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本職?人間だ。【展覧会 岡本太郎】


肌寒い日が続く中、暖かい風が吹いていた日に東京都美術館にて行われている岡本太郎展に行ってきた。
暖かい日の思い出を忘れたくないので
ここに残していこうと思う。

東京都美術館 岡本太郎展

岡本太郎と言えば、太陽の塔などの彫刻やきつめの原色で描かれる不思議な世界観の絵画が有名。

印象に残ったものや、いいなと思ったものをゆるゆると紹介していきます

「愛」という彫刻。
第一印象は「え、これが愛??」
愛、といえば真っ二つになったハートのようになにか対称のものが合わさって出来上がるイメージがある。
だけど、これはどんなにくっつけようとしても噛み合うことは無いような形状をしている。
左側のトゲトゲ、右側のモコモコ。
右側のモコモコが柔らかいものと仮定すると、どんなにトゲトゲと尖ってるものも包みこめるのかもしれない、それが愛なのかもしれない、と思った。

傷ましき腕

この絵を見た瞬間、忘れてはならないと思った。
私の勝手なイメージだが、芸術家というのはいつも素晴らしい作品を生み出し自分の理想のままに生きていると思っている。
その考えがこの絵を見た瞬間かち割られた。
そうじゃないんだ!!という叫びが真っ赤なリボンから伸びる右腕のえぐられた傷から聞こえてくるようだった。
解説にも、「パリにおける異邦人としての気楽さと寄る辺なさ、芸術表現への自信と不安といった青春の苦悩が、拳を握る傷ついた腕として表されている」とある。
私の腕にある傷もこれからゆっくり時間かけて、自信に変わっていったらいいなと思う。

雷人

岡本太郎の最後の作品「雷人」
完成を迎えることは無かった。

岡本太郎の作品は大きな目は真っ黒に塗り潰されている。しかしこの絵は塗り潰されていない。
岡本太郎は真っ黒に塗り潰すつもりだったのだろうか。私はこのまま黄みのかった白い目でいて欲しいとワガママなことを思っている。

私は絵は描けない。
芸術のセンスなんて微塵もない。
だけど、様々なものを見て美しいと思える心を持ててよかったと思う。

もちろん、沢山の作品の中、これはどういうことなのか考えても分からなかったものもあった。
展覧会を周り終える頃には全てわかったような気でいたけど、そんなことないんだなと思った。
世の中の全部分かることなんて有り得ないし、
芸術は分からなくてもいいんだと思った。


『今日の芸術』
今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはいけない。
ここちよくあってはいけない。



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