死ぬことすら出来ない辛さ 36 〜訪問管理栄養指導
頭を下げて食べる介助について看護師に聞いてみると、頭を下げることにより飲み込む時に気道が塞がりやすくなっているため問題ないと言われて安心した。
お昼はこのやり方でとお願いした。
実際にやってもらったが、角度はめちゃくちゃだし、手が震えて頭が揺れるしで最悪だ。
「 下手くそ 」
「 仕方ないじゃないですか。この介助は初めてなんですから 」
「 夫も初めてだったけど上手に出来たわよ 」
「 ご主人さんはどうやって支えてました?両手でやりました? 」
「 片手でおでこを支えてたよ 」
「 真似してみますね 」
まさかの素人より下手な看護師。
でも、夫の真似をしたら安定したから良しとしよう。
介助をヘルパーさんと交代した時に腰を叩いたり伸ばしたりしている看護師。
頭は重いから支えるのは大変よね。
看護師も介護士も腰痛持ちが多いからコルセットとストレッチで耐えてね。
ヘルパーさんが今の体重はどのくらいなのかと聞いてきた。
測ってないから分からないが、食べる量が少ないから減っているかも知れない。
病院では30kgはあったと思うけど、今はどうだろうか。
食べる量が減っているため、往診医に相談した時に訪問管理栄養指導について紹介された。
管理栄養士が在宅に来て栄養指導をしてくれるらしい。
まぁ、名前通りではあるが。
体重計を持って来てくれたり、嚥下や食事も見てくれるようなのでどうするか悩んでいた。
保険外のためお金がかかるようだがそこは気にしない。
自分のためにやるべきかどうか。
看護師もヘルパーさんもやった方が良いと勧めてくれた。
今食べているもの以外にも食べられるようになれば、食べる楽しみが更に増える。
パンが好きだからパンが食べたい。
パンをそのまま食べるのは無理だから何か良い方法はないかと尋ねたら、高齢者施設ではパン粥を提供していると。
簡単に言うと、お粥のパンバージョンらしい。
栄養指導を受けながら作り方を聞いてみて試してみたらどうかとの話になった。
自分では電話が出来ないため、目の前で訪問看護師に電話してもらう。
栄養指導は予約制のため、すぐに行くことは出来ないようだ。
仕方がないので空いている日を伺い、いつも来ている訪問看護師とヘルパーさんがいる日に合わせて来てもらうことにした。
普段食べているものや様子も見てもらいたいので、お昼の時間でお願いすることにした。
一週間以上先になってしまうが、初回の訪問は8月初旬で予約ができた。
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