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ラジオの記憶㉘「論争」の意味をラジオで教えてもらった------「アシタノカレッジ」

 何か音が欲しくて、ラジオをつけた。
 音楽だけの時と、人の話し声を聞きたいときがある。

 この日は、声が聞きたかった気持ちになっていたようで、ぼんやりと聞いていたら、急に、ふっと耳が引きつけられる気がしたのは、直接的に知っているわけではないけれど、話題になっている論争についての話が始まったからだった。

論争

 どうやら、ある著名人のTwitterから、その論争は始まったらしい。

 それは、トランスジェンダーの人に対しての「意見」のような話だった。

 その著名な女性は、トランスジェンダーの女性が、公共の入浴施設や、トイレなどを利用する際には、現状では、体の性に合わせて区分する方がベターではないか。という意見を表明した。

 それも、そうした方々に我慢を強いるかもしれない、と気遣った上で、その理由も述べたらしい。

 女性として、相手とコミュニケーションも取れない状況で、そうした施設に、体が男性の人に入ってこられたら、それだけで緊張もするし、恐怖を覚えるかもしれない、といったことだった。

 それだけを聞くと、それは、素直な気持ちだとも言えるし、それほどの問題がないのではないか、といった印象の言葉だった。

 ただ、その後に、その著名な女性は、SNS上での謝罪をすることになったようだ。

 発言後に、すぐに「差別だ」といった声も上がったり、謝罪に対して、そこまですることはないのでは、といった意見だけではなく、そこから、さらに反論や異論などが続出し、詳細を知らない私のような人間には、何がどうなっているかわからない状況になっていた。

説明

 その複雑な状況のせいもあって、割と最近のことでもあったのだけど、忘れがちになっていたとき、「アシタノカレッジ」で、実際に、このトランスジェンダーの「論争」に関する話を始めたときは、スッと耳が向いていた。

 さらには、その話題と取り上げたパーソナリティが、自身のことを、トランスジェンダーの男性として、という言い方もして、そして、この論争自体が、残念といった前提で、少しゆっくりと話を始めた。

 こんな内容だった。

------勘違いが勘違いを生みまくったという印象だった。

 最初に、この有名女性の発言自体は、差別ではない、と思う。当然の感想でもあると思う。だけど、この発言は新たな差別を生む可能性があると思った。

 そこからの話は、自分が全部理解できたとは思えないけれど、この「論争」で目に触れてきた中では、個人的には最も納得がいくことだった。

理解

 そこから、さらに、そのパーソナリティは、こうした内容も話した。

 この女性の発言で、問題があるとすれば、このトランスジェンダーに対しての前提だった。たとえば、トランスジェンダーの女性が、公衆トイレや、ましてや銭湯の女湯に入ろうとするだろうか。少なくとも、そんなことを積極的におこなおうとするトランスジェンダーの女性は、私の周りの人は、周囲からどう見られているのか、どうすれば迷惑をかけないか、と深く考えている人が多いので、堂々と、そういう場所に入っていく人がいるとは思えない。

 それなのに、著名人の発言で、あたかも、当事者がそう望んでいるように思われる可能性が出てきてしまう、という指摘だった。そして、さらに、自身のことも重ねて、こうした話もしていた。

 それに、体の性別で分けるべきだ。戸籍の性別で分けるべきだ、という意見は雑だと思う。そうであれば、僕は女性トイレへ。女性のお風呂へ。と言うことになるけれど、僕は、ひげも生えているし、上半身も男に見えるはず。だから、そうした行為で、恐怖を与えることもあると思う。だから、そんなことは、できない。

 ただ、この論争を複雑にしているのは、犯罪がからんでくるからのようだった。男性なのに、トランスジェンダーの女性を装って、女性トイレや、公衆浴場に入ってこようとする人がいるはず。そういう場合にどうするか、といった論議もあるようだ。

 このことに関しても、ラジオのパーソナリティは、慎重に言葉を選びながら、こうした話も続けた。

 女性を装った男性の犯罪は、事実としてあって、もちろん、その対策は必要。だけど、そのことと、トランス女性が望んでいることは別。ということは知ってほしい。
 こうした著名人の発言が広がると、犯罪者と同一されて、それで、トランス女性も排除すべきだ、と差別が生まれてしまう可能性もある。
 トランスジェンダーの女性が、本当に望んでいることは、どんなことか。それを理解していくことが重要ではないか、と思う。

 リスナーとしては、パーソナリティの話を、そんなふうに理解できた気がした。

(※この理解は、あくまでも私個人のものですので、興味がある方は、ぜひ、実際の放送↓を聞いてもらえると、もっと正確な理解ができると思います。開始後1:03あたりから、約13分間です)。


 ラジオだと、比較的、長い時間の話が許容されているので、こうしたことを伝えてもらい、考えることもできたのだと思った。そして、知らないことが、とても多いのも、改めてわかった。



(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえると、うれしいです)。




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