フラワーヒル 花岡啓輔

ノンビリとショートストーリーや絵を描いています。 毎日食べている物、目の前に広がる物、…

フラワーヒル 花岡啓輔

ノンビリとショートストーリーや絵を描いています。 毎日食べている物、目の前に広がる物、日常に出来事などをスケッチしています。

最近の記事

ノンキなショートストーリー    『世界の終わりに目玉焼き丼』

『世界の終わりに目玉焼き丼』  「世界が終わります。あと一時間で世界が終わります。」 気持ち良く晴れた日曜日。朝八時のニュース番組で、青いネクタイのニュースキャスターが唐突に言ってきた。最初は冗談か何かだと思ったが、青いネクタイのニュースキャスターは真剣な表情で話し始めた。 どうやら地球の近くを通過するはずだった彗星が、原因は不明だが突然砕けてしまい、大量の隕石になって地球に衝突するらしい。国際天文台も直前まで発見できなかったため、対応策を話し合う時間もなく、全世界に

    • ノンキなショートストーリー『バレンタインデーのUFO』

      『バレンタインデーのUFO』 私はバレンタインデーのチョコレートを家に忘れてしまった。 朝起きたら「あんな大事件」が起きていたからだ。 「あんな大事件」とは? 東京上空にUFOが現れたのである。それは昔のSF映画に出てくるような円盤型だった。 キラ、キラ。 ピカ、ピカ。 眩しく光っている。 そのUFOは東京上空を飛び回って、新国立競技場の上空に止まり、ゆっくりとグランドに着陸した。UFOは静止したまま、特に危害を加える様子はなかった。 UFOは、一体何の目的で地球に来た

      • フラワーヒル・ショートストーリー 『ジョンとヨーコのHappyChristmas』

        『ジョンとヨーコのHappy Xmas』 今日はクリスマスイブです。 トナカイとサンタクロースは、子供たちにプレゼントを配るのを毎年楽しみにしていました。 トナカイは赤鼻ではなく、青、黄、緑、桃などカラフルな色の鼻をしています。 サンタクロースは赤ではなく、金、銀、黒、白などカラフルな服を着ています。 しかし、今年のクリスマスは違いました。 トナカイとサンタクロースの前に、神様が現れたのです。 神様は、トナカイとサンタクロースを見ていると気分が悪くなると言いました。 神様は

        • フラワーヒル・ショートストーリー:8「節分の豆まきと聖母マリア様」

          フラワーヒル・ショートストーリー:8 『節分の豆まきと聖母マリア様』 「節分では、年の数だけ豆を食べる」 私はこの瞬間が不安だ。 今年の節分は、彼の部屋で一緒に過ごす事になった。 彼と鬼のお面がおまけに付いている豆をスーパーで買ってきた。彼はその鬼のお面を被り、両手を上げて「ガォー」と声を上げながら、私に近づいてきた。 「ガォー」の声に若干の照れが入り小さくなって、迫真の演技とはならなかったが、私は「鬼は外!福は内!」と言いながら、彼に豆をぶつけた。 当たっても痛くないよう

        ノンキなショートストーリー    『世界の終わりに目玉焼き丼』

          フラワーヒル・ショートストーリー:7 『受験生にピッタシ!集中力メーカー』

          フラワーヒル・ショートストーリー:7 『受験生にピッタシ!集中力メーカー』 私の声は、フワッとしていると良く言われる。 「いらっしゃいませ」 お客さんからは、聞こえないから、もっと大きな声でと言われる事もある。 私が働いているカフェは、白い壁で統一され、優しい陽射しが差し込む、私が言うのもなんだが、お洒落で素敵な店だと思う。 しかし、商店街の路地裏を二回曲がるという立地の悪さもあり、お客さんはチラホラなので、店長は、いつも奥の席でお昼寝をしている。 たまに起きると、店の奥に

          フラワーヒル・ショートストーリー:7 『受験生にピッタシ!集中力メーカー』

          フラワーヒル・ショートストーリー:6『凧をあげる』

          フラワーヒル・ショートストーリー:6 『凧をあげる』 1月3日正月休みの最終日は、眩しいくらいに太陽が照り付ける快晴になった。 例年なら天気が良いからと初詣にでも行くところだが、今年は新型コロナウイルスの影響で控えるように呼びかけられている。 ゴロゴロと寝ころびながら見ていた箱根駅伝は、最終十区の大逆転で幕を閉じた。 そんな時にスマートフォンへLINEが入ってきた。 「暇なら河原で凧をあげよう」 彼女からの誘いだった。 外は快晴、暇を持て余している。 断る理由はなかったので

          フラワーヒル・ショートストーリー:6『凧をあげる』

          大晦日デッサンに着彩カウントダウン

          今回の年末年始は実家に帰らず、一人で過ごす事になりました。 ゴロゴロとテレビを見て過ごしても寂しくなるだけなので、この状況をポジティブに楽しもうと思いました。 デッサン会で描いたけど、部屋の隅で無造作に積み重ねたままで着彩いていなかったデッサン104枚を全てに着彩する『大晦日デッサンに着彩カウントダウン』にチャレンジする事にしました。 昨年は東京のデッサン会巡りとして150回ぐらい様々なデッサン会に参加しましたが、今年は新型コロナウイルスの影響で四谷デッサン会だけでなく休会

          大晦日デッサンに着彩カウントダウン

          【2020.12.25:国立科学博物館をスケッチする】

          【2020.12.26:国立科学博物館をスケッチする】 昨年買ったリピーターパスを確認したら丁度最終日。 リピーターズパスは1500円で購入できるので、入館料が630円なので3回行けばお得になります。何よりも何回でも行けると思うと、一回で全部見ようと思わないので、各展示スペースをゆったりした気持ちで見て回れます。 当日でも30分前までなら来館予約ができたので慌てて予約して、急遽上野にある国立科学博物館にスケッチに行きました。 博物館に到着したのは16:30と閉館時間が18時

