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風雲 ストームライダーズ (1998) 風雲之天地雄覇/THE STORM RIDERS 監督 アンドリュー・ラウ

1998年だから、今から20年以上前、「マトリックス」の1年前の映画です。はっきり言ってストーリーの深みとか登場人物の心の機微とかはあまり期待しないでおきましょう。マンガの世界が映像になった、痛快B級映画と言っていいと思います(原作は本当にマンガだそうです)。DVDがすごく安くなっていたので、思わず購入して再見しました。

とにかくこの映画との出会いの印象が強すぎました。初めて観たのはなんとタイの長距離バスの中です。おそらく公開した年だったんだと思うんだけど、私と夫(当時はまだ夫じゃなかった)はバンコクからラヨーンに向かうバスに乗っていました。行程が約3時間で、その間この映画をバスの中で上映していたんです。確か吹き替えじゃなくタイ語字幕だったので、音声は広東語、字幕はタイ語、まったく内容がわからないのでほとんど見ていなかったんですよね。

だけどなんか時折目に入る映像が気になりすぎる。唐突に人は空を飛んでるし、カメハメ波みたいなのが出てるし、腕はもげるし、とにかく常識はずれなぶっとび感に心の中で突っ込まずにいられません。横で夫(まだ夫じゃないけど)も気になっているようです。

その当時、まだあまりワイヤーアクションは知られてなかった(私が知らなかっただけかも)と思うのですが、これがワイヤーアクションか!と意識したのがこの映画。それでなんか面白いかもと思って観ていたら、髪を青くした、まるでマンガから抜け出たようなアーロン・クオックを発見して更にテンションがあがります(アーロン好きだった)。イーキン・チェンも長髪の優しい王子様風で、なかなかいい感じ。そんなこんなで、気づいた時には大して大きくもない画面に釘付けでした。

そうして見ていたら、悪者の親玉が、えっ、これってもしかして千葉真一!? 当時って、まだ日本人俳優が海外の映画で活躍するのが珍しかった時代だったので、かなりビックリしました。もちろん言葉は広東語の吹き替怪しさ満点の迫力ある陰の主役級の役です。宿敵はアンソニー・ウォン。実は出番がすごく少ないんですけどね。

とにかくみんなあっさり飛びます。風/フェン(イーキン)と総帥(千葉真一)の娘の逢い引きシーンで、いきなり二人でスイーっと宙に飛んでいきます。その場面でのイーキンの優雅な扇子使いに注目です。その一方、飛べるのに時間かけて山道登ったりしてるのもよくわかりません。

ちなみに、Netflixで見られる中国ドラマの「エターナル・ラブ」、こちらもバンバン飛びます。まあみんな神様なので当然なのですが… ものすごく長いけどお薦めです。

雲(アーロン)は孤独で影があり人を寄せ付けないんだけど、一途に総帥の娘を思ってます。この娘がいい子なんだけど優柔不断でね。いかにもな香港の歌謡曲に合わせたラブシーンは、アーロンファンへのサービスショットでしょう。バディが鍛え上げられてます。すっごい長いマント着てるし。彼が苛立って湖のほとりで拳で空を切れば、湖に大きな水柱が3本くらい立つ、この大げさ加減もすごい。

監督さんはなんとあの「インファナル・アフェア」の監督さんでした。あ、でも同じような映画では無いのでそういう期待は無いように…

エンドロールで、ワイヤーアクションの撮影シーンを見せてくれてます。

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