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最近読んだ本3冊+α

『最近読んだ本』というタイトルは何回もつけています。大体2~3冊になりがちでタイトル被りをしているので、ちょっと変えました。というか、書くことがあったのでこうしました。


文藝 2023年夏季号

『幽玄F』という作品の中で天才の定義について書かれていて、何回か読み直しました。

なにかを追い求めるのではなく、つねになにかにおびき寄せられ、なにかに絞めつけられているような人間、それこそが天才だった。

文藝2023夏季号 『幽玄F』p150

天才と聞けば、本当に何でもすぐにできる人や自分の興味のままやっていたら天才と言われてたみたいな人をイメージします。

全然違う意味で説明されるのは何か新鮮でした。


企業戦略とアート

以前もアート関連の本(『教養としてのアート 投資としてのアート』)を読んでもう少し知りたくなったので読みました。

前回読んだ本と同じく、日本のアートは遅れているというのは変わらずでした。前回の本は2019年発行で、今回のは2023年発行と4年程経っていますが、世界的な認識は変わらなさそうです(同じ著者ではないのて一概にそうとは言えないかも知れませんが)。

・海外教育と日本の教育の違い。日本のアートと言えばひたすら創作というイメージだが、海外はとにかく対話するそうで自分の言葉で作品を説明をするようか講義が多い。

・アートが日常的にある。日本でアートを見る機会と言えば、「△△美術館で〇〇展が開催されます!」というイベントとして行くことが多いが、世界的には常設展示を見に行く。イベントがなければ特に美術館に用事がない日本とイベントに関わらず日常的に美術館に足を運ぶ海外とでは、アートとの距離が違う。ちなみに日本のイベントとしての美術館訪問は世界でもトップクラス。

・ラグジュアリーブランドとアートの関係。文化に貢献し信頼度を得て、アートに関心のある富裕層、消費者の支持を勝ち取るため。海外ではこういった認識だが、日本の企業はアートを事業ではなく、文化支援と考えている。採算が採れるか分からないものとして捉えている。アートを会社として提案する時には、海外の同業他社に目を向ける。日本で例を探してもそもそも取り組んている所が少ない。

・アートを見ることは価値観の先取り、自分が気づかない盲点、世の中の本質的な課題を映す。

これがアートの価値として自分としてもしっくり来ました。資産とか、何となく良いからというのも大切かもしれませんが、そのアートが何を表しているのかを知り、それがよく表れているものを買うのがいいのかなって思いました。


池上彰の「世界そこからですか!?」

それなりに世界のニュースを読んでいて、より視点を深めるために読みました。けれども、全然知らないことが多かったです。それ以上に世界には目を向けていたけれども、足元の日本は全然見ていなんだなと思いました。

・ウクライナ問題に関して、ロシアとアメリカの代理戦争というのは個人的に新しい見方でした。ロシアが不凍湖を欲しがっている、ロシアとウクライナは元々同じ民族だから一緒になるべきだ!というのが、戦争の理由だと思っていましたが、あくまでもロシア側の理由であって違うんだなと。

・中国がなぜ台湾にこだわるのかというのはただの領土問題ではなく、毛沢東が成し遂げられなかった悲願を叶えるという目的があることを知りました。

・IPEF(インド太平洋経済枠組み)。何となく聞いたことあるような名前ですが、ぼやっと分かりました。アメリカのバイデン大統領が作ったもので、中国抜きの経済圏を作ろうというもの。という認識です。協定とか連携は他にもありますが、どれも中国が関与しているので、それ抜きの仕組みを作ろうというのが狙いです。ですが、結構ゆるゆるなもののようです。

この本を読む前に知っていたことで言うと、北欧のNATOの加入申請。ウクライナが攻撃されたことで、これまでロシアを刺激しないようにしていましたが、自国もどうなるか分からないので加入申請をした。この申請に待ったをかけているのがトルコで、トルコ国内で独立運動をしているクルド人を2カ国共がかばっていることを理由に反対している。この本によるとこの反対理由の裏にはトルコとロシアの結びつきが強く、安易にNATOに協力するとロシアからどう思われるか分からないという理由もあるそうです。

後は、イスラエルとパレスチナの紛争の発端。何となくくらいしか分かっていないのですが、感覚的に似たようなことが書いているような気がしました。

分からないなと思った所は、冒頭にも書いた日本の話とドイツ・イギリスの話です。
日本の話は為替のコントロール的な所と自民党内の派閥的な所がどうもしっくり来ません。
ドイツ・イギリスに関しては、メルケル首相が辞めたこと、ついにイギリスがEUから離脱したことくらいでよくわからないなと。

面白かったのは、特別対談のマイケル・サンデルさんのコラムで、和訳の本を読んでみようと思いました。


アートが変える社会と経済

『企業戦略とアート』と同じく、アート関連の本の一環として読みました。

この本はアートについて書かれているものの、これから来るであろうweb3やブロックチェーンについてが大半を占めていたように感じました。

これまでに読んだアート関連の本と同様にオークションと言えば、クリスティーズとサザビーズ。ギャラリーはプライマリーとセカンダリーがある。というようなアート業界では当たり前であろうことは書いてあったので、これらはまず間違いないなと思いました。『企業戦略とアート』で書いてあったように、アートは富裕層が買うものというイメージというのはこの本からも多く感じました。


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