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「シンクロツリー」~体感する”つながり”~

子供の頃からなぜか感じていた”あの感覚”を、皆と少しでも分かち合いたい

今、作ろうとしているものがある。
言葉で説明するのが到底難しい、子供の頃から私が感じ続けていたある感覚を、少しでもみんなが体感できる形にしたくて。
これまでもなんとかこの感覚を表現できないかと、絵本や児童文学、絵やデジタルアートなど手を変え品を変えチャレンジし続けてきた。
でも、何かが足りない。
それでもアリなんだけど、もっと表現できる方法があるんじゃないか、と
悶々していた。
↓参考過去記事

体験が持つ情報量の圧倒的多さ

私は、言葉にいつも制限を感じる。
とても大事だけど、やはり言語によって偏りがあり過ぎるツールだし、国や地域の文化特性への依存度が高すぎる。
そして言葉は、「実感」よりも「理解」に向いているツールだと思っている。より脳みそ寄り、というか。
こうした自身の考えに加え、経験上、トータルで見て”体験”の強さは群を抜いている(と思っている)。
私が”体験”にこだわる理由はここからきている。

体験→体感させるために、実体を持つハードウェアを作る

今回、表現したいことを伝えるために私はハードウェアを選んだ。
体験による体感を促すために。
VRやARも、もちろんアイデアの段階では候補として考えた。実際Unityを自分なりにいじいじしてみた。VR体験ができる場所にもあちこち出かけ、実際賞をとった作品含め色んな作品を見た。
VRの制作会社数社に「たのもー!!」と押し掛け、質問しまくり&見積まで取った。
そしてわかったのが、私が表現したいことを表現するには多分こっちの方がやりやすい。作りやすい。
それでも。
「わざわざゴーグルをかけ、一時ファンタジーを見るだけじゃ意味がない」
と思った。
そしてもうひとつ、
「”閉じた世界で(一人で)体験する”では、本来の意味が変わってしまう」
だ。
現実世界で生身のままで体験できること。
今のリアルライフと地続きであること。
他者(人間)と切り離された環境でないこと。

これが、私が”体験→体感”のためにハードウェアをわざわざ選んだ主な理由だ。

私が感じ続けている”あの感覚”とは?

ここを説明しないことには「なんのこっちゃ?」だと思うので、説明します。
一言で言うと、「万物はすべてつながっている」という感覚です。
この身体が一時的な入れ物だ、と確信したのが、私が7歳の時でした。
私の存在(個別の意識や魂や命という意味ではなく)は、宇宙と同位であり、そこには”他人”や”生命”という概念すらない。
全ては同一、同じ。という感覚でした。

↓参考過去記事

私は、少し変わった子供だった

これだけ読んでも、「なんか変わったこと考える7歳だな」ということはわかると思うけど、まったくその通りで、私の感覚や考え、こういった確信は、同級生の小学生たちに共感される内容では到底なかった。
「この身体はただの入れ物。死んだら元の存在形態に戻るだけ」
「(命や魂の話ではなく)私たちの”存在”は、この地球の他の人間や他の生物や有機物、はたまた宇宙の万物と一体」
「地球は稀にみる”感情”の星」
「すべてはエネルギーでできていて、それは互いに作用し合いつながっている」

まあ、こんなことをお友達と話したい女子小学生、いないよね笑
友達がダメならばと大人にも質問しまくったけど、小学生の私がコレをうまく言葉で説明できるはずもなく、内容自体にも大人たちは「???」状態。
私はおのずと本を読むようになり、宇宙や物理の本(の優しいバージョン)や歴代の哲学者や科学者、芸術家の本に共鳴し、食い入るように読み漁った。(小学生が読める範囲で)
しかし、現実世界に
理解者が一人もいない。
誰ともこの確信や感覚を分かち合えない。
という深い孤独感は、常に持っていました。
良くも悪くも人間的コミュニケーション能力が高い方なので、どのフェーズでも友達はいたし、学校もドロップアウトすることはなかったし、親友も、心を許せる人たちも、都度都度仲間もいた。
彼らのことは大好きだった。今もそのご縁が続く方ももちろんいる。
けれど、「ああ、本当に私と同じようにこの芯を感じているんだな」、と思う人には、直接個人的にやり取りできるレベルの近しさではいまだ出会っていない。
そうじゃない距離感の人なら、今時点で日本人で2人いる。(それでも歓喜するほどうれしい)
大人になって本当によかった、と思う。
探し方がわかってきたし、この日本人2人(ある分野で世界的ご活躍をされている方々)を知れた。
幸運にも彼らと同じ時代に生きられ、もしかしたら、万が一でも、今後お仕事をご一緒するチャンスが得られるかもしれない。
この話が彼らと直接できなくていい。
そんなこともはやどうでもいい。
いつか彼らと一緒に創作活動ができる日が来るのを、そういう私になれる日を、今私は、ただ密かに夢見てる。

”わかってほしい”のでなく、”なんとなくでも感じてほしい”

こうした背景があるので、共感と理解についてはある意味とっくの昔に諦めがついている。なので今回の作品の芯のメッセージも、「わかってー!」という気持ちは正直なく、うっすらでもその片鱗を感じてもらえたら、というレベル。
(あともう一つの隠れ目的は、私が作品にして発信することで、同じ感覚の人を世界中からあぶりだせるかもしれない、ということ)

