ザクロ

私の言葉。私の気持ち。

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最近の記事

空飛ぶ梅の花

空を飛んでみたい。昔からそう思っていた。 みんな私に嘘ついているだけで、本当は雲に乗って飛び跳ねることもできるんじゃないの、とも。 いつからか、誰に教えられたわけでもなく空は飛べないとわかっていた。 その時、私は大人になってしまったのだと気づいた。 でも私は子供でいたい。 いろんなものを見て、かわいいね。綺麗だね。と思える子供の心は忘れないでいたい、と思う。 近くの道路の脇に立派に立っている梅の木が見事な花を咲かせた。 どっしりと地面に根っこを張り巡らせる桜の木も好きだ

    • 死にたがりの君へ

      ある日、いつかの君へ手紙を書こうと思った。 過去の君、今の君、未来の君。どんな表情をしているのかな。 パソコンの前に座っていざ書こうと思うと指が止まってしまうので、 一旦手書きで書こうとペンと紙を取り出した。 最初はスラスラとペンを走らせられたが、しばらく書いたところでペンは止まっていた。 ヤケクソになって私は紙をぐしゃぐしゃに丸めた。でも何か書きたいので、こうしてまたパソコンの前に座っている。 私は私のことが嫌いだ。 根性も勇気もなくて、すぐ諦める。やりたくないことはや

      • 強がった、ダサい自分。

        ちょっといいなあと思っていた人に「都合のいい女にはならないで。」と言われた。強がって「うん、なんとも思ってないよ。私もあなたに好意はないよ。」と言ってしまった。 ああ、自分ダサい。 ご飯行ってお酒飲んでカラオケ行って、気づいたらキスしてて手を繋いで帰って。こんなので舞い上がっていた自分がダサい。 わかってたよ、全部。私にその気なんてないこと。私もそうだったよ。あなたに好意なんてなかったよ。 だけど、 今日の夜ご飯何? ちゃんと髪の毛乾かした? おやすみ。 なんてLIN

        • 恵方巻きと猫

          恵方巻きを買いに普段あまり行かないスーパーマーケットに行った。 数種類の美味しそうな恵方巻きが並んでいて、これとそれにするか?いやでもあっちの方が美味しそうだしと数分悩み、結局無難なのを2本とキンパを1本、カゴに入れた。 他にも必要な食材をカゴに入れ、初めて使うPayPayに少しドキドキしながら会計を終え、店を後にする。 店を出てすぐ目の前にある昔から変わってない古民家に少しホッとし、 長い坂を下る。昔とすっかり変わった家が並ぶ道に少し寂しさを感じた。 しばらくくだると神社

        空飛ぶ梅の花

          過去、今、未来

          おひさしぶりです。 気がついたらクリスマスも大晦日もお正月も終わっていました。 (メリークリスマス。良いお年を。新年あけましておめでとうございます。笑) やっと就職も決まって、心の余裕もできて、道の真ん中に堂々と立ってても良いのではないかと思い、堂々と立たせていただきます。いろいろ脈絡もないかもだけど、色々振り返っていこうかな。 2022年は改めて自分のことについてめっちゃ考えた年でした。 自分のやりたいこととか未来とか存在意義とか…。 ご覧の通り、私は色々ネチネチ考え

          過去、今、未来

          コーヒーはもう冷めていて

          私はコーヒーがあまり得意ではない。(ミルクコーヒーは何とかだけどブラックなんてもってのほか) だけど、たまに見栄を張って私の手には大きすぎるマグカップにコーヒーを入れる日がある。もちろんブラックではなく、ミルクと少しの砂糖入り。 コーヒーの苦味にまだ慣れず、やっぱりコーヒー入れなきゃよかったと思うけど、ミルクと混ざって薄まった茶色いその見栄を無かったことにしたくて、私は胃に流し込む。 やっぱり無理だ、と私はマグカップを机の上に置いた。 コーヒ

          コーヒーはもう冷めていて

          本職?人間だ。【展覧会 岡本太郎】

          肌寒い日が続く中、暖かい風が吹いていた日に東京都美術館にて行われている岡本太郎展に行ってきた。 暖かい日の思い出を忘れたくないので ここに残していこうと思う。 岡本太郎と言えば、太陽の塔などの彫刻やきつめの原色で描かれる不思議な世界観の絵画が有名。 印象に残ったものや、いいなと思ったものをゆるゆると紹介していきます 「愛」という彫刻。 第一印象は「え、これが愛??」 愛、といえば真っ二つになったハートのようになにか対称のものが合わさって出来上がるイメージがある。 だけど

