【連載小説】ノイズ(仮) 第七回
オレが語るのならそんなのではない。少なくとも、いまは語りたくない。おいそれと語れない。語れないものに好きだの恋だの、そんなストロングな言葉を充てるのは恐れ多い。正直、おまえよく平気でそんな話、と思う。
今日から補習授業がはじまる。一学期の期末試験で派手に成績を落としたせいだ。制服を着てリビングにおりると、「はい、これ」と姉ちゃんが弁当箱を差し出してきた。
「午前中で終わるし。昼はうちで食うから」
「えっ! そうなの?」
姉ちゃんは弁当箱を宙に浮かせたまま、自分は高三の冬