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Design of Tea Ceremony

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【茶の湯のデザイン】茶道のもてなしの心は、デザインにも表れているはず。
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2018年5月の記事一覧

和の意匠05 《唐草》 | お茶を通じて学べること

和の意匠05 《唐草》 | お茶を通じて学べること

先日は、血液検査で採血だったのですが、そういう類が苦手な私は、
気を紛らわすため、頭の中でお点前の手順を追っていました。
多少は効果があったかしら?

唐草(からくさ)

泥棒さんが背負っている風呂敷、緑に白の模様、あれも唐草模様です。

唐「草」とあるように、植物の葉や茎、蔓(つる)が伸びたり絡んだりした形が図案化されています。世界中に同様の模様があり、日本には、シルクロードを通じて伝わったそう

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Design of Tea Ceremony |《飲み口》から 茶道の合理性

「デザインされている」とは、美しさや、心地よさ、また使いやすさ、利便性、機能性、合理性などを意図し設計されていること。
今回は茶道の合理的な一面をご紹介。

まずは前提知識をふたつ。

ひとつ目は、お茶碗には正面があり、客は正面を避けて、お茶をいただくということ。
(ご興味のある方はコチラ(どうして、お茶碗をくるくる回すの?)をどうぞ)

ふたつ目は、お客様が複数いる場合も、同じお茶碗を利用するた

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和の意匠04 亀甲 | お茶を通じて学べること

和の意匠04 亀甲 | お茶を通じて学べること

今住んでいる家の近くの歩道脇には、アジサイが多く植えられています。
少しずつ色づいてきましたね。楽しみです。

亀甲(きっこう)

亀甲(きっこう)、読んで字のごとく、亀の甲羅がもととなっている意匠です。

『鶴は千年、亀は万年』。
亀といえば、長寿吉兆の象徴です。
亀甲文様の歴史は古く、正倉院宝物裂にも亀甲模様のものがあるそうですよ。

ページトップの画像も、亀甲の一種。三色の重ね亀甲です。

和の意匠03 網代 | お茶を通じて学べること

和の意匠03 網代 | お茶を通じて学べること

ゴールデンウイークも終盤ですね。
近所の回るお寿司屋さんに行ったら、青海波や千鳥、麻の葉など、和の文様がPOPに使われており、和の雰囲気づくりに一役買っていました。

白ベースにパステル調(薄い色のピンクとかブルーとか)で
文様が描かれていたので、明るい、現代的なかわいらしい和という印象でした。

網代(あじろ)

網代(あじろ)と聞いて、私がまず思い浮かぶのは天井の仕上げです。
お茶室でも使われ

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和の意匠02 七宝 | お茶を通じて学べること

和の意匠02 七宝 | お茶を通じて学べること

和の意匠には、願いが込められています。
前回の青海波では、海の恵みと、ずっと続く波の様子から、平穏や幸せが途切れることなく続くようにという願いが込められていると紹介しました。

模様や意匠に願いを込めることは、日本に限ったことではなく
あらゆる国で、ずっと行われてきたことなんでしょうね。
例えば、東欧の民族衣装に施されるカラフルな刺繍にも、魔除け等の意味があると聞いたことがあります。

七宝(しっ

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Design of Tea Ceremony |〈距離〉を変えずに〈距離感〉を変えるデザイン

Design of Tea Ceremony |〈距離〉を変えずに〈距離感〉を変えるデザイン

Design of Tea Ceremony |炉とか風炉とか 季節によって変わるお点前 で、季節により釜の位置が変わることをお伝えしました。

変わるのは釜の位置だけではありません。
亭主(お茶を点てる人)の座る向きも変わります。

風炉(夏の季節・右下図)では、亭主の目線は客を捉えないのに対し
炉(冬の季節・左下図)では、主客は炉を挟んでゆるやかに向かい合う。

(鼻と目で体の向きを表していま

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和の意匠01 青海波 | お茶を通じて学べること

和の意匠01 青海波 | お茶を通じて学べること

茶道を通じて、日本文化が一通り学べると言われています。

お茶碗などの道具についての問答を主客(亭主と客)で、行うこともあり
和の意匠についても知識が得られます。
(立派なお茶会などでは、茶碗の作家やいわれについて答えるのだと思いますが、常のお稽古では、そういった高価な作家さんの作品は使わないことが多く、お茶碗の産地や文様について答えます)

青海波(せいがいは)

青海波は、海の波を表した文様で

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