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経済的支援「マイクロファイナンス」の仕組みとは?

前の記事では、貧困層向けにビジネス支援を行うマイクロファイナンスの事業として成功しているグラミン銀行を挙げて、その役立つ金融サービスについて考えました。(記事はこちらです👇)

調べているうちに、マイクロファイナンスの細かい仕組みや世界の動向などさらに気になってしまったので、今回はマイクロファイナンスの仕組みについて書いていこうと思います!

マイクロファイナンスを通じて貧しい人々の経済的支援を行い、現地の人々が自力で返済することを学ぶ「お金の教育」の観点からも興味を持ちました。では、早速書き上げます!

仕組みは一般の金融ビジネスに近い

重複になりますが、マイクロファイナンスとは「貧困層の人々を対象に、経済的自立を目的とした金融サービス」のことです。

マイクロファイナンス機関(MFI:Micro Finance Institution)という機関が存在し、これは銀行、信用組合、NPO、NGOなど形態はさまざまあります。これらの機関が資金を調達するわけですが、一体どこからお金を集めているのでしょうか?以下、6つの方法から資金調達しています。

・ 寄付
・ 政府などの補助金
・ 銀行からの借入
・ 借り手の再預金
・ 株式発行
・ ファンド(投資家からお金を集めて投資し、収益を分配すること)形式での出資

マイクロファイナンス機関が銀行なのか、NGO/NPOなどどんな形態なのかによって資金調達は変わってきます。例えば、マイクロファイナンス機関が銀行であれば銀行からお金を貧困層の人々に貸し付け、NPOなどの団体であればその団体から、という仕組みです。

もちろん、借りた方は返済の義務があり、利子付きで返していかなければなりません。融資額も機関や国によりさまざまで、1,000円のところもあれば200万円のところもあります。利率も同様にさまざまで、バングラデシュで成功したグラミン銀行だと、年20%程度と言われているのだとか。

グラミン銀行のように、銀行の形態をとる場合は、貯金や保険のサービスを行うこともできます。また、マイクロファイナンス側も預金を原資として別の貧困層へ投資することもできます。

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前の記事にも書きましたが、従来のボランティアのように無償で支援を続けていると、支援を受ける側はサポートに頼りすぎたり資金や物資が目的にそぐわない用途で使われるなどの懸念がありました。

返済義務があり、自分たちで経済的自立をつくる意味で、マイクロファイナンスはチャリティと営利目的が重なった有効な事業の一つだと思います。

マイクロファイナンス近年の動向

グラミン銀行が注目を集めたことから、マイクロファイナンスは一時投資対象としても注目されました。しかし、一般の投資家には目利きが難しいことから、なかなか継続した投資ができない事が指摘されていました。

そんなこともあり、マイクロファイナンス投資ビーグル(MIV:Microfinance Investment Vehicles)の存在が登場しました。これは一言でいうと、「マイクロファイナンスの投資を専門に行う運用会社」のことです。貧困層に融資で支援するマイクロファイナンス機関を助ける立場ということです。

例えば、スイスではブルー・オーチャード(Blue Orchard)やレスポンス・アビリティ(responsAbility)が有名で、アメリカだとデベロッピング・ワールド・マーケット(Developing World Markets)が有名みたいです!

欧米を中心に、先進国がマイクロファイナンスの事業に着目し、マイクロファイナンス投資ビーグルの投資額は年々増え続けていると言われています。

日本からの投資は?

バングラディッシュで始まったグラミン銀行や、そのマイクロファイナンス機関を支えるマイクロファイナンス投資ビーグルなどは、ほとんど海外が先駆けしていますが、日本ではどうでしょうか?

日本では一般人が出資できる手段は皆無でしたが、2011年に大和証券が「大和マイクロファイナンス・ファンド」を販売しました。

大手金融機関としては初のファンドです。直接投資する方法だけでなく、MFIの事業設備に取り組む国際機関などが出す債権への投資をしているようです。

また、世界初のマイクロファイナンス・ファンドである「オイコクレジット」の日本法人も設立されています。NPOの形態をとる、マイクロマイファイナンス機関もここ数年で増加傾向にあるようです。

マイクロファイナンスの短所は、、?

マイクロファイナンスは貧しい生活から脱却し経済的に自力で生活を立て直すことができる点で画期的なサービスですが、もちろん考えなければいけないデメリットもあります。

まず、「貸し倒しの可能性」があるということです。彼らの所持金はもともと人より少ないので、貸したとしてもお金を後に返済できない事態が実際に起きています。

貸し倒れが発生した場合、元金の回収ができなくなります。それはマイクロファイナンス機関としても経営の観点から避けたいことです。そのため、いつ貸倒しが起きてもおかしくないリスクがあることは忘れてはいけません。

また、途中で「解約することができない」こともデメリットの一つにあります。運用期間が予め決まっており、数か月から長期までと様々ですが、運用機関中は投資資金が拘束されるので、取りやめにすることは原則禁止になっています。

生活資金の中から支払いを捻出したり、借金までして返すことになってしまうと、さらに生活を追い込む事態に陥ります。資金に余裕をもって投資することが大切ですね。

まとめ

グラミン銀行が成功したマイクロファイナンスの事例を前の記事に書きましたが、今回はそんなマイクロファイナンスのさらに詳しい仕組みや世界の動向について調べてみました。

貧困層向けにビジネスをすると同時に、貧しい人々が融資を得て自らの生計を成り立たせることができる仕組みとして改めて面白いと思いました。

また、現地の人々は援助に頼るだけでなく、お金の動きや管理についても学ぶことができるので、金融サービスを通じた教育として意義あるサービスだと思います。

それでも、投資というだけあってやはりリスクはつきものです。自分が貸し手の経営側だったら貸し倒しはきついだろうなと思うし、どこまで営利を求めるべきか、利子だけでは見当がつかないと思います。

ビジネスを動かす点で、顧客と会社側のお金の信頼関係はとても大切なことだけど、難しそうです....

詳しく知れば知るほどまだまだ知らない情報を見つけてしまうので、また気になったことをアウトプットしていこうと思います!

お読みいただきありがとうございました!

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