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ロシュフォールの恋人たち (1966) LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT/THE YOUNG GIRLS OF ROCHEFORT 監督 ジャック・ドゥミ

大雨の日、「シェルブールの雨傘」を観ようかと思ったけれど、時間が合わず、こちらの鑑賞となりました。だけど、大正解! 冷たい雨の憂鬱さなんて完全に忘れてました。見終わって、ただただハッピーです。

ミシェル・ルグランの時に軽妙な、時に切ない旋律に

ジョージ・チャキリスや、ジーン・ケリーのダンスに

美しいドヌーブと、その実の姉のフランソワーズ・ドルレアック(この映画の翌年に25歳の若さで交通事故死だそうです)の色鮮やかなパステルカラーのファッションと歌に

デジタルリマスターされてカラフルになったピンクやオレンジの消火栓や、家々の窓に

交錯したいくつもの恋のゆくえに… 

そういうことにただ、身を任せて酔っていればいい、そんな映画でした。見ている間に知らないうちに顔がほころび、心が華やかに浮き立つような気分。1966年の映画。古い映画「なのに」とか、「にもかかわらず」、じゃなくて、全然そんなこと忘れてました。

バラバラ殺人事件は必要だったのか? とかジーン・ケリーのラヴェンダー色のジャケットはアリなのか? とか、クライマックスのはずの双子姉妹の踊りと舞台はあれで? とか、突っ込もうと思えば、突っ込んでもいいんですけど… でも、いいの。

思い合う3組の男女が、会いそうで会えないもどかしさが続いて、最後に期待が最高潮に高まったところで、ソランジュ(ドルレアック)とアンディ(ジーン・ケリー)が、ママとダムさん(ミッシェル・ピッコリ、「昼顔」でドヌーブと共演してますね)が、言葉は不要とばかりに見つめ合い幸せそうに踊る。

そして、デルフィーヌ(ドヌーブ)と、画家のカレは!?

ああ! そうきたのか!!

そして、エンドロール。暗転して、音楽… その間じゅう、観客の頭の中では二人が見つめ合い、愛を語り、踊りつづけていたことでしょう。私はそうでした。

結局デジタルリマスター版のDVDを買って、娘と何度も何度も見ました。何度見ても、本当に幸せな映画です。

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