          【2020.12.25:国立科学博物館をスケッチする】

          フラワーヒル・ショートストーリー  『とってもカラフルなHappy Xmasハッピークリスマス』

          『とってもカラフルなHappy Xmasハッピークリスマス』 今日はクリスマスイブです。 神様は子供たちにプレゼントを配るため、トナカイとサンタクロースを集めました。 トナカイは赤鼻ではなく、青、黄、緑、桃などカラフルな鼻の色をしています。 サンタクロースは赤ではなく、金、銀、黒、白などカラフルな服を着ています。 神様はこの統一感のないバラバラな色が嫌いでした。 みんなが同じ色になり、同じ考えを持つべきだと思っています。 神様は大きな赤いスプレーを取り出しました。 「これか

          フラワーヒル・ショートストーリー  『とってもカラフルなHappy Xmasハッピークリスマス』

          個展を開催しました。

          花岡 啓輔 2020年個展 『詩と解放しよう。』 2020年12月5日(土)~13日(日) yurucaf ○ yurucafeで展示をするまで。 「このカレー凄く美味しいですよ」 11月中旬に初めて来店して、名物のyuruカレーを食べた時の僕の感想です。 そのまま皿を持ち上げて最後まで残さず食べる姿を見て、一緒に来店していたIさんも注文して食べたら、「本当に美味しいよ。これ」と言って最後まで食べていました。 今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、今までとは全く違う

          個展を開催しました。

          『黒い稲妻』

          『黒い稲妻』  黒い稲妻に撃たれたような衝撃が全身を貫いた。 それから、今まで違う世界にいるような、強烈な違和感がある。 どうやら似ているようで違っている別の世界に、迷い込んでしまったようだ。 「それじゃ前にいた世界と、何か違うところはあった?」 木下さんが私に質問してきた。 「特に変わったところは見つからない。住んでいるアパート、通っている大学も同じ」 「でも、違和感を凄く感じている。絶対に違う世界に来ている気がする」 「木下さんは前の世界でもサル顔だった」と私が話すと

          『世界の終わり』

          『世界の終わり』 (2020.11.11) 「世界が終わります。あと一時間で世界が終わります。」 気持ち良く晴れた日曜日、朝7時のニュース番組で青いネクタイを締めた男性アナウンサーがスタッフから手渡された原稿を持って、唐突に話しだした。 最初は冗談か何かだと思ったが、アナウンサーは真剣な表情で話し続ける。 どうやら地球の近くを通過するはずだった彗星が原因は不明だが砕けてしまい、大量の隕石が地球に衝突する。天文台も直前まで発見できなかったため、対応策を話し合う時間もなく、全世

          【志村けんのオナラに救われた男】

          【小説:志村けんのオナラに救われた男】(2020.10.8) 男は何日も部屋に閉じこもっている。 もう何日も窓を開けず、閉めきったままだ。 男は暗く淀んだ空気に包まれている。 男は何もする気になれず、ベッドで寝たままタブレットでYouTubeを見ながらダラダラと過ごしている。 今日も何もする気になれず、YouTubeを起動させた。 もう特に見たい動画が思いつかなかったから、おススメ動画をスクロールさせ手頃な動画がないか探してみる。 おススメ動画に、志村けんのだいじょうだ

          【志村けんのオナラに救われた男】

          【2020.9.20:新宿御苑でのスケッチ】

          【2020.9.20:新宿御苑でのスケッチ】 9月20日の午後2時から新宿御苑に四谷デッサン会で知り合ったHさんとIさん、アーバンスケッチャーズのMさんと合流して、スケッチに行きました。 新宿御苑の芝生がとても気持ち良かったです。 芝生が程好い感じで伸びていて、座り心地の良いクッションのようになっている。 ズボンに土が着いたりしないから、安心して足を伸ばせる。 目の前には緑が広がる。昼頃まで雨がパラついて水分補給ができたせいか緑が生き生きしている。 周りを見渡しても人影は

          【2020.9.20:新宿御苑でのスケッチ】

          『五百円玉と替え玉一玉無料の豚骨ラーメン』

          『五百円玉と替え玉一玉無料の豚骨ラーメン』 「ラーメン一つ」 財布の中身が寂しい男は“安い”これだけの理由で、一杯五百円の豚骨ラーメンを頼んだ。 ホールスタッフのおばさんが「カウンター席ラーメン一つ」と注文を繰り返した。 眼鏡をかけた厨房のおじさんは慣れた手つきで早々と作りあげた。 久しぶりの外食だから、もう少し贅沢な物を食べたかったが、財布の中身が寂しいのだから仕方がない。 目の前に純白のスープと細麺の豚骨ラーメンが現れた。 豚骨スープの濃厚な香りが食欲を掻き立てられ、

          『五百円玉と替え玉一玉無料の豚骨ラーメン』

          スケッチ日記『電車スケッチ』(2020.9.3)

          昨年の秋ぐらいから電車に乗っている時に乗客をスケッチしていました。 でも新型コロナウイルスの影響で3月頃から都内に行く機会が激減したため、電車に乗る機会も激減しました。 緊急事態宣言が解除されてから少しずつ都内に行くようになり電車に乗りますが、通勤ラッシュを避けているから車内はガラガラです。目の前に乗客がいなかったり、いても一人だけだと気づかれそうなので、スケッチする事が少なくなっています。 ほとんど乗客がマスクをしていてスマホを操作しているので余り変化が少ないですね。 それ

          スケッチ日記『電車スケッチ』(2020.9.3)