未経験者にAgileを教えた話 第2話 Trelloで宿題を出す
新しい会社に入り、アジャイルとは何ぞやのレクチャーをした私。しかし、レクチャーの持ち時間は短く、ディスカッションをする時間はなかった。グループワークだけを行い、一番肝心な部分を宿題にするという苦肉の策をとった私であった…
思いっきり背伸び
前回の続き。グループワークを終えて、簡単なラップアップをしてレクチャーをしめるとき、
Agileについて話すためのボードをTrelloにつくったので、宿題はそこから提出してください。
と、言ってみた。
これが思いっきり背伸びなのは知っている。そもそもTrelloのアカウントを持っている人がおそらく5人ぐらいしかいない組織なのだから。
予め、宿題用のリストを作成し、そこにいくつかの宿題をカードとして追加してから、チーム全員にTrelloのボードへの招待を送った。
Boardの構成
Trelloのボードにはこんな感じでリストをつくった。
・使い方
・レクチャーの資料と宿題
・Q&A
・リクエスト
・フィードバック
使い方リストには予めこのボードのルールを記載した。Non-Japaneseのメンバーもいるため、日英併記。投稿する際の言語は日英どちらでもよいというルールにした。
あとは、特定のレクチャーに関するカードにはそのレクチャーに対応するラベルをつけてね、というルールにした。例えば初回なら「#1」というラベルをつけてもらう。
宿題を出した直後の状態。まだフィードバックは1件。
※画像は一部ぼかしをかけています。
宿題の狙い
宿題の狙いは主に2つ。
ひとつは、レクチャー時のグループワークの経験から、より合理的に顧客のほしかったものを作るためにはどうすればよいかを考えてもらうこと。
もうひとつは、Trelloに慣れてもらうこと。別にTrelloでなくてもよいのだが、何でもいいからひとつ、アジャイルな組織が使いそうな典型的なツールが使えるようになったという経験をしてもらいたかった。実際のプロジェクトで初めて使ってみて難しさを感じたら心が折れるから。
宿題の内容
Feedbackリストに今日のフィードバックを書いたカードを追加してください。
これで全員カードの追加ができるようになるし、ボード全体のルールに則ればラベルもつけなければならない。
このカードのDescriptionを読んで、回答をこのカードのコメントに記入してください。
これで、ボード上から見ることができないディスクリプションというものの存在を知ることになる。カードの詳細を見ること、コメントを追加することができるようになる。
ちなみに、ディスクリプションに書かれているのはレクチャーの最後に投げかけた以下の問い。
・なぜ期待どおりのものを得ることができた、またはできなかったと思うか
・正しいアウトプットが出る可能性を高めるための方法は何だと思うか(プロセスのどの部分を変えますか?どう変えますか?)
このカードのコメントに、リクエストしたものと最終的に得られたものを記入してください。写真の添付でもOKです。
強制はしていないが、これで写真の添付ができるようになる。
大体ここまで来れば、全機能には程遠いものの、Trelloが何となく使えるようになったと言ってもいい気がする。
本当は自力で使えるようになってほしいし大体の人は自力で使えるようになると信じているものの、一部怪しい人がいるのと、きっかけがないとなかなか使わないと思うので、ここまで手厚いサポートをしております。
その後
当日中に参加者の半数以上がTrelloへの登録を完了した。
別件で何かリストを作ろうという話が出ると、「それってTrelloでつくればいいじゃん」という意見が出てきた。
上司がいきなりTrelloで部全体のタスク管理を始めた。
Trelloを初めて使う人たちによるまさかの事件もいくつかあったが、いずれも大事には至らず、苦手意識は持たれずにすんでいるのではないかと思う。
まだTrelloを組織として使いこなすには至っていないが、少しずつ前進できればいいと思う。
ありがとうございます。いただいたサポートは、脳の栄養補給のため甘いお菓子となり、次の創作に役立つ予定です。