【連載小説】「緑にゆれる」Vol.7 第一章
夕ごはんも食べていって、と言われて、そのまま夜までごちそうになった。
「ランチの残りで申し訳ないですけど」
彩りよく配膳されたひよこ豆のカレーと、トマトと小えびのマリネサラダが出てきた。
「ん、おいしい」
昔は、カツカレーばかり食べていたけど、カレーの趣味も変わった。
息子の圭は、美晴の隣で黙々とカレーを口に運んでいた。伏し目がちで、ほとんどこちらを見ない。カケルさんは、お母さんの古い友達なのよ、という美晴の言葉も、あまり彼を安心させなかったようだ。
けれど、