吉田A仮名(ええがな)

1990年、大阪に生まれる。小2、F君との遊びに飽きていると、ガムが欲しくなり、「マッ…

吉田A仮名(ええがな)

1990年、大阪に生まれる。小2、F君との遊びに飽きていると、ガムが欲しくなり、「マッハで買ってくるから」とF君を残し、チャリでガムを買いに行くも、T字路で車にぶつかり、たんこぶができる。中2の夜、親父に500円貸し渋ると、椅子を持ち上げて追いかけられる。現在、文章を書いている。

マガジン

  • 透明無題日常劇場

    これは日記。すなわち、透明無題の日常を綴る一個の人間の、魂の軌跡、生命の神秘、宇宙的エロスの三文芝居。

  • 吉田戦車『伝染るんです。』に触発された400文字

    吉田戦車『伝染るんです。』(文庫版)に触発された文章を掲載していきます。二次創作的なノリで、1つの四コマ漫画につき400文字、思いついたことを書いています。400文字は作品と関係があったりなかったりします。よく分からない営みですが、私なりの『伝染るんです。』への愛です。

  • 言わんでもええがなエッセイ 好きだの嫌いだの

    身の回りのものについて、好きだの嫌いだの書いたものを掲載していきます。各noteごとのテーマは、連想的につないで決めていきます。「好き」の中に「嫌い」を、「嫌い」の中に「好き」を発掘してやろうという、変な意気込みで書いていこうと思います。やらんでもいい、不自然な営みです。1作品1000字程度。

最近の記事

透明日記「映画と漫画と小説と筆ペンと」 2024/07/21

昨日寝る前に『ミッドサマー』というホラー映画を少し観はじめ、朝に最後まで観た。 めちゃくちゃ独特なホラーだった。スウェーデンのコミューン、みんな家族とか言ってる閉鎖的な宗教集団の夏至祭が舞台。白夜でずっと明るい。自然豊かなオーガニックな暮らしの中で、部外者が生け贄に捧げられていく。麻薬による幻覚で画面が揺らぎ、声も音も村人の前衛的な身動きも、端々で揺らぎとうねりが見られる。視覚的にも聴覚的にも幻覚みたいな映画で、全く知らないホラーの感覚。きれくてキモい、見応えのある映画だっ

    • 透明日記「満月を見て五感が広がる」 2024/07/20

      満月がきれい。救われるような気持ちがする。 普段、未来について考えることも少なく、計画というのもほとんど持たず、その時々に思いついたことをして、なんとなく過ごしていることが多い。 そうやって過ごすのはかなり楽で好きだけど、振り返ってみると、なぜそうやって過ごしていたのか、特に理由がない。急な思いつきで何かを止め、何かを始める。自分でも急なので、順序立てて説明する言葉がない。断片的な言葉を頼りに、ぼんやりとしたイメージで動いたり、「お〜」という感動のようなもので動いたりする

      • 透明日記「筆ペン・プール・小料理」 2024/07/19

        朝、筆ペンで遊んでから、向田邦子の本に載っていたピーマンの佃煮を作る。ピーマンを切ったり焼いたりするのは楽しい。青々とした匂いが鼻に気持ちいい。ただ、満足した出来ではなかった。 それから、この前、服の整理をしたときに水着を見かけて以来、行こうと思っていたプールに行く。日差しを受けて、チャリを漕ぐ。 200m泳ぐと疲れる。プールから上がり、半身浴みたいなスペースでふわふわと休む。同じレーンでは、おじいさんがずっと同じペースで長々と泳いでいた。常連やなあ、流石やなあ、ロボット

        • 透明日記「散漫な日、もう夜」 2024/07/18

          気づけば、もう夜だ。今日は意識が散漫で、たいして面白くない日だった。音楽を聴いたり、新しい靴で歩いたり、ニットのほつれを誤魔化したりするうちに、夜だ。 靴紐の具合はよく分からない。歩いていると、足の甲に冷たい痛みを感じて背中がゾクっとした。歩道の傍で紐を調節しながら歩いた。しばらく、靴に悩まされることだろう。 昼ごろ、ゆるい感じの空を見ながら、ほっころり、ほっころりとしていると、腹の黒ずんだ雀が来る。ほっころりとしているから、エサをやる気が起きない。無視していると、叱咤激

        透明日記「映画と漫画と小説と筆ペンと」 2024/07/21

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        • 透明無題日常劇場
          147本
        • 吉田戦車『伝染るんです。』に触発された400文字
          20本
        • 言わんでもええがなエッセイ 好きだの嫌いだの
          11本

