見てたら、なんとなく腹に落ちてきたところもあったので、深く納得した記事をいくつか張っておきます。 ほとんど上の記事で書き尽くされてるので、蛇足なのですが、私がハマった理由を下記にいくつか。 まず主人公の設定。私ももう若くはないので、さすがに女子高生とかには感情移入しづらい。最近の韓国ドラマの設定では、30代、職業的に自立してる、料理はできない(しな

          「愛の不時着」と最近見た韓国ドラマ

          しあわせのかおり (2008) 監督 三原光尋

          中華料理は作る過程がダントツに映画映えする料理だと思う。 強力な火力で高温に熱せられ、中華鍋のなかで油が泡立つ。素材が流し込まれジュっと大きな音を立てる。湯気が沸き立ち、一瞬にして艶やかにふっくらと卵が変化する。肉をミンチにしたり野菜を切ったりする時のリズミカルな音。鍋が振られると食材は鮮やかさを増して宙を舞い、小気味よくお玉と鍋がぶつかりあう。手の中で魔法のように小龍包や蟹シュウマイが包み上がってゆく。カメラを曇らせる蒸し器の湯気。 料理道具がシンプルなのも材料と工程を

          しあわせのかおり (2008) 監督 三原光尋

          プラダを着た悪魔 (2006) THE DEVIL WEARS PRADA 監督 デヴィッド・フランケル

          普段は家で主にユニクロのステテコをはいてる私。それなのに思い切って言いますが、装うことって楽しいです。コロナ禍で自粛中、服なんて要らないと思ったけど、ついついどんよりしがちな気分を払うために、やはりいろいろと買ってしまいました(ほとんど安い服や靴ばかりだけど)。 外見を変えることって、内面を変える力がある、とあの塩野七生さんも言っています。マキャベリが「君主論」を書く時、普段着からわざわざ官服に着替えて書いたという逸話を紹介し、「装うとは、着る人間がどのような個性を生きたい

          プラダを着た悪魔 (2006) THE DEVIL WEARS PRADA 監督 デヴィッド・フランケル

          風雲 ストームライダーズ (1998) 風雲之天地雄覇/THE STORM RIDERS 監督 アンドリュー・ラウ

          1998年だから、今から20年以上前、「マトリックス」の1年前の映画です。はっきり言ってストーリーの深みとか登場人物の心の機微とかはあまり期待しないでおきましょう。マンガの世界が映像になった、痛快B級映画と言っていいと思います(原作は本当にマンガだそうです)。DVDがすごく安くなっていたので、思わず購入して再見しました。 とにかくこの映画との出会いの印象が強すぎました。初めて観たのはなんとタイの長距離バスの中です。おそらく公開した年だったんだと思うんだけど、私と夫(当時はま

          風雲 ストームライダーズ (1998) 風雲之天地雄覇/THE STORM RIDERS 監督 アンドリュー・ラウ

          モンゴル (2007) MONGOL 監督 セルゲイ・ボドロフ

          義経=ジンギスカン説。 もしかして、このちょっと荒唐無稽な伝説を監督が知っていて、わざわざ日本人の浅野忠信をテムジン(チンギス・ハーン)役に持ってきてたら面白いな、なーんて思いながらオープニングを観ていたら、いきなり「1192年」とテロップが出たのでビックリ。いい国つくろう鎌倉幕府? ますます疑念は深まるのでした… なんつって(現在は1192年より前だったって説が有力なようです。娘の歴史の教科書でも1185年になってました)。 映画自体は当然ながら義経説の話ではありません

          モンゴル (2007) MONGOL 監督 セルゲイ・ボドロフ

          ターミナル (2004) THE TERMINAL 監督 スティーヴン・スピルバーグ

          今回は映画の感想っていうか私のとりとめない思い出話って感じです。ターミナルからの連想ゲームみたいな。 私事ですが先日、三ッ矢直生さんのラジオ番組、FMaiaiの「大きな声で独り言」に出演させてもらう機会がありました。 三ッ矢さんは宝塚音楽学校に首席で入学、歌劇団入団後は宝塚の男役スターとして活躍。退団後、大検を取得して東京藝術大学音楽学部声楽科に合格し、今も宝塚の講師を勤めるかたわら音楽活動も続け華々しく活躍しているという、ちょっと平凡な人間である私からは雲の上の存在と言

          ターミナル (2004) THE TERMINAL 監督 スティーヴン・スピルバーグ

          抱擁のかけら (2009) LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES 監督 ペドロ・アルモドバル

          アルモドバル監督の映画を見る時は、どんな色彩、部屋の内装、風景、劇中劇を見せてくれるのだろう? という興味で観ているような気がします。 レナとマテオの逃避行先のファマラのホテルの部屋。鮮やかで明るいのにかげりを感じさせるブルーの壁にオレンジの花柄のソファ。海岸で、男の赤のシャツの背中をそっと抱きしめる女の深緑色のニット。補色がいつも効果的に使われています。 登場人物たちの思いも、色のように鮮やかにちりばめられているようです。レナとマテオの情熱、ハリーの虚無、エルネストの執

          抱擁のかけら (2009) LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES 監督 ペドロ・アルモドバル

          恋するベーカリー (2009) IT'S COMPLICATED 監督 ナンシー・マイヤーズ

          原題は「It's complicated」。複雑なんです! なぜなら… 10年前に離婚した夫は子供たちのパパで、共通の知人も多いから、ことあるごとに顔を合わせちゃう。これがまた口がたつし、憎めない男なんですよね。 それに10年も経ったら憎しみだとか辛かった気持ちがようやく薄れてきて、おそらくは更年期もようやくやり過ごして、なんか楽しかったことばかり思い出してしまうみたい。 ああ、でも酔った勢いとはいえあんなことになっちゃうなんて! そりゃあね。ご無沙汰してたら塞がる

          恋するベーカリー (2009) IT'S COMPLICATED 監督 ナンシー・マイヤーズ

          エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 監督 ミシェル・ゴンドリー

          映画を見終わった後、ケイト・ウィンスレット扮するクレメンタインのタンジェリン色の髪の色がいつまでも記憶に残ってしみ込むような余韻。ミシェル・ゴンドリー監督の作品が好きってこともあって、私の好きな映画の、かなり上位に食い込んできています。 記憶消去手術なんて奇想天外で超現実的なストーリーなのに、そこから抽出されるのはリアルな恋愛のエッセンス。性格がまったく逆の2人が惹かれ合い、その違いゆえにうんざりして別れてしまい、衝動的に記憶を消してしまう。それなのに、やはり何かが引き合っ

          エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 監督 ミシェル・ゴンドリー

          ロシュフォールの恋人たち (1966) LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT/THE YOUNG GIRLS OF ROCHEFORT 監督 ジャック・ドゥミ

          大雨の日、「シェルブールの雨傘」を観ようかと思ったけれど、時間が合わず、こちらの鑑賞となりました。だけど、大正解! 冷たい雨の憂鬱さなんて完全に忘れてました。見終わって、ただただハッピーです。 ミシェル・ルグランの時に軽妙な、時に切ない旋律に ジョージ・チャキリスや、ジーン・ケリーのダンスに 美しいドヌーブと、その実の姉のフランソワーズ・ドルレアック(この映画の翌年に25歳の若さで交通事故死だそうです)の色鮮やかなパステルカラーのファッションと歌に デジタルリマスター

          ロシュフォールの恋人たち (1966) LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT/THE YOUNG GIRLS OF ROCHEFORT 監督 ジャック・ドゥミ