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透明日記「おにぎりとか夏祭り」 2024/07/13-07/14

土日の日記。

7/13(土)
朝起きて、途中まで観てた「終わらない週末」を観る。サイバー攻撃かあ、と思って、寝る。

昼、冷凍の台湾まぜそばを食う。味が濃くて、お腹が膨れ、寝る。

夕方に起きてちょっと散歩する。川の水面が少し下がっていた。ひょうひょうと細長い寂しいような風が吹く。散歩者がたくさん出ていた。家を探す人々のように見える。国が機能しなくなったのかもしれない。SFっぽく眺める。

ちょっとして、コンビニでおにぎりとタバコを買い、家に帰る。富士日記を読む。

おにぎりを食う。残っていた白米に高菜をかけて食う。ぼうっと過ごす。ぼうっとして、飲みに行こうと思う。

バーに入る。知る人がいる。色んな人がぽつぽつ。変な感じ。意識がみょーと細長く伸びる。ウイスキーを何杯か飲んで帰る。

家に帰ると、目が冴える。眠れないのでタバコを吸うと、もっと眠れないし、気が滅入る。いつの間にか寝る。

7/14(日)
朝、五時か六時に起きる。

だるい。だるくてだるくて仕方がないけど、外が明るくなって、ベランダに雀なんかが来て、遠くで蝉が鳴いているのを聴くと、感情が芽生える。自然がそこかしこでそれぞれの時間を流す。タバコを立て続けに吸い、ぼうっとしてると日が昇り、頭が冴える。

友達の家の近所で夏祭りがあると聞いていた。「そうか、夏祭りかあ」と思って流していたが、今朝、急に「夏祭りか!」と思って、夏祭りに行くことにする。十時半ごろ着く。

ばらばらと合流し、一団となって、神社に法被を借りに行く。神社周辺は祭りの準備でおおわらわ。屋台をあちこちで立てているところ。神社の入り口が、屋台と作業者と車で塞がっていた。狭いスペースを抜け、境内に入る。

友達が詰所で、法被は拝殿と聞き、みんなで拝殿っぽいところに向かうが、拝殿がわからない。どれが拝殿っぽいか言い合ううちに、詰所に聞きに行った友達が詰所で法被をもらう。

よく知らない地域の祭りでの軽い手伝い。神輿を運ぶ子共にジュースやアイスを配る。

神社で借りた法被を羽織り、友達らについていく。休憩スポットに向かう。小雨降る。和太鼓の音が路地を曲がって響くのが聞こえる。神輿を引く掛け声も聞こえ始める。法被は生地が厚く、着ていると暑い。

神輿が来る。先頭に台車に乗った和太鼓を、バチを持った子供が両側から叩く。その後ろから台車に乗った神輿が来る。子供らが真っ白い二本の綱を引き、和太鼓の拍子に合わせて、わっしょいわっしょいと引く。祭りの空気が運ばれてくる。列の周りには大きなうちわを持つ子供が二、三人、股引やダボシャツなどの祭りスタイルの大人たち。神輿と離れた歩道には私服の母親たちがぼちぼちと歩く。小雨が本降りになり、神輿にはビニールがかけられていた。

雨の降る中、休憩所で神輿が止まり、用意された棒アイスやチューペットなど、みんなで配る。子供らが一呼吸ためらい、アイスを取りに来る。チューペットを何本か配った。近くでおっちゃんがホースで霧を作り、子供らの頭上にかけていた。

休憩所の周りには、水のような子供の声がわらわらと沸き、聞き取れない賑やかな空間が広がる。別の休憩所に向かう。

道中、一団の一人が近所の子供に「まぐろ」と渾名されていることを知る。まぐろの要素がなさすぎて笑う。

二つ目の休憩所近くに、いいコインランドリーがあると聞く。古くて小さいコインランドリー。めちゃくちゃいい。二、三歩ほどの狭さ。詰め込まれた古い洗濯機、ボロい椅子?、小さくてチープな丸い壁掛け時計、くすんだ貼り紙、動きの悪いガラスの引き戸、引き戸のかすれた赤い文字、青と白のストライプの軒先テント。所々抜けている巻があるという漫画は、斜めに倒れて並ぶ。