        記事

          透明日記「昼寝で枕によだれする」 2024/07/17

          朝八時ごろから、神社のセミが鳴きはじめる。空気がざらつく。セミの声は街の空気を変える。空気がざらついて現実感が湧いてくるような気もするし、セミの音空間に囚われて、夢の中にいるような気もする。 ベランダから見える空の彼方、山の上の方に、ブロッコリーの頭のような雲が幾重にも浮かぶ。ぐるりと、三つの方角にそんな雲を見る。雲と雲とが重なって、光と影を畳み込んでいた。 その感じが、セミのリズムに似てるような気がする。セミの声は、聞けば聞くほどに同じところをぐるぐる回る。今日の雲も、

          透明日記「昼寝で枕によだれする」 2024/07/17

          透明日記「エッセイなど買う」 2024/07/15

          朝、土日の日記を書く。 何か食べようと思って、冷蔵庫を開ける。欲しいものは何もない。冷凍庫を開けると、冷凍のお好み焼きを発見し、美味しそうだったので食べた。 岡崎京子の「マジックポイント」を読む。山根くんがかわいかった。スクリーントーンの貼り方もかわいかった。他の作品と比べてみたが、この作品のスクリーントーンが一番好き。何がそんなに違うのかは、よく分からなかった。物や人物の輪郭をはみ出してスクリーントーンを貼るのは、岡崎京子の特徴らしい。この作品で初めて気付いた。 昼、

          透明日記「エッセイなど買う」 2024/07/15

          透明日記「おにぎりとか夏祭り」 2024/07/13-07/14

          土日の日記。 7/13(土) 朝起きて、途中まで観てた「終わらない週末」を観る。サイバー攻撃かあ、と思って、寝る。 昼、冷凍の台湾まぜそばを食う。味が濃くて、お腹が膨れ、寝る。 夕方に起きてちょっと散歩する。川の水面が少し下がっていた。ひょうひょうと細長い寂しいような風が吹く。散歩者がたくさん出ていた。家を探す人々のように見える。国が機能しなくなったのかもしれない。SFっぽく眺める。 ちょっとして、コンビニでおにぎりとタバコを買い、家に帰る。富士日記を読む。 おにぎ

          透明日記「おにぎりとか夏祭り」 2024/07/13-07/14

          透明日記「書く・読む・歩く・観る」 2024/07/12

          昨日の夜、ニュースでアナウンサーが謝っていた。それを思い出して、朝に文章を書く。 朝は雨足が強くなったり、弱くなったり、止んだと思えば、細く降る。風が出ていて涼しい。クーラーを切って、窓を開けて過ごした。 昼ごろ、近所のタイ料理屋に行く。エビチャーハン、春巻き、大根一切れとパクチーのスープ、ココナッツミルクにバナナの浸かったやつ。1100円。 店内に入ると、異国。刺激の強い匂いに鼻腔が広がる。白いプラスチックのコップに水が出てくる。コップには何やら文字が書かれ、タイのフ

          透明日記「書く・読む・歩く・観る」 2024/07/12

          透明日記「朝の薬局」 2024/07/12

          朝、ワイドショーの流れが止まり、アナウンサーが謝罪していた。 「今日の放送で、間違いがございました。わたくし、靴の左右を反対にして履いておりました。申し訳ございません。」 アナウンサーが靴を脱ぎ、履き直そうとするところで、コメンテーターが指摘する。 「右の靴下、裏表が逆じゃないですか。」 「え、あ、申し訳ございません。靴下にも間違いがございました。大変申し訳ございません。」 アナウンサーは靴下を脱ぎ、履き直そうとしていた。 謝って済む問題ではないと感じた私は、気がつくと、テ

          透明日記「朝の薬局」 2024/07/12

          透明日記「季節が少し戻る」 2024/07/11

          朝、昼、雀にエサをやる。小さい雀が来ていた。みすぼらしく濡れそぼり、腹の毛が黒ずんでいる。頭に濡れた毛が立つ。催促するように近づいて鳴く。哀れんで、多めにエサをやった。 風のよく出る曇り空。明るい灰色の雲、水気の多い空気。季節が戻るような涼しさがある。 朝、ハヤシライス。堀辰雄の「風立ちぬ」を読む。静かな小説。季節ごとの自然が書かれていていい。死にゆく妻との日々、悲しいような幸福。感情が緩やかに移ろう。時間も静かに流れていく。ぼうっと読んだ。 昼、ハヤシライスを食う。三

