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プロの小説家になるために毎日掌編小説を投稿します。 正確には毎日(00:00までに)必ず一つ投稿します。 小説を書くのは何よりも好きなことですが、生死が左右されることなのでちゃん…
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2024年3月の記事一覧

【連載小説】『パタイトのテル』2s1w「秋」

【連載小説】『パタイトのテル』2s1w「秋」

 タハトの背筋は凍るように冷たくなる。急いで近くの草むらに隠れた。

 背広服を着た黒装束のあいつらがいなくなるまで待った。

 そしていなくなった時に、恐る恐る草むらからでると、タハトは家に向かって行った。玄関から家の中をのぞくと、それはおどろおどろしくまき散らされた血と、お母さんの亡骸が転がってあった。

 お母さんのそばでタハトは崩れるように膝を地面につける。涙は、赤くなった地面に落ちると、

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【連載小説】『パタイトのテル』1s2w「破滅」

【連載小説】『パタイトのテル』1s2w「破滅」

第一章 第二話 破滅

 国は地球と同じように二つに分かれた。南半球、機械の国テクノ。北半球、生命の国アンギア。これは、そんなアンギアに住むある少年のお話だ。

「緊急ニュースです。アンギアが所持していたパタイトのテルの一部、テイルを盗まれました。これにより本来の力を引き出すことは出来なくなり……世界の均衡が崩れーーーー」

「はぁあ?!ちょっと、それ大丈夫なの?!」

 早朝、早起きなタハトは階

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【連載小説】『パタイトのテル』1s1w「誕生」

【連載小説】『パタイトのテル』1s1w「誕生」

第一章 第一話 誕生

 私たちの地球は、人々の心と共に半分に砕けてしまった。欠けた星は生命を失い、半分以下になった人間は、絶滅をただ待つことしかできなかった。しかし、奇跡は起こる。

 人類は彼をこう呼ぶ、救世主と。

 天才は発明で奇跡を起こした。その発明は、地球の半分を補うように形を変え、人類は何不自由なく暮らすことができるようになったのだった。

 真っ二つになった地球は、ほとんど金属やコ

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【掌編小説】「ギリ義理プレゼント」

【掌編小説】「ギリ義理プレゼント」

「プレゼントちょうだい」

 君は言った。なんて厚かましいやつなのだろうか、プレゼントはお願いしてもらうものではないだろうに。

「……は?」

 そのあたりまえだ。夏樹は唇をぽかんと開けて漠然と君を見ている。急にこんなことを、娘の誕生日に言われたらビックリしてしまうに決まっているのだ。

 カラフルな風船がにぎやかに飛び回っていた。夏樹は、はしゃいでいる娘を横目にしながら、君の言葉に目を通す。

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《最終話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《最終話》

 緑色の芝生を紫色の鈍い空が照らしている。そんな、紫色に濁った芝生は、不思議で奇妙なオーラを漂わせていた。
 
 寒くも暑くもない、かといって普通でもない。背筋に鈍いスライムが垂れているような、気持ち悪さを感じる。

 愛音は闇葉の精神世界を体験することによって、その彼女の過去を知ることができたのだった。彼女の過去はあまりにも残酷で、救いのないものであった。

*人物紹介*
愛音
料理がうまく、女

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

 プロローグ

 地雷系。それは、逆鱗に近しいものであるが、いつ何時に怒りが爆発するのか全くわからないという違いがある。
 
 性格、感性、趣味に至ってまで、一般人と比べれば変人と言えるだろう。しかし、その吐出した魅力的な個性が多くの目を惹くこととなる。地雷系が得意とする共依存テクニックは一度心を奪われた人を決して離さなかった。
 
 これがまた厄介で、地雷系が忌み嫌われる理由である。当然だ。なぜ

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第六話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第六話》

プロローグ

 緑色に輝く塔へ、世界一危険な芝生を歩む。

 ここは闇葉の精神世界。一体何が起こるのか、それを知っている者は本人の闇葉でさえ、知り得ないことであろう。

 永遠と続くような芝生には飽き飽きだ。

「かれこれ、1時間は歩いたよね。どうして塔はまだあんなに遠いのかな」
 愛音は、深いため息をついて、朧げに見える縦に細長い緑色の塔を見つめた。同時に耳鳴りまでする。なぜだろうか。

「でも

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第五話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第五話》

プロローグ

 大学生や高校生が住むような、1R。その場には異質な黒い渦のようなものが漂っているようだった。何かがいつもと違う。違和感がその場にはある。

 違和感を感じながら、今作の主人公、愛音は自分の部屋を見渡した。彼の意識が朦朧としている。体がふらついてしまい、倒れる方に足をすぐに持っていかないと立っていることができなかった。

 最後に覚えているのは、パイナップルを食べていた時のことだ。そ

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第四話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第四話》

プロローグ

 鍵詰めのついた針が何本も体に刺さる。そんな簡単には離れない痛みが身体中に巡る。

 中学校へ向かう愛音の足取りは、足枷をはめているようにずっしりと重い。前は霧で包まれているように真っ白で、頭のネジも鈍い。油をささないとこれはダメだ。

 ああ、愛音の表情はなんて酷なのだろう。顔は青白く、まるで生気が抜き取られているようだ。悪党に親を残酷にも殺され、家に帰ればその悪党にこき使われる生

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【連載小説】スピリット地雷ワールド《第三話》

【連載小説】スピリット地雷ワールド《第三話》

________プロローグ_________

 鈍いタールのような臭いが漂っている。異色のパイナップルがこちらを睨め付けているようだ。

 キッチンの壁にかけられているシンプルな時計は午後1時を指している。

 愛音はただキッチンの前で茫然としていた。この先の幸せを想像できないでいたのだ。ゴミ箱の闇を見つめて、彼は一体何をするつもりなのだろうか。

 彼はあろうことか、ゴミ箱に手を突っ込むと異臭

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第二話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第二話》

プロローグ

「付き合う前からずっと我慢してきたのにひどいよ」

 闇葉はまた自分勝手なことを言った。この性格にクラスの同級生は、みんな揃って頭を抱えていた。彼女は人を困らせることになんの躊躇もないのだ。

「私は愛音の1番じゃなぁいんだ……?他の人の方が大切なんだァ!」

 彼女の声は、教室の隣の隣にまで聞こえる勢いだ。すると、それを聞いていた一人のクラスメイトは我慢の限界を迎え、果たして口を挟

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