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あのこは どーこ?

あのこは どーこ?

さく マリサビーナ・ルッソ
やく ほしかわ なつこ

大人はどれだけ子どもの大切なものを軽視してきたんだろう?

久しぶりに衝撃を受けた。

手伝いを頼んだら、
「だめだよ」「ぼく、いまから かくれるんだ」

これを聞いて、どれくらいの人が「じゃあ、手伝うのは無理だね」ってなるんだろう。
(結局絵本ではベンは手伝わずに、逆にベンのおかあさんがベンを何度も探しに行く。)

きっと、手伝いを断る理由が

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いっぽ、にほ…

いっぽ、にほ…

ぶん シャーロット・ゾロトウ
え  ロジャー・デュポアザン
やく ほしかわ なつこ

お母さんと娘ちゃんが一緒に散歩に出かける絵本

いっぽ、にほ、進むたびに娘ちゃんは立ち止まり、道に咲いているお花だったり、猫だったり、小石だったり、洗濯物だったり…

大人が見慣れている風景、でも見落としている風景のひとつひとつを教えてくれる

その見慣れている風景をいくつもの言葉で形容して表現してる

立ち止ま

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沖縄から貧困がなくならない本当の理由

沖縄から貧困がなくならない本当の理由

樋口耕太郎著

首がもげるかと思うくらい終始頷き通した本。私が日々思っていることが詰まった本だった。と、思ったら、もっともっとその先のことが書かれてた。

まずは、いつも通り心に響いた部分の引用から。

「どれだけ基地が返還されても、悲しい街ができるだけ……」

沖縄社会で生まれ育った沖縄人に、沖縄社会のことを直接尋ねてみても、行動の多くは無意識で、ほとんどの人はその意味を言語化できない。本人に自

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子どもの宇宙

子どもの宇宙

河合隼雄著

ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。それは無限に広がりを深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされて、ついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。

大人たちは小さいこどもを早く大きくしようと焦るあまり、子どもたちのなかにある広大な宇宙を歪曲してしまったり、回復困難なほどに破壊したりする。このような恐ろしいことは、しばしば大人た

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ヒットラーのむすめ

ヒットラーのむすめ

ジャッキー・フレンチ作/さくまゆみこ訳

最初はわたしも「自分のことだけ考えてればいい」と思ったけど、そういう態度はよくないわね

わたしは、いつもほかのことには目を向けないようにしてきたのね

あのときのドイツ人たちも、わたしみたいな態度をとったんでしょうね?ヒットラーのすることにはきっと反対だったと思うわ。少なくとも、すべてに賛成してたわけじゃない。見たり聞いたりするのを避けているうちに事態が

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