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難波麻人
2024年9月4日 15:53
会計を手をした店員がこちらのテーブルに向かう姿を見てほっとした。 面倒な会社の飲み会がある度に、このくだらない会話がいつまで続くのだろうと辟易する。「よし、明日休みだからもう一軒行くか!」 明日の予定が入ってる日に限って苦手な上司から誘われる。 わざとなのか無自覚なのか、この人が発する声のトーンや大きさにはどこか断りづらい雰囲気があった。「もし酔ってはぐれたらここに集合な」
2024年8月28日 23:02
「あれ?あんたもう帰ってきたんね。明日の午後や言うてたのに」「うん。講義が休講になったから、友達も昨日から帰省してるし」「そうね。お父さんは朝から山入ってて、よう子はいつもの川で遊んでるから迎え行ってあげてくれん」 大学の夏休みで久しぶりに帰ってきた実家は、あっけらかんとするほどいつも通りで、照りつける日差しも、忙しなく鳴き続ける蝉の声も、なぜか東京にあるエアコンの効いた 部屋よりも心