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1/23。「ぼんやりする」とは、これ如何に。

5:30起床。

天気は雨。





……。
……。
……。


「どこに、行くの?」


どこに、行こうか。
どこに……。
どこにでも、行けるよ。
どこにでも……。


……。
……。
……。


「ここに、いるの?」


ああ。
そう、しようかな。


僕は、もう、疲れたよ。





ぼんやりしている。この上なく、ぼんやりしている。「ぼんやりしている」に、上も下もないけど、とにかく、ぼんやりしている。


ぼんやりするのは、悪いことじゃない。けれど、仕事中にぼんやりするのは、悪いことだ(と、されている)。まあ、僕だって、仕事中にぼんやりするなんて、とてもじゃないけど、できない。(だって、忙しいからね。)でも、ふとした瞬間に、ぼんやりすることがある。そんなとき、僕ははっとして、「いけない、いけない」と、ぼんやりするのを打ち切る。けれど、またふとした瞬間に、ぼんやりする……。そんなことの、くり返しだ。


どうしてだろう、と僕は考える。どうして、こんなにぼんやりするんだろう。何か、変なものでも食べたのかしらん……いやいや、おいしいものしか、食べていないはず……。ああ、またぼんやりしている。よくない、よくない……。よくない、の? ……よくない、さ。だって、頭が働いてくれないんだもの。仕事中は、頭を働かさないと、いけないからね。それなのに、うんともすんともいわなかったら、そりゃ、一大事さね……。


じゃあ、仕事中じゃなかったら、いいのかい? ……ああ、仕事中でなければ……ぼんやり、していたいよ。……ああ、そっか。僕は、思う。僕は、ぼんやりしていたいんだな。していたいから、しているんだ。「どうして?」の答えは、最初から、僕の中にあったんだ。


けれど、仕事中にぼんやりするのは、やっぱり、いただけないね。さて、どうしたものか……。ブラックコーヒーでも、飲めばいいのかな。でも、僕、ブラックを飲むと、腹を壊しちゃうから……。じゃあ、頭がすっきりするミントガム……もだめだな。僕は、あの匂いが苦手なんだ。じゃあ……じゃあ……もう、どうしようもないじゃないか。


はあ。一日中、ぼんやりしていたいな。ぼんやりしながら、時々、頭の中のことばを、拾い上げたいな。……これを、夢にしようかな。ぼんやりしていない僕なんて、きっと僕じゃないから。……でも、怠け者じゃ、ないからね。(働き者の、はずなんだけどな。)時々のぼんやりは、許してほしいな。……ええと、つまるところ……何も、思い付かないな。僕は、今日もぼんやりしている。





有料連載「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載開始まで、あと3日。


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