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12/2。人魚姫を助けるのが、もの書きの務めです。

6:53起床。

天気は曇り。





……。
……。
……?


誰かが、泣いている。


……。
……。
……もしかして、


ひとりぼっちだったはずの、海。
ひとりぼっちじゃなかった、海。


全てを理解した僕は、深く深く潜っていった。


人魚姫が、そこにいた。





昨日の朝、パートナーは職場に出勤し、僕はスタバに出勤した。……いや、バイトとかじゃなくて、そこで作業しようと思ってね。


開店したばかりだったけど、すでに店内にはそれなりに人がいた。僕は、そんなことよりも、バターミルクビスケットがあるかどうかの方が問題だった。まだ朝早くだったので、お目当てのものはちゃんとあった。


「おはようございます……いつも、ありがとうございます……今日は、お早いですね。お休みなんですか? ……はい、ごゆっくりどうぞ」


レジ対応してくれた店員さんは、何度か顔を合わせたことのある人だったようで、なんだか色々と話しかけられてしまった。んん……。スタバには、パートナーと一緒に行くことの方が多いけど、案外顔は覚えられているものなんだな。ありがとう、いただきます。


ほうじ茶と、昨日は食べられなかったバターミルクビスケット。……うん、何も付けなくてもおいしい。僕、ケンタッキーのビスケットも好きなんだ。そもそも、スコーンが好きでね。僕は、甘いものは得意じゃないけど、素材のおいしさっていうのかな、シフォンケーキとか、そういうのも好きなんだ。……どうでもよかったかな。


熱々のほうじ茶をすすりながら、僕は右手を動かしていた。いつもはエッセイばかり書いている僕だけど、ひさしぶりに小説を書こうと思って。ひさしぶりなので、なかなか思ったように書けない。でも、物語はどんどん溢れてくる……。僕は、ぎこちない文体で、何千という文字をレポートパッドに書きつけた。


小説……。エッセイは実際に起こったことを元に書いているけど、小説は自分の頭の中で起こっていることを書いている。だから、小説を書いていると、今、自分の頭の中ではこんなことが起こっているんだって、良い/悪い発見になる。それって、すごく面白いことなんだ。


バターミルクビスケットは、粉々になったぱりぱりの皮まで食べ、ほうじ茶も最後の一滴まで飲み干した。僕は、すっかり温まっていた。一日は、まだ始まったばかりだった。

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