全体的に時が止まったような雰囲気があり、サイズ感がかわいい。ミニチュアとか欲しくなる。もう少し見ておけばよかった。また見に行こうと思う。店頭でタバコを吸う。

休憩所の向かいのヘアサロンもいい味を出していた。装飾の凝ったサインポールがいい。あんまりよく見ていなかったが、サインポールが二層になって、三色は上で回り、下では直方体の四面に日本語が書かれ、カクカク回っているようだった。見たことのないポール。純喫茶のノリを感じる。

四つ辻の一角に作られた休憩所で、神輿が回ってくるのを待つ。シャーベットやジュース、冷たい茶など配る。顔を火照らせた子供らは、休憩所の周りに、小さな集まりに分かれたり歩き回ったり、よく分からない高い声で騒ぎながら、氷菓子と冷たい飲み物を楽しむ。氷水に手を突っ込み、タオルを濡らし、顔や身体を冷やす。冷たさに恍惚とした子供が、おおーと太い声で喘ぐ。おっちゃんは柄杓で氷水を空高く撒く。見たことのない光景。

神輿の休憩が終わると、神輿は去り、机やテントなど片す。

いい感じの喫茶店でトンカツ定食を食う。トンカツ、トンカツ、トンカツ、ロコモコ、ハヤシライス、豚キムチ。味噌汁、漬物、サラダにソース。お椀や皿が机にたくさん並ぶ。店内広め、天井低め、かっこいい形の空間。

食後、改装中の店で「バチェロレッテ」を観る。プロジェクターで動画を観れるようになっていた。押入れに遮光カーテンのようなものに映す。斜めから観ると、人間の顔が歪む。海の風景が流れると、波が立体的。

一人だと絶対観ないジャンルだけど、人と観るとガヤガヤ言って、アホみたいに笑えた。途中、一服とコンビニ。謎のあぶく銭で菓子など奢ってもらう。

夕方、夏祭りに出掛ける。神社の中と周りに屋台が並ぶ。人がたくさんいた。境内に入ると、やぐらの中でチンチンドンドン。前で一人の男が踊る。和柄の赤っぽい法被姿。狐の動きを模していると、連れに聞く。両手に、握り拳で中指の拳頭を開いたような形を作る。肘を張り、顔の前で拳をくねらせながら、構えが変わっていく。音に合わせ、静と動を繰り返す。うつむいた顔を拳で隠し、異形のものとなって踊っていた。

チャンチャラシャラシャラと鳴る金色の音に目が回る。

朝の手伝いで、缶ビール三箱を神主のような人にもらう。

屋台を一通り見る。スーパーボールすくい、400円。くじ、ベビーカステラ、からあげ、500円。その他も500円の店が多い。3000円でも6回遊べるだけなのかと思う。値段の高さに手が出ない。神社近くの唐揚げ屋の串は、一本に唐揚げ二つで200円と安い。

祭りは子供らでわいわい賑わっていた。緑、赤、青、紫など、光るおもちゃを身に付けたり、空気に膨らんだ刀のようなおもちゃなどを手にしたり。

屋台を後にし、常温ビールを飲みながら、商店街などうろうろする。リサイクルショップにカッコいい太鼓があった。

帰り道、祭囃子が聞こえ、コロの付いた神輿が見える。店の前で止まり、柏手を打って、商売繁盛を祈るよう。

コンビニでおにぎりを買う。店に戻り、「バチェロレッテ」の続きを観る。夜十時ごろ、2話ぐらい残し、電車で帰る。

車中、眠気でまぶたが重くなる。やたらと早く家に着いたように思う。

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