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プラダを着た悪魔 (2006) THE DEVIL WEARS PRADA 監督 デヴィッド・フランケル

普段は家で主にユニクロのステテコをはいてる私。それなのに思い切って言いますが、装うことって楽しいです。コロナ禍で自粛中、服なんて要らないと思ったけど、ついついどんよりしがちな気分を払うために、やはりいろいろと買ってしまいました(ほとんど安い服や靴ばかりだけど)。

外見を変えることって、内面を変える力がある、とあの塩野七生さんも言っています。マキャベリが「君主論」を書く時、普段着からわざわざ官服に着替えて書いたという逸話を紹介し、「装うとは、着る人間がどのような個性を生きたいかで、決まるものだと私は信じている」と書いています。

私は最新のファッションを着ていたいとは思わないし、窮屈なスーツもハイヒールもほぼ縁がないし、ストッキングは嫌いだから基本はかない。それでも、新しい服に袖を通した時の晴れやかな気分、案外この色の顔映りがいいなって気づいた時の舞い上がる気分って格別です。明るい色で自分を鼓舞したい日もあるし、よれっとした柔らかいグレーのTシャツを着て自分を甘やかしたい日もある。

アン・ハサウェイの変身ぶりは観ていて純粋に楽しめました。まさに、外見が内面に与える影響というのが手に取るように感じらたので。そのまま突っ走って欲しかったけど、たとえ昔の服に戻っても、服の中身は進化した彼女で、その新しい彼女がきちんと夢をかなえられる自分として昔の服を選び取ったんだと思いました。

でも見ものなのはメリル・ストリープです。ものすごく格好いい。非情でゴージャスで権力があってとにかくお洒落でメチャクチャな編集長役をビシっと決めてます。この鬼編集長のモデルは言わずと知れた「ヴォーグ」の編集長アナ・ウィンターですね。彼女を追ったドキュメンタリー、「ファッションが教えてくれること」もお薦めの映画です。


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