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読書感想

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読書感想記事。本マガジンが初出のものもあれば、別途運営しているブログ「モーション・グリーン」で更新した記事から派生したものの場合もあり。
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#読書日記

文喫の日、そして映画の日。要するに六本木の日。

文喫の日、そして映画の日。要するに六本木の日。

これまで約1ヶ月更新してた読書日記をいったんやめて、普通の日記を書いてみることにした。

完全に『読書の日記』(阿久津隆著)の影響だ。

電話帳ばりの分厚さとは裏腹に、日によって違う文量。それでいてどこか情景が目に浮かぶ。

読書の記録でありながら、にじみ出る生活感がたまらない。

この更新も、そうありたい。

この日は朝から文喫へ。

『吹けよ風 呼べよ嵐』(文庫版)読了直前まで進んだところで到

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【大水滸伝】チンギス紀 第三回

【大水滸伝】チンギス紀 第三回

「チンギス紀 第三回(小説すばる 2017年 07 月号 )」2017/6/17
北方謙三 (著)
初読:2017/6/17

まず、地図が入っていて驚いた第三回。

御大の文章は本人目線・本人感覚で描かれているので、本人がさして大きな移動と考えていなければ、(たとえ現代感覚でいけば大移動だとしても)さらっと描写されるだけで終わるから距離感がつかめないこと多いもんなあ(笑)

地図のおかけで距離や

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2017年の大河ドラマ連動本はひと味違う!「井伊直虎と戦国の女100人」

2017年の大河ドラマ連動本はひと味違う!「井伊直虎と戦国の女100人」

聞くところによると、ここのところの大河ドラマは(主役が)男女交互になっているらしい。

一昨年は花燃ゆ、その前の年は江。

なるほど確かに。

だからだろうか。大河ドラマに連動して、その時代や人物に関連した書籍が発売する中で、いわゆる「女性本」は(大河ドラマ)女性主演の年には多く見かける気がする。

そして決まって出てくるワードは「女性は我々が思っている以上に活躍していた」

今年は戦国時代が舞台

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『井沢元彦の激闘の日本史』幕末編

『井沢元彦の激闘の日本史』幕末編

井沢元彦、という人物をご存じだろうか。

日本史好きには比較的名が通っている方ではあるが、大学の教授・研究家とは違う毛色の思想・発想を持った方だ。

それが故に市民権を持っているかどうか、怪しいところなのだが・・・

この方、何がスゴイって、(いわゆる)史学家ではないにも関わらず、世の歴史好きを唸らせる視点や分析を持ち、日本史をつながりのある“歴史”として組み直して紹介・解説していることだ。

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【大水滸伝】チンギス紀 第二回

【大水滸伝】チンギス紀 第二回

「チンギス紀 第二回(小説すばる 2017年 06 月号 )」2017/5/17

北方謙三 (著)

初読:2017/5/17 

世界史に名を刻んでいるチンギス・カン。

実はそれほど詳しくはない(苦笑)その周辺メンバーは(言うまでもなく)、名前すらかすかに覚えている程度だ。

だが、この回読むと、なんとなく、コイツ重要人物なんだろうな、と思わせる者が現れる。

例えばジャムカ。

北方時代小

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【大水滸伝】チンギス紀 第一回

【大水滸伝】チンギス紀 第一回

「チンギス紀 第一回(小説すばる 2017年 05 月号 )」2017/4/17

北方謙三 (著)

初読:2017/4/20

ついに、始まった。

ということを、新聞の御大インタビューで知った。

あやうく御大の新作読み逃すところだった(汗)

しかも偶然なのか、ことごとく売っていない、この号(笑)

御大ファンが買っていったか~と勝手な想像をしながらようやく購入。

小説すばるって、3日も

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世界一やさしい成功法則の本で、ささやかな一歩を

世界一やさしい成功法則の本で、ささやかな一歩を

「ありがとうの反対はあたりまえだよ」

今読んでも胸を優しく包むようなフレーズが残る1冊。

自己啓発本は一時ものすごいブームになり、今でもマインドを鍛えたり、何かを成す際のエネルギーとして求められることは多い。本書はそれほど分厚い本ではなすぐに読破可能で、持ち歩きも便利。

すでに自己啓発本を読んできた方からすると入門的要素が多いかもしれない。物足りない可能性がある(無論大事なことが詰まっている

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日本史「常識」はウソだらけ

日本史「常識」はウソだらけ

この手の本、たくさん読んでるけど、書いてるのが加来さんならば読まずにはいられない。

本書は古代から近世(明治時代あたりまで)にかけて、従来言われてきたことや教わってきたことについて、史実や史料に基づいた検証を行っている。日本史は近年ようやく、きちんとした研究や論証が市民権を持ってきたが、各時代の庶民の生活に関する思い込みは、まだまだあることを再認識。

「江戸時代は理想的な社会」「縄文時代は貧し

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『地方別並列日本史』で横軸を養う

『地方別並列日本史』で横軸を養う

当時、歴史能力検定受講を考え、あまりボリュームのない(笑)参考書を読んでいた。タメになったかどうかわからないが結局2級は合格。しかし1級の壁は厚く足踏みをしながら現在に至る。

1級合格できていない身ではあるが、丸暗記より意識したいのは同時期の出来事だ。歴史的横軸と勝手に言っているがこれがわかると試験に強くなる。試験のためでなくても、本書はその歴史的横軸がイメージできるようになるためにうってつけの

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