          透明日記「季節が少し戻る」 2024/07/11

          透明日記「中洲には巨大な風が吹いている」 2024/07/10

          朝、梅雨曇りで風の少ない日だった。セミの声が神社の方から聞こえていた。セミは朝しか鳴かなかった。 朝のうちに川辺に行くと、土手には人も鳥もいない。ハトまでいない。珍しい。風もなく、虫の音だけが草むらから聞こえる。 家の近くの橋の下、川岸でコイぐらいの大きさの魚を見た。コイより話しかけやすそうな顔で、コイよりも細い。まん丸の大きい目で、ウロコが細かく、キラキラ鋭い色艶をして、ボラっぽい。川岸でゆらゆらしていた。 砂利道を歩いていると、バッタが飛んだ。バッタの落ちたところへ

          透明日記「中洲には巨大な風が吹いている」 2024/07/10

          透明日記「午前十時に散歩する」 2024/07/09

          今日は雲の表情が激しい。朝の空は淡め。夕方の空はくっきりし始め、いろんな形の雲が出ていた。陰影も豊かで、見応えがあった。 最近は遅くまで明るく、夜はやたらに短い。夜は七時半ごろにやってくる。七時のベランダがまだ明るい。夕方のベランダには、やらこい風が吹いていた。東の空は静かな青色、雲が眠るように浮ぶ。一日の終わりを見るようで、安らぐ。 昨日の昼は暑く、川辺に生き物も少なかったので、朝の十時に散歩してみた。風は少なく、日が弱い。生き物は昨日より見られたが、少なかった。もっと

          透明日記「午前十時に散歩する」 2024/07/09

          透明日記「空の青が深くて散歩」 2024/07/08

          暑い日が続いているけど、これからもずっと暑い日は続く。暑い暑いと言うのにも飽きた。だから、空の青が深いとか、暑い以外の夏も見るようにしよう。 朝、岡崎京子の漫画を読む。昨日読んだ『ヘルタースケルター』が面白かった。軽くて、深い。絵の余白が堪らない。他の作品も古本屋でパラパラめくって面白そうなので買っていた。読んだものは、ハッピーと残酷が表裏一体な話が多かった。すごい作家だ。 ご飯を食べる気がしなくても、食べると元気が出るということを、最近になって覚えた。朝と昼をちゃんと食

          透明日記「空の青が深くて散歩」 2024/07/08

          透明日記「車突っ込み、夏来たる」 2024/07/07

          朝起きて漫画を読む。漫画のような気分になる。 ぼくは人間から逃げる野ウサギのように、クーラーの効いた家から飛び出した。 マンションの廊下を駆け抜け、階段を転げ落ち、車道に出る頃には肉製のスーパーボールとなって、アスファルトを跳ねた。身にまとう冷気はすでに消えていた。 ただただ、路上に跳ね、汗にまみれた。汗のしたたる肉の玉となったぼくは、跳ねた拍子に空中で我が身が分解される運命を望んでいた。 しばらく跳ねたが、肉は崩れない。どこ行く当てもなかったので、ところどころ白い塗

          透明日記「車突っ込み、夏来たる」 2024/07/07

          透明日記「無能の人が好きだった」 2024/07/06

          太陽が躁病だったので、ぼくは散歩を諦めた。外は焼け石で、少し歩くだけでも修行のようだ。 近年、いよいよ太陽はその本性を露わにし、ちょくちょくダークサイドに出かけては人類に修行を与えるという謎の運動をやめる気配がない。 修行をするぐらいなら、トルコ語でもフィリピン語でも、なんでもいいから語学とかをやりたいような気分になる。夏やし、スカーっと、語学とか、やりたい。と。 それぐらい暑い。散歩に出れない。ぼくの一日を滅ぼすのは、ミサイルでも宇宙人でもなく、頭上に輝く太陽だった。

          透明日記「無能の人が好きだった」 2024/07/06

          透明日記「顔の女」 2024/07/05

          日記を書き損ね、これになった。 「顔の女」 おれは女を見ていた。傾いた口でよく笑う女だった。大きな口が斜めに付いていた。口の左端はあごの左側にかかり、口の右端は右頬にかかっている。歯がない。いや、覚えていないだけかもしれない。若いのだから、あったように思われる。 鼻も、口の傾きに合わせ、少し傾いている。小さな鼻だ。ごく自然に、目も傾いている。垂れ目のようだ。垂れ目が、口の傾きに合わせ、左目は鼻の横、右目は額の中と、変な位置にある。 女は福笑いのような顔で笑っていた。パー

          透明日記「顔の女」 2024/07/05