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2021/3/11 「背比べ」

今日は従姉のお家へ行きました。今これを書いているこの場所から車で約30分。未だに道は覚えていません。

家族の女たちが5人そろうのは、最近では珍しいことじゃなくなったけど、それでも今日はなんだかエネルギーを使いました。

らおたんがいたからかな。
生後二か月の犬は思っていたよりもカンガルーの子供みたいでした。
草をいじいじするわ、靴下をがしがしするわ、マスクをぺろぺろするわ。本当に大変。お母さんの辛さというものを生まれて初めて、身をもって感じた気がします。私には犬を飼うのはまだ無理かもって初めて、初めて思いました。

女だけの空間っていうのは会話があちらこちらへ進んでいくもので。何かの会話を皮切りに、私達は5人で、5人の女で。テレビの前に整列し、82歳のおばあちゃんユーチューバーの、モーニングルーティーンを見ていました。こんなことも生まれて初めてでした。

実はなんと、うちのばあちゃんも御年82歳。これはきっと何かのご縁。
従姉と私は調子に乗って「ばあちゃんもYouTubeやろうよ。」と大盛り上がり。「よしこチャンネル。」「よしこ、野菜の目利き教えます。」「よしこ、お取り寄せしてみました。」「よしこ、小池都知事とファッション対決。」企画が出るわ出るわ。でも不思議なことに、出せば出すほど、「バズるんじゃね?」と大爆笑が起こるのです。

勝手に想像して、勝手に大爆笑。なんてひどい孫たちです。
なんてひどい孫たちなんです。

でもそんな孫たちが想像して大爆笑できたのには、こんな秘密がありました。

「うちのばあちゃん、めっちゃ若い。」

そう。うちのばあちゃんは、テレビに映る同じ82歳のおばあちゃんに比べて、だいぶ若かったのです。

前から派手だなぁとは思っていたけど、こんなにも違うとは。だって今日なんて、迷彩のピタピタパンツに、銀のキラキラボーダーが入ったベスト、その下にベビーピンクのタートルネックのインナーですよ?そしてそこにごつ紫のリュックを背負って町を歩くのです。

「やりたいことやってきたから、お金どぶに捨てちゃったようなもんだよ。」

ばあちゃんここにきて急に反省。

でも若さの秘訣は、やりたいことをやってきたからだというばあちゃん。

お取り寄せ、お花、みかんの木、ファッション、美容院、煮物、運動、イタリアの服、置物、にんにく、金箔入りの化粧水、「目が見えなくなってきた。」と言いながら、まだまだいろんなことに興味があるみたい。

こんなにいろんなことに興味があるから若いらしく、だから私達孫は、ばあちゃんのことを考えると、いろんな企画を思いつくことができました。

その中で唯一、試すことが許されたのは、
「よしこ、ToonMeやってみた。」

もしコメントが来たら、もう一度、誘ってみようと思います。


と。私のおばあちゃんの若さに気付いたのは、YouTubeのおばあちゃんと比べたからで、今日まで私は全く知りませんでした。比べたから、気付くことができたのです。


「人と比べないようにしよう」

「比べる」には、2段階あるのかなぁ、なんて。どっちが若いで一段階、どっちが良い悪いでもう一段階です。1段階目はある意味、事実っちゃあ事実。2段階目は多分自分の価値判断。だから2段階目だけ取り除けばいいのかなぁ、なんて。

「価値判断の基準を作っているのも世の中、メディアでしょ。」

確かにそうだけど、どんなにメディアが良いものを作ったとしても、誰も受け取る人がいなければどうにもならないわけで。だから結局は受け手次第。どんなに強い流れがあったって、身を任せるか任せないかは自分次第。

比べて、そこにさらに自分で優劣をつけなければ、「比べる」って良いことなんじゃない?と、そんなことを教えてもらいました。

それからあとは。どうせ比べるなら、細の細の細部まで。

太陽っていっても、朝日もあれば、白日もあり、夕日もある。
トランプの7だといっても、スペードの7もあれば、ハートの7、ダイヤの7、クラブの7だってある。

優しいといっても、あったかい優しさもあれば、つめたい優しさだってある。

だから比べるなら、細の細の細部まで。

そこまで比べようとしている時にはもう、優劣のことなんて忘れていると思うのです。

またね👋



大学一年生の時、初めて被災地に、初めてボランティアにいきました。あの時抱いた感情は、一生忘れません。











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