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2/15。そして、僕らは旅に出る。

5:30起床。

天気は曇り。





……。
……。
……。


「どこまで、行くんだい?」


××まで、だよ。
もしかしたら、もうちょっと先まで、行くかもね。


……。
……。
……。


「どこから、来たの?」


それはね……。
それは……。


あれ?
どこだったっけ?


行き先は、いつでも思い出せるのに。
来し方は、すぐに忘れてしまうんだ。





今日、僕らは旅に出る。……日帰り、だけどね。


僕らは、とあるワークショップに参加するため、東京行きを決めた。地元から、ぷらっと一時間半。……うん。帰省するのと、そんなに変わんないね。交通手段が、飛行機ってだけで。


飛行機……。乗るの、ひさしぶりだな。大学の、卒業旅行以来かな。あのときも、行き先は東京だった。でも、あのときと違うのは、一人で行くんじゃないってこと。


一人気ままに行くのもいいもんだけど、二人もいいもんだね。……って、尾道まで二人旅したときに、思ったんだ。一人でいるのは楽しいけど、二人でいるのも楽しい。


……ふふ、おかしいな。ずっとひとりぼっちだった人間が――ひとりぼっちを好んでいた人間が、誰かといるのが楽しいと、思えるなんて。きっと、パートナーのおかげだな。パートナーのおかげで、二人でいる楽しさに、気付くことができた。


それに……ふふ。つい、笑ってしまうな。行きたいイベントのために――会いたい誰かのために、遠くまで行くなんて、ひとりぼっちだった僕には、なかなか無かったことだ。成長だって、思っていいのかな。自分以外の誰かに会いたいと思える、そんな成長……。


それにしても、ふしぎなもんだな。あと数時間後には、何百キロも離れたところにいるなんて。いつもの「一時間半」なら、せいぜい隣の市まで行くくらいなのに。……それも、楽しみの一つかな。がらっと変わる景色は、僕に何をもたらしてくれるんだろう。


……あはは。今日は、楽しみでいっぱいだな。今回の旅は日帰りだけど、それでも、旅は旅だ。いつもと違う場所で、いつもと違うことも、いつもと同じこともやりたい。(もちろん、ぐったりしない程度にね。)……まずは、寝ぼすけさんを起こさなきゃね。それが、僕らの旅の始まりだ。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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