面白法人カヤックやなさわ

面白法人カヤックの代表です。毎月社長日記を書いてます。著書に『鎌倉資本主義』『リビング…

面白法人カヤックやなさわ

面白法人カヤックの代表です。毎月社長日記を書いてます。著書に『鎌倉資本主義』『リビング・シフト』ほか。まちづくりを学ぶサロンを運営。https://smout.jp/event/online-salon/about

マガジン

  • 励ましのサイエンス

    人生の岐路で。 逆境の中で。 なんでもないときに。 人は、誰かに励まされて生きている。 どうせなら誰かを励ます人生を生きたい。あわよくば、自分も励まされたい。 そのためには、普段なにげなく励ましたり、励まされたりする無数のエピソードから、再現可能な方法論、いわば「励ましのサイエンス」を抽出してみたい。そうすれば、みんなが誰かを励まし、励まされることが容易な社会になるのではないだろうか。 面白法人やなさわが独断と偏愛で選んだ方々に「過去に励まされたエピソード」をお伺いするシリーズ。

  • 励ましのサイエンス 読者からのエピソード

最近の記事

「励ましのサイエンス」総集編 一年かけて見つけた励ましのフレームワーク

やなさわ:この「励ましのサイエンス」を始めたのは、第一回の記事に書いたように「やなさわさんは励まされ力がありますね」と自分ではまったく認識していなかったことを言われて、そうなのかな? と気になったから。そして、そもそもどうやったら人を励ませるのか? あるいは自分が励まされやすくなるのか? その方法論を解明したいと思ったからです。 この一年間、14人の方々へのインタビューを終えたので、振り返りとまとめをやらなきゃなと思っていたんですが、前回記事で「ハゲを励ます方法」とオチもつ

    • 励ましのサイエンス 其の14 ハゲを励ます事業から紐解く「励ましのサイエンス」

      やなさわ:「励ましのサイエンス」、ここで中締めということで。今回のゲストはカルヴォ創業者、美USUGE研究家の松本圭司さんです。 カルヴォはイタリア語で薄毛、つまりハゲ。ハゲの人を励まそうと立ち上げた会社ですから、まさに「”励まし”のサイエンス」にふさわしい。 松本圭司:僕は薄毛に悩む男性に寄り添い、その個性を活かすためにカルヴォのコンセプトを広げようとやってきました。 でも僕自身、ハゲていく過程の中で、励まされることってほとんどなくて。むしろ本(『ハゲを着こなす ~悩

      • 励ましのサイエンス 其の13 石戸奈々子さんの場合

        今回ゲストにお迎えした石戸奈々子さんは、NPO法人CANVAS理事長として、主に子どもを対象とした様々なワークショップを開催されています。多くの子どもたちと対話を重ねてきた石戸さんと一緒に「励ましのサイエンス」を考えてみたいと思います。 石戸奈々子:そもそも「励ます」ってなんだろうと考えてしまいました。たとえば、落ち込んでいる人に「頑張れ」と声をかけてはいけないと言われますよね。でも、そばにいて、話を聞いて寄り添うことはできます。それも「励まし」だと思いますが、今回問われて

        • 励ましのサイエンス 其の12 成瀬拓也さんの場合

          仲間を巻き込んだ箱根駅伝への挑戦。そして、挫折やなさわ:成瀬さんは、起業支援施設「HATSU鎌倉」のメンターをしてもらったり、カマコンで一緒に活動したりしていますが、実は大学時代、駅伝ランナーだったという一面もあって。箱根駅伝の話、何度聞いても興味深いので、その話をぜひ聞かせてください。 成瀬:自分が励まされた一番大きな原体験でもありますね。学生時代のすべてを箱根駅伝出場に賭けたと言っても過言ではないのに、箱根駅伝の予選会当日に、僕が肉離れを起こして出場できなかった最大の挫

        「励ましのサイエンス」総集編 一年かけて見つけた励ましのフレームワーク

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        • 励ましのサイエンス
          16本
        • 励ましのサイエンス 読者からのエピソード
          1本