          本職?人間だ。【展覧会 岡本太郎】

          こんなに悲しくなるなら

          夜空は曇り。 月も星も見えない。 性格的なあれなのかメンタル的なあれなのかは判断できないが、最近、夜、悲しくなる。 この世界でこんなに悲しいのは私だけだとか、私はひとりぼっちの夜をひとりぼっちで過ごすんだとか、悲しいことが頭の中でぐるぐる回り出して、頭の中から消えてくれなくなる。これが苦しい。 そんなことないよ、ってもう1人の私が悲しんでる私に言うのだけれど、悲しいのだからそんな言葉なんて頭に入ってこない。困った。 わけもわからず、ただ悲しいという気持ちに支配されてる時

          こんなに悲しくなるなら

          明日こそ

          過去に戻れないことなんて、違う誰かになれないことなんて、そんなの当たり前である。分かりきってる。 だけど、自分の弱さを認めたくなくて見えない明日に縋ってしまう。 明日こそ笑っていよう。 明日こそ人にやさしくいよう。 明日こそ私を愛でてあげよう。 明日こそ明日こそ明日こそ そうやって明日に縋るのも疲れた。 このまま私は明日を生きていくんだろう。 明日が無くなって空から地球を見下ろすことになったら私はきっと万歳をするだろう。 ぴょんぴょんうさぎのように跳ねるだろう。 明日は

          明日こそ

          日常

          僅かな期間にしか咲かない金木犀 朝方輝く月 隣の家から聞こえてくるピアノ 目玉焼きの匂い 柔らかな布団 私を楽しませてくれる本 好きな人が鳴らすギター いつまでも聴いていられる歌声 風に揺られて踊る洗濯物 鉛筆で文章を書く音 静かな朝に笑うあなた 「ありがとう」という言葉

          あなたの四角、私の四角

          同じ四角でも 大きさや歪み、辺の長さなどが違えば 全く違うものになる。そうだと決めてしまう。 人でも、気持ちでもそうだ。 「自分」がそうだと決めつけてしまえば それとしか見れなくなってしまう。 そうなってしまうと、「自分の本当の気持ち」すら分からなくなってしまうのではないか。 「自分の本当の気持ち」を自分が気づいてあげられなかったら 誰が気づいてあげるんだ。自分しかいないのに。 私は、いつか自分の四角から 出ていきたいと思っている。 自分を愛でてあげたいと思っている。

          あなたの四角、私の四角

          リスカの傷を舐め合う

          (あまり明るい話では無いので、苦手な人は回れ右です) 最近、手首を切ってしまいます。 悩みは掘れば掘るほど出てきて尽きないし、その悩みがなんなのか、自分でもハッキリ分かってます。 その悩みを解決できるくらい私は強いのか? これからずっと私で居られるのか? と、思うとその悩みの紐を解くことが怖くて何も出来なくなってしまいます。 夜、ベッドに入るとまずカッターを手にして。 傷はそんなに深くありません。 私はチキンなので勢いよく、なんて出来ません。 少し力を込めてシュッとす

          リスカの傷を舐め合う

          ピアスで羽化した日

          2年前の春、高校を卒業してすぐピアスを開けた。 卒業式を終え、そのまま学校の近くのショッピングモールのフードコートで友達と開け合った。 両耳たぶにひとつずつ。 パチンとピアッサーで開けた瞬間、羽化する蝉の気持ちがわかったような気がした(気がしただけ!笑) 今ではピアスは、両耳計9個開いている。 学生の頃の私は割と「良い子」だったと思う。 テストの点数が良かった訳では無い。勉強は嫌いだ。提出物だってよく提出日をすぎては出していた。 だけど、怒られないように、人に迷惑をかけ

          ピアスで羽化した日

          【読書感想文】100万回生きたねこ

          小さい頃、押し入れにしまわれているのを見つけ、引っ張り出して読んだ。 まだ小さかったということもあり、100万回生きられることの意味が分からず、最後の方には飽きてしまい絵本を閉じてしまっていた記憶がある。 どうにか自分なりにお話を噛み砕こうとしたが、やっぱり100万回生きられる意味が分からず、あまりおもろしくない絵本、となっていた。 ふと、その思い出が蘇り、今読まなければならないと胸がざわついた。 再び押し入れの中から引っ張りだした。 なにもかも嫌いだったねこが、白いねこ

          【読書感想文】100万回生きたねこ

          はじめまして、今宵の月。

          今日の夜は白く濁っていて、月も星もすっかり隠れて心做しか明るい気がする。 私は必ず寝る前に月を見るようにしている。 特に見ないといけない理由はない。 ただなんとなく、今日の月はどこにいるのか、どんな形なのか、どんな色なのかを把握しておきたいのだ。 月をピントの合わない目で観察し、落ち着くと眠りにつく。(今は暑いから扇風機もセットしないとね。) 月はいつも私を見守ってくれていると思う。 毎日位置を変えたり形をかえたりしているけど、月がいなくなることは無いことを私は知ってい

          はじめまして、今宵の月。