ではなぜ、うっすらでもなんとなくでも感じてほしい、と思うのか。
それは、
圧倒的に安心するから
です。
私が7歳の時「あ、なあんだ、そういうことか」とこの感覚になった時に一番感じたのは、
「とてつもない安心感」でした。
そして、自己肯定感とかのいわゆる”心理”という限定した話でなく、「自分の存在への圧倒的畏怖」。(存在への畏怖の話は、この後20年くらいかけてステップを踏んで内容と確信が深化し変容していきました。でも凄まじく長い話になるので今回は割愛)

抽象的概念”存在のつながり”を、どう具体に落とし込むか

「つながり」「関係性(同一感覚)」を感じる相手は”植物”であること。
この一番の理由は、私が過去最も溶け合う感覚に陥れたのが、木と水だったから。という実体験によるものが一番大きい。
加えて二番目の理由が、植物、特に木は、現実世界のそこら中に身近に存在していて、かつ人間が全くの別存在と認識しているモノだから。
しかも人間が忌み嫌う対象でないものである必要があったから。
少なくともこの条件をクリアしているモノじゃないと、そもそも心理的抵抗に阻まれ、つながりを感じるどころの話ではなくなってしまう。
私は、その代表として木を選んだ。
次点候補の”水”は、水(特に水中)に対して恐怖心を抱く方も少なくないこともあって、木を選択した。

イメージ図「シンクロツリー」

ハードウェア「シンクロツリー」に着地した経緯

先に説明したように、私の中で決まっているのは、まず”つながりを感じる対象は木であること”
そして、それを”ハードウェア”で作ること

ロボット専門家に相談

ここについて、以前仕事をご一緒した知人と1時間半ほど話し合った。
その方はロボット工学ご専門の方で、いくつものハードウェアを世界内外に向けて実際に作られている。
実はこの方からも、「VRの方がいいと思う」というご意見をいただいた。
私が感じている感覚と共に、以前私が過去記事に書いた、「本当は2-3mの大きい木をどっかんどっかん作りたい」「でもプロトタイプで小さいのをまず作ろうと思う」というのをお話した。

「木との感覚」については、実は非常に共感をいただけて、興味津々で
相談に乗ってくださった。
奇遇にも、その方も植物(特に木)に関わるロボットをまさに制作中だった。
なので本当にありがたいほどに親身になって一緒に考えて下さり、結果、「やっぱりVRで作るのがいいと思うよ」、とアドバイスとして言って下さった。
それでも私が、「現実世界にリアルに存在していないと意味がないんです」「他の人もいる空間で、他人もコレを目撃できないとダメなんです」と食い下がると、「(私の)動きのイメージそのままに動かせるか、また、動かせたとしてもそれは一体感を感じさせる動きなのか(音も含め)」という二点をあの時点でのハードルとして挙げてくださいました。
「でも本当にすごく面白い、ぜひ何らかの形で作ってほしい」と期待を込めて応援して下さって、今も深く感謝しています。

院の教授に相談

この「私の感覚」についての話と、だからコレを作りたい、という話は、実は上記のロボット専門家の方含め、すでに10人ほどの方に壁打ち済み。
うち一人が今通っている大学院の担当指導教授。
この教授にも、やはりVRでの制作を勧められた。
(制作理由については、このこの教授とはここ一年一度や二度じゃなく話し合い、教授から質問もたくさん受け、私も絵コンテを描いて見せるなどして十分ご理解いただいているので割愛)
実はこの教授は、私がハードウェアで作ることに対して未だあまり乗り気じゃない。もちろん院生がやりたい!!ということは止めはしないので応援はしてくれているが(私がしつこいからか笑、「挑戦したいことがあるのはいいことだよ、どんどんやってみるといいよ」と言ってくれる)、多分先生の経験上、こういったハードウェアの制作はハードルが高すぎると考えているのかもしれない。
もしくは私が表現したいことを一番いい形で達成させてあげたい、という親心(本当にむちゃくちゃ応援してくれてる)で、VRを勧めてくださってるのかもしんない。
なので私はプログラムも書けない小さな脳みそで考えた。
まず作って、教授にプロトタイプを見せよう、と。
そうしたら、「あれ?これハードウェアでもいけるかも?ハードル高いと思ってたけど、意外にいける??」と、思うかもしれない。
もしかしたら逆に「やっぱVRだよー」となるかもしれないけど。
でも、まずはプロトタイプ。すべてはそこから。

VRを勧めまくられることへの打開策

たくさんの人に相談した結果、「VRの方が圧倒的に相性がいい企画」であることはわかった。私より知識も経験も桁違いに豊富な方々ほど、口をそろえて言う。
本当にそうなんだと思う。
でも、それでも私は、「いいから一回ハードウェアでやらせて??お願い!!」という想いを今もしつこく持ち続けている。
挑戦もしないで「ハイ、じゃあVRにしまっす♪」なんてできない。

なので今、私が何を表現したいのか、どんな体験/体感を促したいのか、短いgIFアニメを作ろうと思っている。
イラストをパラパラ漫画形式につなげるアレ。
役に立たないかもしれないけど、役に立つかもしれない。
私は、どー------しても実際の物体として作ってみたい。
これからは、ハードウェア前提で「じゃあどうしたらいいか」という議論にもっていくために。

できるかなんて、こう書いている今もわからない。私のプログラミング能力を考えたら、できない可能性の方が圧倒的に高い。

それでも。
アホみたいに私は繰り返す。
「ハードウェアで木が作りたいんです」


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