        記事

          励ましのサイエンス 其の11 今村久美さんの場合

          カタリバは今年で創業20年を迎えました。今回、「励ましのサイエンス」というお題をいただいて、自分は何に励まされてカタリバを始めたのだろうかと思い出していました。 私は慶應SFC出身で、やなさんの後輩ですが、入学したばかりの頃、ものすごく自己肯定感が低かったんです。 日本中から優秀な学生が集まって、論理的で自信に溢れた人たちに囲まれて、一方、私は読書して情報をインプットするにも人の5倍10倍かかる。都会で不自由なく育ち、潤沢な教育投資を受けてきた同級生たちに対して、私は田舎

          励ましのサイエンス 其の11 今村久美さんの場合

          励ましのサイエンス 其の10 宮城治男さんの場合

          1993年の設立以来、多くの社会起業家を輩出してきたNPO法人ETIC.。2021年6月、創立以来28年間代表を務めてきた宮城治男さんの退任の発表は各界に衝撃をもって受け止められました。多くの社会起業家を見守り、育ててきた宮城さんにとって「励まし」とは? そして退任の背景にあるものは? 励ましたり励まされた体験を思い出してみるのですが、どれか特定のエピソードというよりも、私が経営してきたETIC.という組織は、そもそもたくさんの人たちの励ましで成り立っていると感じます。

          励ましのサイエンス 其の10 宮城治男さんの場合

          励ましのサイエンス 其の9 けんすうさんの場合

          大学生の時、ひろゆきさんに言われた言葉が人生の岐路になりました。 僕は当時インターネットでいろいろサービスを立ち上げながらダラダラと学生生活を送っていて、就職する気もありませんでした。このままインターネットの世界でサービスを立ち上げて生きていけばいいかなと。 そんな時、2ちゃんねるの管理人だったひろゆきさんからこう言われました 「このままいくと、おいらみたいになるよ」 これを聞いて、「それはやばい・・・」と思いました(笑)。 もちろん、ひろゆきさんは当時から誰が見て

          励ましのサイエンス 其の9 けんすうさんの場合

          励ましのサイエンス 其の8 ハヤカワ五味さんの場合

          ハヤカワ五味さん 株式会社ウツワ 代表取締役 これまで励まされた言葉もたくさんありますが、私の場合、態度で示してもらえることが一番嬉しいと感じます。 たとえば、ものすごく忙しいはずなのに時間を割いて会ってくれたり、連絡をくれること。「あの時、こうだったけど大丈夫?」と覚えてくれていて、継続的に思い出してくれること。 相手にとって何のメリットもないはずなのに、そんなふうに態度で示してくれるのは、すごいことだと思います。励まされますし、良い意味でのプレッシャーも感じて、もっ

          励ましのサイエンス 其の8 ハヤカワ五味さんの場合

          励ましのサイエンス 其の7 山口周さんの場合

          山口 周さん 独立研究者・著作家・パブリックスピーカー 大学を卒業して電通に入社しましたが、とにかく出来の悪い社員でした。新人なのでチームの下っ端として見積を作成したりFAXを送ったりするのですが、数字は間違えるわ、言われたことは忘れるわ。 担当していたキャンペーンの初日に出社すると、デスクが電話メモで溢れ返っている。「ポスターが店に届いていない」「至急折り返し電話ください」という伝言で、デスクの下を見ると未発送のポスターが山積みになっている。入社4年目にストレスで肺に穴

          励ましのサイエンス 其の7 山口周さんの場合

          励ましのサイエンス 其の6 乙武洋匡さんの場合

          乙武 洋匡さん 作家 「励まされたエピソード」と言われて真っ先に思い出したのは、5年前のことです。 自分自身のスキャンダルで、それまで取り組んできたさまざまなことがなくなり、この先何をして生きていこうか、ずっと考えていました。 これまでのように多様性ある社会への取組を続けたい気持。いまさら自分が言ったところで耳を傾けてくれる人もいないだろうから、いっそ結果さえ出せば評価されるビジネスの世界に舵を切る方が楽に生きられるだろうかという気持。その狭間で悩んでいました。 そん

