蓼川

蓼食う虫も好きずき。

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  • ぼくのほそ道

    旅の日記

  • 餃子放浪記

最近の記事

あの娘とおなじ目ん玉になりたい

久々にドンキホーテに行った。 溢れかえらんばかりの商品。商品。商品。 店に入った瞬間から挑まれている感じがする。 さぁ、テメーの欲しいものを探せ!!コスメでも充電器でも菓子でもコスプレでもなんでもあるぜ!!買え!!と。 サンリオグッズとアダルトグッズがのれん一枚へだてて同じ場所で息をしている。この緩急がドンキホーテをドンキホーテたらしめる重要な点であると再認識する。 カラコン売り場に行く。 ツラの良い女の顔が、実寸の2倍くらいの大きさに引き伸ばされていくつも貼られてい

    • 意中のギャル

      2年ほど前から通っている脱毛サロンに、生粋のギャルがいる。 はじめは素っ裸で閃光を照射する/されるだけの仲だったのだが、会話を重ねるごとに、おたがい「自分とは遠い惑星に住むおもしれー女」として好奇心が沸き、仲良くなっていった。 そんなギャルと、半年前からご近所さんになった。 家が近いということもあり、照射をともなわずに会うことが増えた。そして、会うたびに彼女のことをめちゃくちゃ好きになっている自分がいる。彼女自身の放つ閃光に心を鷲掴みにされてしまったのだ。 この気持ち

      • そうじゃない

        「神の導きによって二人は出会いました」 あたたかな祝福につつまれた式場。 教会に柔らかく響く牧師の言葉に耳を澄ませる。 私の「教会で挙式する可能性」はゼロになった。 私は宗教の自由を尊重する。 だからこそ、牧師の言葉が受け入れられなかった。 私にとっての"現在"は、自身の小さな選択の積み重ねによるものであって、神を含む他者に導かれたものではない。人との出会いは気まぐれだと言うが、ひとつずつ巻き戻せば、その人に出会うまでに大小さまざまな選択のタイミングがあって、どちらにす

        • 自慢話とメシのうまさについて

          「今日はメシがうまいなぁ」 よい気分になっている時、そのように感じることがあります。そして、そのよい気分というのは大抵、成功への陶酔に起因します。 一方で、 「うまいメシもまずいや」 そう感じる機会に出くわしたことはないでしょうか。振り返ってみると、それは他人の興味の無い話、殊に自慢話を聞かされている時に起因することが多いようです。 おや、どうやら自慢話とメシのうまさには相関関係があるようです。 そこで、自慢話のプロaudienceとしてこの相関関係を図化してみました

        あの娘とおなじ目ん玉になりたい

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          ゴム人間はつらいよ

          数年お世話になっている美容師Oさん。 彼の前でのみ、私は「ゴム人間」ということになっている。 きっかけは「羽生結弦ゴム人間疑惑」だった。 ある日、髪を切りながらOさんが私にこう語った。 「最近、陰謀論者の女性が来店したんですよ。彼女の話によると、有名な政治家やアーティスト、スポーツ選手にこの頃"ゴム人間"が紛れ込んでいるらしい。例えば羽生結弦選手。彼の美しい回転をよく見ると首のあたりが遠心力でたわんでしまっている。だから彼もゴム人間なんだとか。」 この手の話はどうし

          ゴム人間はつらいよ

          がんばらないけど温かい町、酒田

          往年の「なんとなく」なんとなく酒田に行ってみたいと思っていた。なんとなくだけど何年もそう思っていた。でも、なんとなくだから酒田に何があるのかはずっと知らずにいた。 19歳の夏休み、ふと見かけた青春18きっぷのポスターをきっかけに猛烈に五能線に乗ってみたくなり、特急を乗り継いで新潟から青森まで行こうとした。結局、お金がなくてその旅は夢半ばになってしまったのだけれど、それゆえに、何度もたどった路線図のひとつひとつの駅や特急の名前が、遠いまぼろしとなって脳内のあこがれフォルダに記

