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私の物語

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今までの記憶へ、ひとつまみの嘘をまぜながら綴った私の物語。
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2020年6月の記事一覧

小さな失敗、大きな成長

小さな失敗、大きな成長

中学生の頃、美術の授業で印鑑を作った。

『自分の作品へサインとしておせる印鑑』

という課題だった。

一生懸命デザインを考えて
印鑑本体も、オシャレに飾り彫りを施した。

完成した時には
先生やクラスメイトにほめられちゃって
まんざらでもなくって
嬉しくって嬉しくって
みんなが見守るなか、試し紙におしてみたら

紙の上には
反転している私の名前。

印鑑だから文字等はデザインを反転させて彫らな

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信濃の国から  #方言note

信濃の国から #方言note

『三角座り』っていう言葉があるじゃんね。

私は今まさに、膝を抱えて眉間にシワをよせながらスマホに向かってポチポチと文章を打ち込んでるんだけどね。
関東ではそれを『体育座り』とか『体操座り』なんて言うら?
このへんでも『体育座り』って言ってた。
だもんで、京都で学生をしてた時に初めて『三角座り』っていう言葉と出会った私は、その可愛らしさに心を奪われたよ。

だで、その時運営してたブログのタイトルに

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梅田駅を降りてまっすぐ  ( 1/2 )

梅田駅を降りてまっすぐ ( 1/2 )

汗をかきながら、ビジネスバッグを右肩へ背負い、スーツケーをスゴロゴロと引っ張っていた。

心理職採用試験を受けるため、私は1年ぶりに関西の地を踏み

無事、迷子になった。

*…*…*

横断歩道の信号が赤になった。
小さなため息を1つ、ホッとつき、足を止める。

当時はまだ、ほんの少しスマホが珍しかった時代。
ポチポチとガラケーを操作して地図機能を作動させた。

地図は私の現在地と目的地を表示

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梅田駅を降りてまっすぐ ( 2/2 )

梅田駅を降りてまっすぐ ( 2/2 )

『 梅田駅を降りてまっすぐ 1 』のつづき。

己が泊まる宿へたどり着けない日本人と
大阪城への行き方がわからない海外からの観光客

…私たちは途方に暮れていた。

*…*…*

暫く悩んだ後、ホテルのフロントに聞いた方が早いのでは…と名案が浮かんだ。

早速彼女に提案してみる。

「ホテルの場所が、わからないんだけどね。」

携帯のアドレス帳からホテルの電話番号を探しながらそう伝えると

「ホテ

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雨音に耽る。

雨音に耽る。

朝が来たはずなのに
部屋の中がうっすら暗くてほんのり肌寒い。
夢と現を行き来しながら、毛布に深く潜り直した。

目を閉じて、耳を澄ますと

しとしと、しとしと…

カーテンの向こうから音が聞こえる。

その心地よい音色に身を任せて
私は再び優しい夢の中へと沈んでいった。

*…*…*

雨が降っている。

優しい音色を奏でていた雨だったけれど
再び目覚めた時には、バケツに入れた水を路面に叩きつけて

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