          励ましのサイエンス 其の6 乙武洋匡さんの場合

          励ましのサイエンス 読者篇 水前寺たけこさん

          読者 水前寺たけこさん ある年の夏、会社経営の友人から死亡事故が発生したとの連絡がきた。 倉庫に山積みされた商品が落下し、その下敷きになった社員が死亡したらしい。 原因は、その社員の過失によるものだ。 彼には、遺族に対して安全管理が万全だったと明確に言えない心情があり、遺族への保証や今後の安全管理基準などを含めた対応を指揮しなければならない状況だ。 彼の声質から、数日寝ていないことは直ぐにわかった。 「明日、時間ある?」 彼は何も言わなかったが、今どのような声をかけてほ

          励ましのサイエンス 読者篇 水前寺たけこさん

          励ましのサイエンス 其の5 為末大さんの場合

          為末 大さん Deportare Partners代表/元陸上選手 励まされたエピソードと聞いて思い出す人は二人います。母親、そして日本代表コーチだった高野進さんです。 全日本中学校選手権の短距離で優勝し、たくさんの人が応援してくれるようになりました。うまく走れるとみんな喜んでくれますが、失敗するとがっかりされてしまう。競技がうまくいかないと自分もダメになったように感じて、負けることが必要以上にこわくなっていきました。 でも母親はずっと無関心だったんですよ。適度に。

          励ましのサイエンス 其の5 為末大さんの場合

          励ましのサイエンス 其の4 中嶋愛さんの場合

          中嶋 愛さん 「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版」編集長 中嶋さんは、僕の最初の本『面白法人カヤック会社案内』を世に出してくれた編集者です。2018年には『鎌倉資本主義』をいっしょにつくりました。 今年4月、プレジデント社を退職され、「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版」編集長に就任されました。実は、この「励ましのサイエンス」も中嶋さんとの会話の中で生まれたものです。では、伺ってみましょう。 未経験の仕事で怒られるばかり

          励ましのサイエンス 其の4 中嶋愛さんの場合

          励ましのサイエンス 其の3 ジェーン・スーさんの場合

          ジェーン・スーさん コラムニスト、作詞家、ラジオパーソナリティ 「励ましのサイエンス」今回のゲストはジェーン・スーさんです。実は、僕の新卒会社員時代の元同期です。では伺ってみましょう。 ジェーン・スー:励まされたエピソードで思い出すのは、今の仕事をするきっかけのひとつになった言葉です。 ソニー時代の同僚が独立して、音楽制作会社を立ち上げたから手伝ってほしいと言われて。私は当時、会社を辞めて実家の仕事を手伝っていて、人生的にはくすぶっていた時期でしたが、企画書を書いたり、

          励ましのサイエンス 其の3 ジェーン・スーさんの場合

          励ましのサイエンス其の2 土屋敏男さんの場合

          土屋敏男さん 日本テレビ放送網株式会社 R&Dラボシニアクリエイター これまでの人生を振り返って、励まされた記憶がありません。僕は「盗んだ」と思っています。 いろいろなところでお話していますが、僕の師匠は、テリー伊藤さんと萩本欽一さんの二人です。「お前を弟子にしてやる」と言われたわけではありません。二人からたくさんのことを教わりましたが、僕が勝手に師匠だと思っているだけです。 「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」では、放送作家の出してくるアイデアを「これは使える」「使

          励ましのサイエンス其の2 土屋敏男さんの場合

          励ましのサイエンス其の1 佐渡島庸平さんの場合

          佐渡島庸平さん 株式会社コルク代表取締役社長/編集者 コルクで新人作家とつくるマンガをすべて縦スクロール・オールカラーに変えたのは2年前のことです。 これまでのマンガは見開き・モノクロがあたりまえでした。紙の雑誌で読むからです。でもスマホで読みやすいのは、縦スクロール・オールカラーのマンガです。 当時、日本で縦スクロール・オールカラーのマンガに振り切っている人は、ほかに誰もいませんでしたが、僕は「そっちに行った方がいい」と思っていました。 やがて縦スクロール・オールカ

          励ましのサイエンス其の1 佐渡島庸平さんの場合