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詩の集まりみたいなもの

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詩、詩みたいなものをまとめてみました。
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#自由律俳句

【詩】 束の間

【詩】 束の間

束の間の休息をしに訪れた寒さは

迷いのない空気を纏いつくし

立ち返りもせず 進みもせず

意識のあちこちに住み着いていく

揺れ動く季節のように

かけ離れていきながら

惑わすように記憶を暖める

自分の瞼を閉じてみると

いつしか謎めいた言葉使いに行き着いた

それは自分自身に届いた声なのか

決して分かち望み至った決心で

あふれんばかりの痩せ我慢なのか

寒さは

叙情的に自らを揺り動

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【詩的なもの】 日々日々

【詩的なもの】 日々日々

起きる    寝る
目を開ける  目を瞑る
手を動かす  足を動かす
身体を動かす 活動する

仕事に行く  学校に行く
通勤する   通学する
仕事する   勉強する
仕事が終る  学校が終る

上を見る   空は青い
下を見る   草花が芽吹く
前を見る   全てが広がる
後ろを見る  何かに気付く

嬉しい    悲しい
寂しい    楽しい
悔しい    優しい
暑い     寒い

当た

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【詩的なもの】 一輪の花

【詩的なもの】 一輪の花

壁に飾られた一輪の花

静かで
小さくて
騒々しくて
大きくて

目をつむれば

さざめいて
ゆれていて
華やいで
香り立ち

見事なまでの孤独

その宇宙は

造形的で
創作的で
自然的で
神秘的で

どこか煽情的で

果てしなく雄弁だ

遠くを見るように
近くを見守る

壁に飾られた一輪の花

今日も
明るく
潤んで
ひっそりと
うつむく

【詩的なもの】 遠雷

【詩的なもの】 遠雷

遠くできらつく音響が響きわたる

天空の隆々たる脈の鼓動
   蒼い残影がほとばしる

何だ 何かが起こるのか?

見ると光と大地に映し込み
  美のコントラストが胸を締め付ける

見れば見るほど鮮やかで
  滑らかな光芒の曲線を描き重ねていく

まるで自分を包み込む一閃の高鳴りが
閃光のように今を研ぎ澄ましていく

このまま心を打ち抜くように……

おやっ

何だっ

単なる稲妻か…

遠くの方

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【詩的なもの】旅路のあとに

【詩的なもの】旅路のあとに

天秤のゆらぎが心地よく
軽やかに
流れ
はぜり
跳ぶように前を向く

創造の糸とたおやかに
結び結ばれ
瞬くように未知を問う

花束達は飾り気なく装い
渇きを潤い飲み干し
華麗な韻と律を生む

陽炎の香りに酔いしれて
行き場を失う蜃気楼達
雲間に望む一筋の四季の詩

うつろいの満ち欠けとしつらえる
一筋のしずく

天秤のゆらぎは変わらずに
確実に
しっかり
きっかり
真摯に前を向く

【詩的なもの】編む

【詩的なもの】編む

遠くの残像
ゆっくりと
深く
掘り起こす

冷たいぬくもり
そっと
忘れずに
手繰り寄る

魂のカケラ
ザラッと
つまんで
縫い合わす

何処を向いても
明日に夢中

視点を変えても
溶け合わない

乾いた記憶

目映えの季節

風との道しるべ

あたたかな温もり
やっと
大事に
引き寄せる

【詩的なもの】ハーモニー

【詩的なもの】ハーモニー

ギターを弾いてみよう
何も難しい事は考えないで
かき鳴らしてみるだけでも良いんだ
その喜びが自分を作っていくんだから

音色に乗せて声も奏でてみよう
細かい事は気にすんな
音色と声の和音が君なんだ
君の勇気が祝祭の入り口だから声を上げて奏でてみよう

まだ見ぬ自分を歓迎してあげよう
そんな君を君が見つけて欲しいから
今出来うる限りの自分で奏でるんだ
きっと君に君自身と人が喝采の声を上げるだろう

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