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3/13。この年で、読み聞かせは、おかしいかな。

5:30起床。

天気は晴れ。





……。
……。
……。


「もう少し、もう少し」


なにか、始まるの?
なにか、終わるの?


ねえ、教えてよ。


……。
……。
……。


「もう少し、もう少し」


ああ、
そっか。


それは、始まる。
それは、終わる。
どっちも、正解だ。


だから、
おやすみ。





近ごろの僕は、寝付きがよくない。(今までは睡眠薬を飲んでいたんだけど、朝なかなか起きられなくなってからは、服用を中止している。)なので、寝る前に、パートナーに絵本の読み聞かせをしてもらっている。……子どもみたいって、思うかな。でも、これが気持ちいいんだよ。


パートナーの訥々とした声を聞いていると、だんだん瞼が重くなっていく。たとえ、どれだけ目が冴えていたとしても。まるで、魔法だ。パートナーだけが使える、やさしい魔法。


読み聞かせしてもらっている絵本は色々あるけど……M.B.ゴフスタインの絵本が多いかな。子ども向けというより、大人向けに描かれた絵本。昨日は、『おばあちゃんのはこぶね』を読んでもらった。「たまには、これが読みたいな」とパートナーがいってくれたから。


『おばあちゃんのはこぶね』は、90歳のおばあちゃんが、子どもの頃に作ってもらった方舟(おもちゃ)の思い出を、当時から90歳の今に至るまで、回想するお話。パートナーは、おばあちゃんの思い出の一つ一つを、拾い上げるように読み上げる。僕も、パートナーが拾ってくれたそれを受け取るように、耳をすます。


……ふふ。まるで、夫婦というより、親子だな。でも、いいんだ。たとえ、そんな風に揶揄されたって。それが、僕らなんだから。


僕は、子ども扱いをされることが多い。主に、職場でね。たぶん、見た目も中身も、年相応じゃないからだろう。だからといって、何も思うことはないけれど。(気にしていない、というより、職場の人に思い入れがないからだろう。)


でも、パートナーは違う。パートナーは、子ども扱いも大人扱いもしない。……じゃあ、何扱いかって? そうだね……。強いていえば、「僕」扱いかな。はは。


僕はきっと、寝付きがよくなっても、パートナーに読み聞かせをしてもらうだろう。僕は、パートナーの読み聞かせが大好きだから。パートナーも、そんな僕に応えてくれるから。これも、一つの愛情表現かな。……なんてね




「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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