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2018年11月の記事一覧

ドーナツ

ドーナツ

幼いころは

何でもできるような気がしていたのに

今になれば

何にもできていないよな

自分にはできると思ってたこと

実際はぜんぜんできなくて

もはや悔し涙も出てこないよ

だってそれが当たり前だから

学校で学んだのは理不尽と

それに対抗する手段がないこと

そんなん打ち勝てるわけないよな

正義のヒーローなどいなかったんだ

子供がやってきた

騒いで楽しそうだ

ドーナツを前に子供

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振れ

振れ

考えることを放棄したので
もう何にも縛られない
苦しまなくて済むんだ

何も考えなければ
きっと苦しいと感じない
ただ目の前を受け入れるだけ

きっと単純な人生
A/Bボタンで選択できる
未来がきっとそこにある
明快な選択をしようよ
してみたいよ
悲しいよ
切ないよ

カメレオン

カメレオン

夕陽に照らされ
輝く横顔
嗚呼、僕はいつまで
これを見ていられるのだろう

このままでいいの、と
君は云うけど
このままで在り続ける事は
きっと叶わない

凡ては変わり続けんだ

好きな食べ物。お気に入りの曲。
季節。空。街の景色。
思い出の場所。
心。

理不尽にも他人により変わるのに憤る自分と変わりたくないと過去にしがみつく自分と
もう何も考えたくないと放り出す自分と
クラーク博士が指す未来を

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浅葱

浅葱

見えるものが総てなら
見えないものに苦しまず
少し生きやすくなるかな

でも、見えない自分の気持ちが
表出されず、見向きもされず、
気づかれないんだと思うと

少しだけ
ほんの少しだけ
切ないな

鈍感な君は気づくはずないよね
朴念仁を好きになったから悪いの
私も伝えられずに
見えないものに苦しんでいて。

HT

HT

嘘でもいい。
私に好きと云って。
人を介在させないで。
貴方の口から聞きたいの。

文字だけじゃ嫌だ。
声が聞きたい。
貴方の声と言葉は
勝手に作り出せないの。
だから。
お願い。

自分勝手な
私を



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缶コーヒー

缶コーヒー

もう嫌いだ
もう嫌だ

今ぼくが持っている
コーヒーのアルミ缶を
君に投げたところで
少し鈍い音がして
地面に堕ちて行くだけだ
ゴトッと音がして
驚いた蟻が逃げるだけだ
ごめんね、投げなきゃ
君との関係も
さよなら。

シーソー

シーソー

ぎっこんばったん
シーソーはみぎひだり
しあわせとふこうにふれる

自分がダメで素晴らしくて
若しかしたら素晴らしくダメで
変わり続けても結局変われないんだ

幸せな時に不幸になれないし
不幸な時には幸せは有り得ないの
ただ自分の無力さを呪っていればいい

「自分のやりたくない事をやってる余裕ない」
って突っぱねる心の鋼鉄さとか心持ち
そんなの自分は持ってないから

だから自分が不幸とかどうとか

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雪晶

雪晶

気づいたら、一面まっしろ。冬の街。

タイヤが唸るアイスバーン。

ガス灯に燈る希望と絶望。

スパイクが削るかき氷。

周囲に知らせる黄色灯。

人が漏らす紅い溜息。

乾木が爆ぜる銃声。

子供がはしゃぐ集積所。

片づけられる大衆の集積。

踏みしめられる白い泣き声。

“ぼたん”と呼ばれし者の宿命。

底

私は今

深い水の底に

取り残され

取り残され

浮かんでは沈む

浮かんでは沈む

浮遊感と

心細さが

私の胸倉を撫でる

撫でる

周りを見渡し

何も見えない

嘆息する

嘆く

嘆いても

浮かんでは沈む

浮かんでは沈む

喚いても

浮かんでは沈む

浮かんでは沈む

私は今

深い生の底に

取り残され

出られない

永遠が

そっと私の

心を掴む

掴んで離さない

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君は小さく

君は小さく

君は小さく嘘を云うんだ

「なんでもない」って嘯いて

潤んだ瞳で私を見る

ぜんぜんなんでもなくないのに

変なところで意地っ張りな

君がやっぱり愛おしくて

そしてそっと抱きしめる

だって私も泣きそうだから。