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青森県でホームレスになった話 5

どうも、ひかりちゃんです

パチンコ店を退店した後
再び、現実に引き戻された気がした。

日中であれば、陽の光

陽が暮れたとしても先ほどのように
パチンコ店のような人工的な光に包まれるし

通行人や
パチンコ店の店員、利用客

言葉は交わさないにしても

視界に人が写る

それだけでも随分と安心できる。

しかし、今からの時間は
パチンコ店はもちろん、近くの
飲食店や民家の灯りは次第に消えて

町を照らすのは僅かな光になる。

それに加えて先の分からない
自分が今、置かれている状況

昨日とは比べものにならないほどの
不安と恐怖、絶望感が襲った。

1人旅を開始して以降
寛げるスペースでの睡眠は無く
身体的疲労は随分と溜まってたと思う。

そして、ある程度回復したとは言え
やはりリュックを紛失したことでの
精神的疲労も確実に溜まっており

すっかり憔悴しきっていました。

唯一の頼みの綱である
梨花ちゃん(仮名)からはまだ
折り返しの連絡はなく

時間が進むごとに
負の感情が強く増していきました。

時間だけは余るほどあったので

日中に立ち寄った
海沿いまで再び舞い戻り、そこで

ちょっとした公園のような
ある程度、綺麗にコンクリートで
舗装された人目のつかない場所を見つけた

先の不安はもちろんのこと

今、今日、この夜をどう過ごすか。

それを考えるだけでも憂鬱になった。

朝まで、充電は持つと見越して
気晴らしにスマホで音楽を聴いてみたり

アルバムの写真を見返したりして

有り余った時間を少しでも早く感じれる
ようにと思ったが、想像以上に
時間の経過が遅く、一通り暇を潰しても

10分、長くても30分程度しか経過しない。

日付が変わるあたりのタイミングで

ようやく、待ち焦がれていた
梨花ちゃん(仮名)から着信が入った。

どうやらかなり心配してくれてた様で

飛行機や電車、バス等の手段を見つけ
関東へ帰れる方法を探してくれており

東京までの夜行バスを手配してくれる

ということで話が落ち着いたが
バスの予約が受付可能なのが3日後

日付が変わっていたので

今日、今を合わせて、後3回は
夜を越さないといけない。

必死になって帰る方法を
探してくれた梨花ちゃん(仮名)の
好意に甘えて、予約を取ってもらうことに。

帰る方法が見つかり、その後しばらく

穏やかな談笑を交わして
今後のことについてお互いに逐一
連絡を取り合うよう約束して電話を終えた。

無事、家に帰れるという喜びもあったが

心の何処かで

次の日中にはどうにか帰れるだろうと

淡い期待を抱いており

見事にその期待が打ち砕かれ

後3日間

寝る場所も、食べるものも
風呂も、梨花ちゃん(仮名)に会うことも

出来ないという歯痒さと絶望に襲われた。

そして悔しさ、不甲斐なさ、惨めさ
色々な感情が込み上げてきて涙が流れた。

自分が泣いている。と認識すると
余計に涙が止まらなくなり

最終的に、声を張り上げて号泣した。

泣いたところでどうにもならないし
元はと言えば、全て自分が撒いた種が
このような結果を招いている。

自業自得の状況を理解しているつもりだが

涙が、涙を呼び、ひたすら泣き喚いた。

周りには人もいないし民間もない

小さな公園のような場所で
ポツリと外灯に照らされながら

気の済むまで感情の赴くままに任せて。

一頻り泣き喚た後、ようやく涙も止まり
ぼやっとする頭のまま歩くことにした。

そして

港の、そこそこ広い駐車場に辿り付き

あたりに人気がないこと
夜中でも人の出入りがなさそうなことを
確認して、車高の高いトラックを見つけ

夜の間を凌ぐ為、少しでも眠る為
できれば人に見つからない為に

トラックの下に潜り込み寝ることにした。

それではまた次回

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