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稲田準子
2023年2月9日 17:59
豆が轢かれて花火の貼絵と化す道路節分の翌朝は山下清の世界にも似て(初出:『五行歌』 2016年7月号)
2022年7月12日 21:33
感情のない空虚な穴であることを恥じて言葉の蜘蛛の巣を編み続けている(初出:『五行歌』 2002年4月号)
2022年7月14日 17:04
「自分」という疑いの骨に肉がついている肉ばかり鍛えている(初出:『五行歌』 2002年4月号)
2022年7月17日 12:24
町内の子どもが減って夏祭りがさびれていく私だけのせいじゃないけど(初出:不明 2000年7月)
2022年7月18日 17:15
愛せるだけ 愛する者らを吸い上げては 吐き出してラブホが生息している一角(初出:『五行歌』 2003年1月)
2022年7月21日 12:13
女性的部位の無色透明化をはかってまたベージュの下着を買ってる(初出:『五行歌』 2002年8月号)
2022年8月2日 11:57
草が青々気持ちよさそういいじゃないか土地が遊んでたって
2022年8月13日 09:05
ベテランさんは眩しい近づきすぎると影が濃くなる
2022年9月9日 19:44
♪雑、雑、雑、雑、ここ雑……間違ってない気もする浴槽のぬめりとリラックスが入り混じったのだから………『ふたりの愛ランド』という歌を口ずさむつもりが。
2022年9月23日 09:06
手始めにゴミ捨て場までマスクを外す緑と小雨と生活の匂いだ
2022年10月3日 07:01
財布よりモバイルバッテリーがないことの不安聞いてよ朝顔
2022年12月5日 07:40
風もないのになびく髪直らぬ寝ぐせに危機感の嵐
2022年12月7日 23:40
彼の死を知らせた手紙と未開封のDMが同じ机上で混ざり合う近しくはない後輩だった「孤独死」のインパクトにただ まだ圧迫されている………それでも折に触れ、貴方のことを思い出すことはあるでしょう。その時は、その名を、声に出してつぶやくつもりでいます。どうか、安らかに。
2022年7月5日 16:55
レンタルできない想いでも書かれていたのか新着CDの歌詞カードが破られている(初出:『五行歌』 2004年6月号)……この歌を書いた時は、確かケミストリーのファーストアルバムをレンタルした時のことだったと思う(聖子ちゃんではない・笑)同じ時期に、図書館の本が破られてたりするという事件もあったような記憶もある。公共のものが利己的な考えから壊れていると、どんな小さなこ