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【ロボット研究開発企業CoLab CTO山本のキャリアインタビュー】抜群の開発環境で目指す、工場の組立工程の自動化

今回は、CTOの山本がCoLabの技術の魅力、自身の数奇なヒストリーについて語ります。
ロボティクス、研究開発、レーシングカー、軽作業、、、山本の型にはまらない経歴と好奇心が、まだ世に生まれていない風景を生み出していきます。
山本が率いるCoLabの研究開発チームでは、ロボットの実機検証を含めた研究開発を日々重ねています。興味を持っていただいた方は、ぜひ一度見学に来てくださいね。


プロフィール

名前:
⼭本 和之

CoLabでの役割:
CTOとしてロボット研究開発を牽引。

経歴: 
慶應義塾⼤学 ⼤学院後期博士課程修了。博⼠(⼯学)。07年⽂科省特別研究員。21世紀COE研究員。画像計測・フィードバック制御。17年CoLab⼊社。AIロボットの研究開発を⾏う

趣味: 
レーシングカー
カラオケ(ミスチルが好き)

「流体力学」に魅せられた人生

ーエンジニアになろうと思ったきっかけを教えてください。

エンジニアになったきっかけは、レーシングカーです。F1レースが中学生の頃から好きでした。レーシングカーにはウイングが付いていて空気の流れを制御し、車体を下に押し付ける力を生み出します。下に押し付ける力が強ければタイヤのグリップ力が上がり、コーナーを速く曲がれるようになります。そのような流れの制御によって力が発生する仕組みに興味を持ち、空気の流れや力を研究する「流体力学」を学ぼうと志しました。

東京工業大学に入学して機械工学を専攻し、研究室は「流体力学」がテーマの研究室を選びました。YMCAのボランティアもやりつつ、勉強にも没頭して、飛び級して修士課程に進学しました。

ー卒業後はどんな道に進まれたのでしょうか?

大学の途中までは「カーデザイナーになりたい」と考えていたのですが、現実を見据えて別の道を模索しました。他の人が仕事をする環境を整えるのはけっこう得意だなと思い、「流体×他の人の仕事環境を整える」で役に立つ仕事って何かなと考えて、「空調」を思いつきました。

オフィスやホールなど人が過ごす空間の空調の目的は、そこにいる人が快適に過ごせるようにすることですし、工場やサーバールームなどの産業施設では、物品や設備の状態を異常がないように保つという目的で空調を行っています。空調の会社に就職して、本当は全体設計をしたかったのですが、現場を知らないと設計もできないと思い、現場監督として働きました。ビル空調設備工事のいわゆる現場です。ボイラーやエアダクト配置の職人さんに指示を出して、現場とは何か、建築物はどのように出来上がっていくのかを学ぶ日々でした。

「流体の制御」を学びに、ふたたび大学研究室へ

ー現場でバリバリ働かれていたんですね。その後はどんなキャリアを歩まれたんですか?

いろいろ現場を経験していたら、やはり流れ自体の研究をしたいと思うようになりました。そこで、博士課程進学を決意し、流体の計測を専門にしている慶応義塾大学の熱流体力学研究室に進みました。

空気や水は透明なので、流れがわかるようにするためには目に見えるようにする作業、可視化が必要です。流れに粒子を混ぜて、速度を知るために画像として撮影し、粒子の位置が変わってる箇所を計算して何ピクセル動いた、というようなやり方です。
測った速度から解析するのがメインだったので、この研究室で画像処理を基礎から学びました

個人としては「流体の制御」をテーマに研究を深めました。渦のでき方を変えたり、乱流を制御できるのか、という課題に取り組んでいましたね。

レーシングカーがもたらしたCoLabとの出会い

ー卒業後は、どのような選択をされたんですか?

卒業して、友人とIT関連のなんでも屋のような会社を起業しました。いろいろあって会社を閉じた後、携帯電話関連の倉庫で働くようになりました。今自動化が大きく進んでいる物流のピッキング作業です。思い返すと本当にいろんな仕事をやってきましたね。

その後、縁があって学生時代から好きだったレーシングカー関連の仕事に転身しました。レーシングカーの体験をするイベントなどの運営や企画の仕事です。そこで、サーキットのレースの審判員もするようになっていきました。いわゆるフラッグを振る人ですね。
そのレースの競技長がCoLabのメンバーだったんです。

これが私とCoLabの出会いですね。まったく技術開発とは関係ない場所で出会いました。

ー起業、レーシングカーイベント運営と、意外な転身が続きますね。まさかレーシングカーがCoLabとの出会いだったとは!どうやってCoLabに参画することになったんですか?

