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新世界秩序:BRICS拡大が引き起こす米ドル崩壊 VI

 WsdHarumakiさんから米ドルのインフレについてコメントをいただきましたので、今回は米ドルのインフレについて説明します。

米ドルが持つインフレの二面性

 米ドル以外の通貨では、自国内で貨幣の価値が下がる、或いは、自国内の物価が上がる現象を #インフレ と呼びます。しかし、 #基軸通貨 としての米ドルは、米国内のみならず、日本と中国間、インドとオーストラリア間などの米国外の取引でも #決済通貨 として広く利用されています。そのため、米ドルには米国内インフレと、米国外インフレの両方を考える必要があります。

米ドルの米国内インフレ
 米国内のインフレは、一般的に他国の通貨と同様に以下の要因によって引き起こされます。

需要と供給のバランス:商品やサービスへの需要が供給を上回ると、物価が上昇します。

生産コストの上昇:労働力、原材料、エネルギーなどのコストが上昇すると、企業はそのコストを消費者に転嫁し、物価が上がります。

貨幣供給の増加:中央銀行(米国の場合は連邦準備制度理事会)が貨幣供給を増やすと、通貨の価値が下がり、インフレが進行する可能性があります。

政府の財政政策:政府の大規模な支出や減税政策が需要を刺激し、インフレを引き起こすことがあります。

米ドルの決済通貨としての米国外インフレ現象
 米国外でのインフレは、以下の要因によって米ドルの影響を受けることがあります。

ドル建て商品・サービス:世界の多くの取引が米ドルで行われるため、米ドルの価値が変動すると、これに連動して国際市場での商品やサービスの価格も変動します。例えば、原油価格がドル建てで取引されるため、ドルの価値が上がると他国の通貨での原油価格が上昇し、インフレが進行します。

貿易相手国への影響:米国が主要な輸出市場である国々にとって、米国内のインフレが輸出価格に影響を与え、その国々のインフレ率に波及することがあります。

資本流出入の変動:米ドルの金利が上昇すると、他国から米国への資本流入が増え、他国の通貨価値が下がることがあります。これが輸入インフレを引き起こすことがあります。

政策の連動:多くの国が米国の金融政策を参照して自国の政策を決定するため、米国のインフレ対策が他国のインフレ率にも影響を与えることがあります。

 これらの要因により、米ドルの価値や米国の経済状況が直接・間接的に他国のインフレ率に影響を与えることが多いです。

米ドル離れの加速が米ドルに与える影響

 前回の記事で説明した通り、 #BRICS・PAY は世界人口の約半数に影響を与えるマルチカレンシーの #ブロックチェーン ベースの決済システムです。

 米国が中国に対して経済制裁を加えている最大の理由は、既に国家のGDPが世界第二位になった中国が、米国のGDPを追い抜くのは時間の問題だからです。

 世界で十億人以上の人口を有する国は #中国 #インド だけです。 #BRICS にはこの二国の他に、資源国の #ロシア #ブラジル #南アフリカ #イラン #サウジアラビア #UAE などの国が参加しており、これらの国々が、脱ドルを掲げて2024年中にBRICS PAYを稼働させようとしている現状は、前述の米国外で使用されている米ドルの過半数が不要になる可能性があります。

Saudi Arabia, Iran among six nations invited to join BRICS

 つまり、これまでの経済の常識では予測不能な、米ドルの暴落が発生する可能性が極めて高く、基軸通貨としての地位を失った米国が、世界経済を支配できるのは、2024年末まででも何の不思議もありません。

米ドルの価値が下がる要因

需要の減少:BRICS諸国がドル決済を停止すると、国際取引でのドルの需要が大幅に減少します。これは、米ドルの需要が供給を下回ることを意味し、結果としてドルの価値が下がる要因となります。多くの国が米ドルを避け、他の通貨や新たな決済システムを利用することで、米ドルの国際的な地位が低下します​ (US Inflation Calculator)​​ (J.P. Morgan)​。

経済的・政治的影響: #ドル離れ が進行する中で、米国経済やその金融政策への信頼が低下する可能性があります。これは、米ドルの価値に対する市場の信頼を揺るがし、さらなる下落を引き起こす可能性があります。

 世界中が米ドルから逃げ出している現象は、日本以外の国が米国債を大量に売り浴びせていることからも明らかです。米国債を大量保有したままなのは、世界中探しても日本だけであり、米ドルの崩壊とともに日本経済が崩壊するのも時間の問題です。

US Treasury Bonds Holders – January 2024

つづく…

#武智倫太郎

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