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”人民”ならクスッと笑える、”間接”政治風刺

「中国で政治風刺はできない」 -- そう思っている人はほとんどで、特にそれが中央政府を批判したものであった場合は、実際そうだろう。しかし、中国の人や中国通の人に言わせると、「みんな結構うまく風刺を楽しんでいる」というのだ。

先日、中国人の友人が以下のようなSNSの投稿を見せてくれた。

「最新消息(=zuìxīn xiāoxi=ズイシン・シャオシ=最新ニュース)」という仰々しいタイトルが目を引くが、何てことはない。一人のおじさんが、上海語?で、なんかつぶやいているだけの短い動画だ。

おじさんのつぶやきは、以下の通り。
上海語?は私もその友人もちんぷんかんぷんだが、下にある字幕でわかる。

有意思吧,有意思吧
(面白いでしょ、面白いでしょ)

知道他说谎
(私たちは”彼ら”が嘘を言っているのを知っている)

也知道他说谎
(彼らも、彼ら自身が嘘を言っているのを知っている)

知道我知道他说谎
(彼らは、私たちが彼らが嘘を言っていることを知っている、ということを知っている)

也知道他知道我知道他说谎
(私たちも知ってる。彼らが嘘を言っていることを私たちが知っていることを彼らが知っている、ということを。)

但是他
依然在说谎
(でも、彼らはまだ嘘を言っているんだ)

帮帮忙了,啊勒吃不消
(頼むよ、ああ、もうやりきれないよ)

真没意思 (面白くもなんともないや)

ははは。何だこりゃ。
「彼ら」って誰?と思ったら、その友人は言う。

「中国人だったら、これが政治風刺だってすぐにわかる。微妙な感覚でね。」と。

そうか、でも確かに中国共産党とも、上海当局とも、習近平とも何とも言ってないわけだから、当局も罰しようがない、絶妙なやり方だな。

そして、これが風刺だということは、誰もがわかっている。当局だってわかっているし、当局にわかられていることも彼らはわかっていて、彼らが当局にわかられていることをわかっていることを当局もわかっていて・・・笑。まさに彼の言葉のような状況なのだ。 これぐらいのガス抜きはOKということなのだろうか。

でも、その微妙な”さじ加減”は、”人民”ではない我々には、どうも簡単にはわからなそうだ。



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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
AJ 😀

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