見出し画像

プロダクトを進化させるユーザーインタビューの心得5つ

ユーザーの声を反映して製品をアップデートしているACPでは、多いときは月に10名ものお客様にインタビューを実施しています。

より良いアップデートのためには、お客様に何を聞くかだけでなく、どうその意見を捉えるかが非常に重要だと思っています。

そこで今日は、ACPがユーザーインタビューで気をつけている5つのことをお話します。

1.「増えてほしい事例」からヒアリングする

ACPでは大きく分けて二つ、

1)特定セグメントを理解したい
2)新施策の振り返り

のどちらかをゴールにしたユーザーインタビューが多く、いずれも今後さらに増やしたい事例にあてはまるお客様にお話を聞くようにしています。

直接お話を伺うからこそ、使ってくれない理由・やめた理由を聞きたくなりますが、多様な失敗要因にとらわれるよりも、自分たちが今後増やしたいお客様を中心にインタビューしたほうが、具体的な改善ポイントを見つけやすいと考えています。

また、「特定の条件に当てはまるお客様に共通する特徴なのか、その方個人の意見なのか」を取り違えないためにも、複数のお客様に、ライフスタイルやSNSの利用状況など、ブランドには直接関係ない背景も深堀りして伺うようにしています。

2.オープン・クエスチョンを使い分ける

あえて「なんでもいいから感想を教えて下さい」と質問することがあります。オープン・クエスチョンとして聞くことで、最初に出たそのお客様の一番強い印象を引き出すことができるためです。

インタビュー項目は用意しながらも、普段お客様が思っていることをより引き出すことをゴールに、質問順も反応を見ながら入れ替えるようにしています。

3.「中の人」になりすぎない

ACPでは、インタビュアーの部署や担当を、お客様から聞かれない限りお話しないようにしています。

というのは、担当社員の部署を知ってしまうと、お客様がその分野の感想がいいづらくなるといった心理的障壁がでてくるため。

マーケ担当の社員がヒアリングしていると、お客様は広告への率直な意見が言いづらくなるなど、本来の声を拾えなくなってしまいます。

お客様が先入観を持たず、フラットに話せる状況づくりが重要だと思うので、インタビュアーはアイスブレイクでも「この製品は○○な方に好評だった」など前情報や感想も言わないよう気をつけています。

4.事実と解釈をわける

特に新規施策のユーザーインタビューでは「どう思うか」とともに「なぜそう思ったのか」のインサイトを理解することを重視しています。

ただ、「なぜ」という質問は、お客様自身も理由がはっきりわかっていない場合に無理やり答えを作り出してしまう場合もあります。

そこで、誘導尋問とならないようまずは「事実ベースの質問」(どの製品を使っているか、どこで買ったかなど)を思い出していただきます。

これらの事実を集めることで、客観的にお客様の発言意図を解釈しやすくなるためです。

その後「製品を知ったときの印象」「製品を使ってどう思ったか」というお客様の主観的な解釈を聞く質問で深堀りしていきます。

しかし、主観を交えた回答は、100%お客様の言いたいことが含まれているとは限りません。本人も自覚していない意見をブランド側がさらに理解するためにも、最初の事実ベースの回答が重要となります。

5.生の声をメンバー全員で聞く

もうひとつ、お客様が言語化できなかった思いを汲み取るために、メンバー全員でリアルタイムもしくは録画で生のお客様の声を聞くようにしています。

議事録の「使ってみたら翌朝の肌の乾燥を感じなくてよかった」という情報も、お客様の話し方や声のトーンによって、どれくらい製品にメリットを感じていたかより正確に推し量ることができるためです。

さらにメンバー全員の共通認識として、言葉以外の情報を共有することで、実際のお客様のイメージや製品アップデートについて議論がしやすくなると思っています。

ユーザーの声とともに進化していくACPは、ユーザーインタビューで出た言葉をそのまま反映するのではなく、その裏の言葉にできなかった本人の動機や本音を汲み取り、プロの視点で製品に落とし込んでこそ、本当に求められているアップデートが実現できると考えています。

より良い方法がないか日々模索中ですが、少しでも参考になりましたら嬉しいです。

実際のユーザーインタビューを記事化したシリーズも合わせてどうぞ!

今では当たり前になりつつありますが、コロナの影響でオンラインインタビュー実施が増えたときには「オンラインインタビューのための事前準備」も投稿しました。

アジャイル コスメティクス プロジェクトとは
アジャイル コスメティクス プロジェクトは「天然由来成分」の持つ「豊かな有効性」を最大限引き出しながら、製品の「官能性」を追求するスキンケアブランドであり、購入者の意見を取り入れ、製品を迅速に進化させていくプロジェクトです。

このnoteでは私たちのプロダクトに込められたストーリーや、自分の肌が心地よくあるためのヒントをお届けしていきます。

いいなと思ったらスキ&フォローお願いします!

■自己紹介記事はこちら




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?