          がんばらないけど温かい町、酒田

          本気の夏休み

          一瞬で梅雨が過ぎ、茹だるような暑さにへろへろになっていたところでまた梅雨がやってきた。 人間が天気に対してあまりに文句を垂れるもんだから、地球も気を遣って今年は 体験版[梅雨]を設けてみたつもりだったのだろう。そういうのはきちんとアナウンスしてほしい。有料版[梅雨]が来た時に、悲劇の梅雨リバイバルという気分にならざるを得なくなってしまうから。 それでは本編にうつります。 いま直面する「夏休み」警鐘全国の小学生たちがソワソワしだす今日この頃。 指折り数えるのは、そう、

          本気の夏休み

          小説みたいな

          帰り道、たまにやっているマルシェを通りがかった。 いつもは素通りしてしまうのだけれど、今日はちょうどそこを通過するタイミングで電話が。立ち止まって通話しながら新鮮そうな野菜やワインを眺めていたら、ちょっと寄ってみたくなった。 「ギリシャワインってどういうものなんですか?」 お店の人に聞いてみる。とても感じのよい方で、無知なわたしにギリシャの歴史から作り方まで、色々と教えてくださった。小柄で、ポニーテールがよく似合うお姉さん。せっかくなら「ギリシャワインと言えばこれ」とい

          小説みたいな

          焼餃子に癒されたい

          忘れものを受け取りに 東急線田園都市線 鷺沼駅 まで来た。自宅と真逆の方面へ、残業終わり50分の長旅。駅に着き、なんとなく久々にお店の餃子が食べたくなったので食べログで「中華料理 現在地」と検索してみた。一発目にヒットしたのは、 『佐賀餃子 ぜん』 これ以上スクロールの必要はない。時刻は19:45。まん防のおかげで時短営業の可能性が高い。餃子屋が最上位にヒットした嬉しさを胸にお店まで走った。年相応に息は切れるが足取りは軽やかだ。 佐賀の餃子とは一体どんなものだろうか。

          焼餃子に癒されたい

          複写紙をアロンアルファで全滅させる

          私がその神託のごとき衝動に駆られたのは、ほろ酔いで帰路につき、最寄駅前にあるローソンに立ち寄った時だった。 エクレアを探してスイーツコーナーに向かう途中、いつもなら通り過ぎるはずの文房具コーナーでふと足が止まる。 「複写紙をアロンアルファで駄目にしてみたい…。」 思った瞬間、全身に雷撃が走る。 興奮し、身震いせずにはいられなかった。 ファティマ第三の予言はこれだったのかもしれない。 通り過ぎるはずだった文房具コーナーで領収書とアロンアルファを手にする。エクレアとともに

          複写紙をアロンアルファで全滅させる

          餃子病

          十二月が始まると同時に、わたくしは気が狂ったように餃子を、それも水餃子ばかりを、食べております。 此の頃は、みずからの胃そのものが餃子になってしまっているような心持ちさえしてまいります。 寝ても覚めても水餃子のことばかりが気に懸かってしまいまして、床について一日を思ふ度に、アア、いけない、まるで餃子病ぢやあないの、と恥づかしく思うのです。

          餃子病

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          なんとなく絵日記をかきました。 続いたらいいけれど、 続ける気はあんまりありません。 気が向いた時だけ。 湯上がりに銭湯のでっかいテレビで笑点みて帰りました。 大喜利はたのしい。 わたしは小遊三師匠がすきです。

          エロ本屋で見つけた幸福論

          神保町のはずれ、軒先の本棚にギッシリと並んだ古本たち。 「2冊で100円」というなぐり書きのPOP。 興味を引かれて足を止め、本棚を物色していると、なんだかたいそうな名前の本を見つけた。 ショーペン・ハウアー 『幸福について-人生論-』 新潮文庫 幸福とは何か、真面目に考えたことなどなかったので読んで損は無いだろうと思い、装丁がめちゃくちゃ渋くてカッコいい夏目漱石の『こゝろ』と共に、店内のレジへ。 店に入った瞬間視界に飛び込んできたのは、艶めかしい女たち。 あと禿げたお

          エロ本屋で見つけた幸福論