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3/18。迷子を導くのは、他人か? 自分か?

5:30起床。

天気は晴れ。





……。
……。
……。


「どこ? どこ?」


迷子?


こんなところで?


こんな、見晴らしのいい場所で?


……。
……。
……。


「どこ? どこ?」


迷子?


迷子なのに、


見たことのある顔だね。


君は、





「なるほど。12月頃から、休みがちになってしまったと」
「はい」
「……ええと、ご結婚されたのは、11月頃でしたね?」
「? はい」
「ご結婚される、というのは、環境ががらりと変化することでもあるので……。それが負担になっている、ということは、ありませんか?」
「……それ、よく訊かれるんですけど」


「環境は、変わってないです。結婚する前も、今も。だから、関係ないです」


前述の通り、12月頃から休みがちになってしまった僕のために、この度、ジョブコーチが導入されることになった。


ジョブコーチっていうのは、一言でいえば、障がい者の職場定着を支援する制度のことだ。……まあ、月に一回、職場での様子を見に来たり、相談に乗ったりする人が、外部から来ますよってことだ。


そんなわけで、昨日は、ジョブコーチさんとの初めての面談だった。予想はしていたけど、僕は初対面の相手にはなかなか心を開けない。(ちなみに、オタクとかクリエイターとか、自分と共通点を持っている人には、だいぶオープン。)だから、面談中はずっと、俯いてばかりだった。


初対面だから、というだけじゃなかった。当然といえば当然だけど、自分のことを根掘り葉掘り訊かれた。僕は、そういうのが特に苦手だった。


以前の職場での様子を訊かれたときは、パンドラの箱が開きそうになって、奇声を上げてしまったし(その質問は、そこでストップになった。)冒頭で書いた通り、結婚がきっかけで体調を崩したんじゃないかと訊かれたときは、イラっとした。


もちろん、結婚=悪じゃなくて、あくまで急な環境の変化について指摘されたことは理解しているし、パートナーのことを悪くいわれたわけでもない。それでも、パートナーにけちを付けるような言動をされるのは、気分の良いもんじゃない。


「腕、痒いんですか?」
「? 痒くないです」
「腕、ずっと掻いているので……」


面談中、僕はずっと右腕を掻いていたらしい。無意識だったから、わからなかった。右腕は、すっかり真っ赤になっていた。


なんだか、先行きが不安な面談になってしまった。主な原因は自分だけど。次の面談は、来週らしい。はあ……。むしゃくしゃした僕は、パートナーにおみやげ(スタバのドリップコーヒー)を買って帰ったのだった。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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