「画像処理できるプログラマーを探しているんだけど、そういう人知ってる?」という感じで声をかけてもらって、できますよ、と回答しました。
その後川畑さんともお会いして、2017年にCoLabで一緒に事業をやることに決めました。

当時は、今のCoLabが掲げるビジョンはまだ私と川畑さんの頭の中にある状態で、今のようにコア技術も確立していなかったんです。コンサルティング事業で売上を作りながら、研究開発を並行して進め、技術を段々と積み重ねていました。顧客ごとに画像処理ソフトによる製品検査や、ロボット制御、AIデータ分析などを行っていましたね。そのような案件を進めながら技術を自分たちの中に積み上げていきました。利益を上げながら技術も積み重ねるというのがCoLabの方針でした。

そこから2年経ち、2019年頃からは組立工程を自動化する技術の自社開発をする方向に舵を切りました。技術的には、コツコツと研究を続けていけば開発できると思っていたので、よしやってやろう、という気持ちでしたね。

スマホの組立工程を自動化するにあたり、電子機器の組立作業からテーマとして取り上げたのは、FFCケーブルをコネクタに差し込む作業でした。
この動作は精度が必要なので、これまで人間しかできなかったというのも納得でしたが、やるしかないなと人間がどこを見て、何を確認しながら組み立てているのかをどんどん細かく分析して考えていきました。


これまで私は流体力学、建築工事の現場、画像処理などを学んできましたし、倉庫軽作業の仕事では単純労働の現場を学びました。さまざまな学びとキャリアの経験をすべて活かして、CoLabの研究開発に取り組んでいます。

人間の動作を「模倣する」ロボット

ー空調設備、流体の計測、軽作業、、、これまでの山本さんの経験のすべてがCoLabのロボット開発に繋がっているんですね。
CoLabの研究開発の特徴は、どんなところでしょうか?

CoLabの技術のこだわりは、特筆すべきは「カメラキャリブレーション不要」ということです。つまり、挿入する・されるものの精度の高い位置決めの必要がないのです。
スマホってすぐに新しいバージョンが出るので、それぞれのバージョンに合わせた生産機械を作るのでは間に合いません。でもキャリブレーションが不要であれば、その課題に対応することが可能になります。

この発想は、「人間の動作を模倣する」というCoLabのアーキテクチャ開発のアプローチから来ています。
人間の動作って、機械設計の考え方とは異なる動作原理だったりするんです。
逆に、機械としてやるならこれ、という動きがあります。
たとえばロボット座標系・カメラの座標系をしっかりと定めて、カメラが検出した位置に一気に動かす。これはロボット的な動きです。
人間は、座標なんて意識して動いていないんです。
人間が座標なしでどうやって作業しているのか、それを機械で実現するには言語化するステップが必要になります。人間の認識を言語化し、無意識の動きを言語化し、、、という繰り返しでシステムを構築していくのです。
キャリブレーションをやって、ロボットの動きを指定する方法論はすでにあるので、そちらに流れてしまいがちなんですが、CoLabは人間的な動きの模倣にこだわっています。

ー「ロボット的な動き」と「人間的な動き」はまったく違うんですね。「人間の動きの模倣」はとても難易度が高そうですが、なぜそこにこだわっているんですか?

「人間の動作を模倣する」というのは、川畑さんのアイデアなんです。
私はこの視点が面白くて、CoLabで開発をやってるんだと思いますね。

現状の工場は、人間とロボットのハイブリッド式を前提にしないと、ロボット導入などのDXが進まないのです。工場すべての工程を自動化するとなると、あらゆる種類の作業を自動化する技術が必要になります。また大きな資本で一度に実行する必要があり、簡単ではありません。一部の工程から自動化進めることができれば、少しずつ自動化された工程が増えていきます。
また、機械として動作するコンセプトのシステムだと、現状の人が作業している環境から機械動作に適した環境に変更する必要があります。前工程、後工程との連携部分も変更しなければならないかもしれません。人間の動作を模倣した自動化であれば、前工程、後工程が人の作業のままでも導入可能な作業だけをロボットへ置き換えることがやりやすくなります。

実用化を見据えながら、研究開発に打ち込める環境

ーCTOの山本さんが考える、働く環境としてのCoLabの魅力について教えてください。

CoLabで働く魅力のひとつは、「開発環境が抜群に良い」ということです。
自分に大きな裁量があり、やろうと思ったコンセプトを思いっきり実行できる環境なので、やりやすくて楽しいですね。

開発や研究の進め方についても、自由度が高いです。
自分以外に仕様を決める人がいてそれを実装する、という開発の進め方ではなく、上流工程も自分で考えて、実装も自分でやりきることができるので。
「ひとり=1プロジェクト」という感覚ですね。
プロジェクト同士の横連携のしやすさは意識していて、相談しながら進められるカルチャーもしっかり育まれていると思います。

CoLabに来たら「上流から実装まで、全部できます」

ーロボティクス、AIの研究開発に興味があるエンジニアの皆さんは多いと思いますが、どんな方がCoLabで活躍できそうですか?

上流工程やプロトタイプ作成から実装までやりたい人は、CoLabにぴったりです。
上流工程と実装どちらかに偏る組織は多いですから、そもそも、ロボット開発で上流工程に関わることができる機会が貴重です。
いわゆるフルスタックエンジニアとして、数学、AIを含めた画像処理、ロボットプログラミング、機械設計などを使いこなして、研究してきたことをどう実装していくか自分で試していきたい、アイデアを実装まで作り込んでいくというのが好きなエンジニアは腕が鳴るはず。
これまで実装寄りの経験しかない方でも、意欲や興味が強ければ、上流工程に関わるチャンスだと捉えて、ぜひチャレンジしてほしいです。

まずはお話しませんか?

CoLabの事業、開発に興味を持ってくださった方とは、ぜひ一度カジュアルにお話をさせていただきたいです。
カジュアル面談および一次面接は、大野が担当します。
そこでCoLabで働くことの魅力について、しっかりお話させていただきます。皆さんの開発にかける想い、今後のキャリアや働き方についての考えなどについて、ぜひお聞かせください。

ご連絡をお待ちしています!!


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